この2月は、公的なボランティアをされている大人のみなさんを対象にした「青少年を取り巻く環境の激変!スマホなどのインターネット機能・・・」に関する話や、小学5年生の児童のみなさん約100名を対象にした「ゲーム機などのインターネット機能・・・」に関する出前授業をさせていただく機会がありました。


昨年度からですが、特に小学校への出前授業では、保護者のみなさんにも参観してもらうのは、その日から、インターネットという同じ話題を、家庭において親子で共有してもらえるための時間(きっかけ)になることを目的にしています(参観できなかった保護者の方にも、あとから家で読んでもらって親子でしゃべれる資料も準備・提供)。それは、ゲーム機のネット機能の落とし穴について話し合える親子は、いずれスマホをわが子に持たせる時にも、スマホの落とし穴やフィルタリング・セキュリティーなどについて、話し合えて、相談し合える親子になれるのではないか・・そんな対話もできる親子関係を再構築してほしいと願ってやみません。


今回は、大人のみなさん向けの話も、小学5年生(授業参観)向けの出前授業も、


全国優勝した東海大仰星高ラグビー部監督さんの言葉、


今の子は携帯電話などを使ったコミュニケーションに親しんでいる。しかしそれだけで、お互いを知った気にならないようにしたい。顔を合わせる環境を大事にしたい


慶應義塾大学(教育経済学者)中室牧子・准教授の言葉、


お手軽なものに効果はない


の2つを具体的に伝えることを意識しながら、話も授業も進めるのを大事にしてみたことが、昨年度までの内容とは少々異なる点です。


インターネットは確かに便利(通信量もスピードも)ですが、便利になればなるほど、リスク(危険な落とし穴)も増えていくことを、親も子も一緒に自覚しておく必要があります。これだけ3DSなどのゲーム機やスマホが社会に広がってしまった現在、子どもをインターネットから遠ざけることでは、子どもをネットの危険から守れる時代ではないということです。いつものくり返しになり恐縮ですが、親も子も「インターネットの落とし穴を具体的に学び」ながら、普段から「対話・相談できる親子関係を築く」ことを、何よりも大事にしていただきたいと、心から願います。


2016年1月26日(火)の朝日新聞2面の連載記事「ひと」は、S氏の「小学5年生の教科書で、氾濫する情報の見分け方と説く」という内容でした。全文を直接読まれることをオススメしますが、記事の冒頭だけ紹介させてください。


『小学5年生の国語教科書(光村図書)に「想像力のスイッチを入れよう」と題した6ページの文章を書いた(中略)。インターネットで情報を発信・転送・受信する時に、思い込みや推測で、誰かを苦しめる危険がある。それを避けるために、「四つの疑問」を常に持とうと説く事実かな?印象かな?他の見方もないかな?何がかくれているかな?まだ分からないよね?(以下略)』


この「想像力のスイッチを入れよう」は、ギスギスしている今の時代にピッタリの、よい国語教材(内容も興味深い説明文)だと思います。他の教科書会社の国語教科書を使っておられる小学校の先生方も、一読する価値はあります。著者S氏の公式サイトにはアドバイス動画もあり、S氏の文章を掲載している東洋経済ONLINEには、『物を言う時・発信する時には、「キメつけてないかな?」とか「キズつけてないかな?」と自問しよう』というS氏の助言もありました。これって「四つの疑問」と合わせて、コメント・ツイッター・メール・LINEなどで、人を傷つけないための土台ではないでしょうか。自分が今いる教室や職場でも、ネットの世界でも、コミュニケーション(人と人との言葉のキャッチボール)で最も大事なのは何かを、教えてもらいました。


せっかくですので、S氏の著書「10代からの情報キャッチボール入門」(岩波書店)も読んでみました。第2章では、「情報を受信する時の4つの疑問」として、「事実かな意見・印象かな?」「「他の見え方もないかな?」「隠れているものはないかな?」「まだわからないよね?」について、わかりやすく解説してありました。第3章では、「情報を発信する時の4つの自問」として、「何を伝えたいの?」「キメつけてないかな?」「キズつけてないかな?」「これで伝わるかな?」について、明快に解説してありました。本書を直接読まれることをオススメします。


公的ボランティアのみなさんはパパママ世代や青少年に、保護者のみなさんは子どもたちに、ゲーム機でもスマホを使い始める時や、その使い方に「あれっ?大丈夫かな」と感じられた時こそ、この「4つの疑問」と「4つの自問」を伝えてあげてほしいなと思いました。なお、言い忘れていたQ&Aですが、Q「子どもが親にゲーム機やスマホをねだる時、一番買ってもらいやすい頼み方は?」に対する、A「みんな持っているから買って」の「みんな」とは、果たしてクラス全員なのか、それとも仲良し3人だけのことなのか、その事実を言い表すには、ごまかしのきく、あいまいな表現だということが言いたかったのです。

関連ページ
子どもの「ネット・トラブル」を防ぐ【ネット・リテラシー教育】は、親子の絆を結び直す「きっかけづくり」【小学生:ゲーム機10カ条の憲法(案)】指導案
http://sg2takaboo.exblog.jp/24898533/


by takaboo-54p125 | 2016-02-28 05:04 | 親・保育士・教師の研修・講習

昨年2015年6月13日(土)朝日新聞の別冊beの「フロントランナー」で内村直尚・久留米大学教授の取り組みが乗っていたので紹介させてください。タイトル「昼寝を勧める睡眠伝道師」という記事の1面冒頭には、次のように書いてありました。


『午後1時15分。昼休みを終えた生徒が教室へ戻ってくる。そろそろ、午後の授業がスタートかと思いきや、校内放送に意表を突かれた。


「エネルギー充電のための午睡タイムに入ります」


照明を消し、ブラインドも閉じて。ほの暗い教室で生徒が次々に顔を机に伏せていく。流れてきたのはモーツァルトの「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」。やわらかなメロディーが心地いい。福岡県立明善高校(久留米市)で2005年から続く午睡の風景だ。


15分後、再び放送が。


「日光を浴び、ストレッチを行い午後の授業に備えましょう」


顔を上げた生徒たちは、伸びをしたり、首を回したり。ぐっすり眠った人もいれば、目をとじていただけの人もいるようだ。


明善高校のほか、茨城、静岡の高校や愛媛、佐賀の中学でも、体調を整え学力向上も期待できる午睡の導入をアドバイスしてきた。(以下略)』


保育園や幼稚園では以前から「昼寝タイム」を確保されていて、内村教授の助言をもらった中学・高校でも「昼寝タイム」を採り入れるようになりました。ということは、この内村教授の勧める「15分間の昼寝タイム」は、次年度へ向けて、小学校の日課表にも導入する値打ちがあるのではないか、と思いました。もちろん、学校の日課表が分刻みで、たとえ15分でも確保するのは至難の業(何かを15分削らなければならない)だということは承知しておりますが、検討する価値は充分にあるのではないでしょうか。5時間目の子どもたちが学習に集中できない状況があるのなら、一度ご検討いただければ、と思います。


また、滋賀医大の宮城教授(睡眠学講座)が講演されていた「朝の光を浴びる早起きの大切さ」についても、内村直尚教授も別冊be3面の「強者も睡眠に気を使わないと力を発揮できない」で述べておられました。別冊beとbe3、どちらの記事も全文を直接読まれることをオススメしますが、内村教授の「快眠のためのアドバイス」の一部だけ紹介させてください。


『起床時間を一定にし、早起きしましょう。朝の光を浴びると15時間後に眠気が現れ、就寝時間も規則正しくなります。朝の光と体内時計がリズムを生みます。


次は就寝前、寝る前に強い光を浴びると、睡眠ホルモンのメラトニンが抑制され、眠りにくくなります。深夜は明るい照明の店に行くことや、パソコン・携帯電話(スマホ)の使用も控えましょう。(以下略)』


記事の中の、内村教授の話では、厚生労働省も2014年に「睡眠指針」を改訂し、「午後の早い時間での仮眠」を推奨しているとのことです(知りませんでした)。カリキュラムをぎっしり詰め込むと、子どもたちは消化不良、先生方は過労、なんてことになりかねません。むしろ、一見、無駄に見えるもの(余白)こそ、長い目で見たら大事だと、数学者・森毅さんもおっしゃっていました(下記ページ参照、以下は森さんの名言)。


子どもと向き合う学級づくり⑤【8月の教室】+【2学期初日の発問】【森毅さん名言】【若い先生の挑戦】【ラ抜き・レ足す・サ入れ言葉】【緊急メール配信】
http://sg2takaboo.exblog.jp/24898141/


『近年、82才で亡くなられた数学者の森毅(つよし)さんの著書を何冊も読んでいると、ドキッとさせられる森さんの「ひと言」が、キラッと輝く流れ星のように見つかります。私たちは、スーッと消えていく流れ星のように、サラッと聞き流してはいけないのではないか、と思いました。そんな森さんのひと言ひと言をかみしめて、日々の保育・教育に生かしていきたいものです。それでは、いくつか紹介します。


【数学者:森毅(つよし)さんの名言(18文)】


「学びは人間関係の中に成立します」


「ムリやムダを省いて答えを出そうという、効率主義の教育ではだめです」


「分からんことを楽しむのも、立派な能力です」


「正しさは伝わりません。楽しさはうつります」


「学力低下が社会問題になってますが、本当に大事なのは、学力がなくとも 何とかする力をいかに育てるかです」


「 今の教育で何より必要なのは、どんな不確定な変動にも、ツブシの利く人間を育てることでしょう」


「違うことはいいことだ。アハハって面白がってればいいのよ」


「失敗しても、またやり直したらええやんか」


「最近の人は、予定表に空白があると落ち着かへん「空白脅迫症」みたいなのが多いね。山登りでも、すぐ目的地へ行きたがる。僕は、山の上へ無駄なく行くより、谷の方でデレッとしてるのが好きなんや。そうするとね、シャキシャキしてたのでは見えないものも見える時があるよ」


「若いうちから、もっとムダせい、言うの。ムダがどれだけ身につくかで、教養が広がるんやからね」


「即戦力なんて、自分を食いつぶすからね。あんまり即戦力になると、時代が変われば途端についていけなくなるからな。時代の変わり結構早いからね」


「60パーセントぐらい幸せだったら、相当に幸せだと思うことにすればいいと思うよ」


「新しいことを始めるには優等生だけではだめ。突拍子もないことを言い出すのは、たいていはスカタンですわ」


「エエカゲンがおもしろい」


「まあ、ええやないか」


「ぼちぼちいこか」


「元気になれ、がんばれというメッセージが多すぎる」


「予定通りの人生なんて、そうあるもんやないよ」


以上、森毅さんが私たちに遺してくださった、保育教育や生き方に関わる18の名言の紹介でした。』これが、上記ページに載せてある内容(どれも含蓄のある名言ばかり)です。

関連記事
「睡眠学講座」滋賀医大:宮城教授の文章を読んで
http://sg2takaboo.exblog.jp/24898120/



by takaboo-54p125 | 2016-02-20 05:15 | 保育・教育

2016年1月17日(日)朝日新聞18面に「強い結束 3冠つかんだ仰星」という記事がありました。そこには、2015高校ラグビーで3冠を達成した東海大仰星高校ラグビー部のY監督の言葉が載っていました。記事全文を読まれることをオススメしますが、記事の概略を紹介させてください。


『希望者は必ず入部させ、部員全てが同じグラウンドで共に練習する(中略)。練習では、先発組とベンチ入りできない部員を決して区分けしない。高校の約100人、付属中の約50人を合わせた約150人が一緒にグラウンドに立ち、同じ練習メニューをこなす(中略)。Y監督は


今の子は携帯電話などを使ったコミュニケーションに親しんでいる。しかしそれだけで、お互いを知った気にならないようにしたい。顔を合わせる環境を大事にしたい」。(後略)。』


Y監督が「顔を合わせる環境を大事にしたい」と思っておられることを、100人を越える部員全員による同じメニューをこなす日々の練習方法、という具体的な「顔を合わせる環境」で実践されているところに、大きな意味があると思いました。


顔を合わせる環境を大事にする」のを具体化することは、部活動だけでなく、保育・教育や、育児・子育て、職場や地域など、現代社会のあらゆる場面で生かさなければと、改めて考えさせられました。Y監督、すばらしいヒントを、ありがとうございます。2月14日頃、関連記事が出せれば、と思います。


【おまけ】先日、2月3日は節分でしたので、例年どおり、豆とイワシを食べました。なお、恵方巻が広まったのは90年代後半ですから、80年代に日本で生まれたホワイトデーや、70年代から定着したバレンタイン・チョコよりも歴史が浅いので、テレビ・ニュースで見るだけにしました。関西には元々、昔から節分に巻き寿司を食べる習慣の地域も大阪などであるようですが。

関連ページ
「中1ギャップ」教師ができる7か条【先生、そんな言い方しないで】【コミュニケーションを大事にする事例】「高校の卒業式」で大切なこと
http://sg2takaboo.exblog.jp/24898132/


by takaboo-54p125 | 2016-02-06 05:15 | 文化・スポーツ