初期対応のミスが「モンスターペアレント?」を生みます
 
私は使いませんが「モンスターペアレント?」と言われる保護者は、どんな方なのでしょう。地域で孤立しておられる人(ご近所とトラブっている最中)かも知れません。ひょっとすると、ご自身が悩んでクリニックに通院されている場合も、ないとは言いきれません。抱えるストレスが満杯になると、瞬間湯沸かし器のようにカーッとしてしまわれるのでしょうか。文句を言って、からんでくるクレーマーとは全然違います。「自己中心的な保護者」という先入観を持ってしまうのは、早計です。そんなレッテルをはってしまうと、肝心の子どもの見方も見誤ってしまいますよ。


実は、わが子の子育てで困っているけど、本心を打ち明ける相談相手がいなくて、孤独感の中で、苦しんでおられる人が、その大半なのです。それなのに「モンスター」とは、失礼だと思います。地域で孤立していたり、ご近所で浮いていたり、近所づきあいが全くなかったりしている保護者さんの、人と関わる時の気持ちは、「敵か味方か」「○か×か」「白か黒か」という感覚に近い状態で、ガードを固めて接してこられるものです。ですから、学校からの電話にはとても過敏ですよ。わが子のよくない話の電話の連続では、「またか」「どうせ」と瞬時に拒否反応してしまうのは、むしろ当たり前の反応です。「足を運べば誠意が伝わる。電話で済ませば誤解が伝わる」という原則について、忙しさを理由にショート・カットする担任が増えてきていませんか?誤解が伝われば、当然、強い反撃に出てこられます。こうして、初期対応(乳幼児健診か保幼か小中か)のまずさが不信感を招き「モンスターペアレント?」を生んでしまいます。そうなると、新しい担任に対しても、第一印象で、「この保育士・教師は敵か味方か」を判断されるでしょう。だからと言って、こわがることはありません。わが子の味方、わたしの味方と直感で感じてもらえたら、とても担任を頼りにしてくださるケースが多いと思います。グチも軽く受け流さず、うなずきうなずき親身に聞いてあげましょう。ただし、あいづちを打つ言葉はひとつだけです。(事実確認してないから)。「そうですか。困りましたねえ」(あえて主語をあいまいにしておく)
いきなりグチや苦情が出るのは、味方が少なく、わが子の悩みを一緒に共有してくれる人が、周囲に一人もいないからなのです。


最初の出会いの言葉(お子さんについてのひと言)は、うんと大事にしたいですね。保護者さんの目をしっかり見て、
「△△君、やんちゃやけど、大好きですねん」
「△△さん、こんなええとこ、あるんですよ。」
「△△君、こんなこと、言うてくれたんですよ。うれしかったですわぁ」
と本音で言えるような、子どもとの関係づくりがスタートです。そんなスモールステップの積み重ねが、少しずつでいいから出来ていけば、その子は家で担任の悪口は言いません。
「ぼく(わたし)の気持ち、わかってくれはる先生や」と、きっと言うでしょう。それを聞いたら、学校・園不信だった保護者さんも、感謝の気持ちを持たれるはずです。四面楚歌の中で暮らしてきて、やっと信用できる担任に出会えたと思ってくださるでしょう。


現実はこんな簡単にはいきませんが、保育士・教師の基本的な姿勢は、こうありたいものです。


ただ、先生方の間で「モンスター・ペアレント?」という言葉だけが1人歩きしていることはありませんか?担任のミスで子どもの心を傷つけた時でも、感情的に抗議される保護者のことを、「モンスター・ペアレント?」と自分のミスを棚に上げて、同僚にこぼす卑怯(姑息)な発言だけは見逃さない職場であってほしいものです。たいてい同僚の言い方で、すぐわかりますけど・・・。


ところが、ミスしても取り返せる失敗と、信頼を取り返せない失敗(暴言・暴力・手をぬかないはずの所での手ぬき、はみ出る子どもを簡単に見捨てるなど)を、管理職やベテランが若手に教えてほしいと感じることが、私の耳にも時々入ってきます。えーっ、そんな自己チューな担任はいないはずやと、信じたいところなのですが・・・・自己主張する子どもを無視する担任が、時々います。ほんまは、自己主張できない子どもを心配すべきだと思うのですが・・・・。


とにかく、学校・園の先生方は、安易に「モンスター・ペアレント?」という呼び方を使わないようにする方がよいのではないでしょうか。これは、先入観言葉と言うか、親と担任の溝を深めるだけの差別的な言葉だと、私は思います。


保護者対応の「始めの4歩」


保護者は、抗議という形で、怒りの感情を出しながら、同時に、
自分の育児(現在進行形)の苦労をわかってほしい!
自分の育児が基本的にどうなのかを(全否定せず)認めてほしい!
という、裏側にあるヘルプも出しておられるのではないか、ということです。言いかえれば、私の育児の苦労(いっぱいいっぱいの気持ち)に共感してほしい!                               
という願いが込められていることに、私もやっと気がつきました。


ということは、保育園・幼稚園・小中学校で、保護者から相談を受けた時の、保育士・教師・養護教諭が対応する「最初のひと言」も、即返答しては絶対ダメ!だということですね。(即答できることでも)
まず、
保護者が来られたことにお礼を述べ、(信頼度ゼロなら来ない)                                    
保護者のご苦労をねぎらい、(ウンと心をこめて)
保護者の子育てのよい点を具体的にほめて、(お世辞ではダメ)
保護者の気持ちに共感しながら、(言葉と表情とまなざしで)

思いを受けとめてあげて、相談に応じていくのが、保護者が心を開いてくださる「手と手を結び合える子育て相談」になるのではないでしょうか。私はそのことを、「教育相談:始めの4歩」と自分に言い聞かせながら、今も相談を受けるように、心がけています。

関連ページ

教育相談「始めの4歩」で決まります

http://sg2takaboo.exblog.jp/24898108/



by takaboo-54p125 | 2012-09-30 05:02 | 保育・教育

担任の仕事は超忙しすぎて、クラスの1人ひとりの
子どもの心とじっくり向き合う時間がとれない時は!


1人1分、40人なら40分で、1人ずつ個別に向き合う時間がとれる方法が1つだけあります。仕事を増やすようで心苦しいのですが、これこそ、全員の子どもとつながれる一番の近道なのです。慣れてきたら、1人30秒、40人20分でできます。
帰りの会で子どもたちが「ひと言日記」を書く時間を5分間とり、担任が職員室か家でひと言ずつコメント(赤ペン)を書き、翌日の朝の会で返す、このくり返しです。1分間だけですが、どの子どもとも日記を通じて、真剣に向き合えます。時間がないなら、帰りの会を5~10分早く始めたらよいだけです。                              
やっておられない先生方は、今からでも、だまされたと思って、試してみてください。                                      
子どもが思ったことを1行でも書き、担任がそれに返事をひと言だけ書きます。書かない子もOKにして、白紙の日記にもコメントを書きます。担任に余力があれば、学級通信で友だちの日記(本人の了解済みのだけ)と担任のコメントを読み合います。一見めんどうで地道な取り組みですが、継続すればするほど、全員の子どもとの信頼関係が確実に深まります。


文を書くのが下手で、日記なんて嫌がる子どもたちが、まずスタートラインです。一見つまらなそうな日記でも、その子の「心」が伝わってくる所に光を当ててやるコメント(短くほめる)をちょこっと書くことから出発します。これは「心」と「心」のキャッチボールです。「心」がないと、お互いにつまらなくて、面倒くさい労役になります。大事なのは「心」だから、よい文を求めず、説教なんか書かず、その子が書いた事実に即して、その子と対等に、その子に共感するコメントを心がけたいものです。まあ、直感です。その子のその日のステキな姿が浮かんだら、しめたものです。                                      
日記は指導じゃなく、担任がおもしろがり(心を動かすという意味で)、子どもも読んでもらえることをうれしく思う、そんな関係づくりではないでしょうか。短いラブレターなのかも知れません。息の長い取り組みなので、無理はせず、週1回でもいいし、書かない子がいても、コメント(その日、その子の印象に残ったことを短くほめる)だけ書いてあげたら、そのうち子どもも書いてくるだろう、というぐらいの、のんびりした進め方でいいかなと思います。


日記を書くのが楽しくなるワークシート作業例


作業の前に、× と ○ のちがいを板書をして 説明しておく。


× 自分がしたこと(手足)


○ 見たこと(目)
○ 聞いたこと(耳)
○ さわった感じ(肌)
○ におい(鼻)
○ 味(舌)      以上は五感です
○ 話したこと(口)
○ 思ったこと(心)
○ 考えたこと(頭)


2つの日記(ワークシート)の中のⅠ文1文を、「× したこと」「○ 五感を働かせたこと」に分ける(したことには × 、五感を働かせたことには ○ をつける)


教師の支援(言葉がけなど)
・作業は1行ずつ教師が音読しながら、全員でワークシートを1行ずつする。


・○ の文が多くなると、書くのが楽しくなることを伝える。


・× の文ばかりにならないことを、子どもたちにわかってほしい。


イラスト(導入時の補足ポイントの表)を配り、日記に貼らせる。


ワークシート(2つの日記)


いっしょに下校したA君とB君の日記を比べよう。
 一行ずつ、( )に ○ と × をつけてみよう。(担任が1行ずつ読みながら)


「今日」              A男
( )今日、家に帰ってカップめんを食べた。
( )そして、PSPをした。
( )そして、Wiiをした。
( )そして、B君にメールをした。
( )自転車でコンビニへ行った。
( )B君と遊んだ。


「クレーン車」           B男
( )「ウィーン」という音、A君が「何やろ」と聞いた。
( )ぼくは「クレーン車や」と言った。
( )クレーン車はビルの上まで、鉄板を持ち上げていた。
( )あんな高い所まで上げられるんかなと思った。
( )人間なら、何人ぐらい、ぶら下がれるのかな。
( )A君と二人で、クレーン車のまねをしながら帰った。


日記帳は、国語か作文ノートを裁断機で半分に切った大きさで充分でしょう。


「うれしかった・たのしかった」(ワーイ)


「がんばった・はりきった」(ヤッター)


「びっくりした・感心した」(エーッ)


「じっとよく見た・じっとよく聞いた」(アレッ)


「うんと考えた・とても困った」(ウ~ン)


「くやしかった・はらがたった」(プンプン) 


「はずかしかった・つらかった」(ヒェ~)


「かなしかった・さびしかった」(エーンエーン)


というテーマ一覧表を印刷して、日記帳の表紙の裏に貼らせます。顔のイラスト入りで、名刺大の大きさで充分です。子どもが日記帳に向かう時、何を書くかのヒントです。

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石井順治先生から教えてもらいました。

関連ページ
教材【日記の授業:指導案】【おもらし・お手伝い】【聞かせたい5話】【詩・冬の夜道:指導案・発問】【中学・職場体験授業:指導案】【発声練習:朝の会】【ごんぎつね:発問】
http://sg2takaboo.exblog.jp/24898472/


by takaboo-54p125 | 2012-09-23 05:01 | 保育・教育

「リンダリンダリンダ」というDVDを観ました


「ザ・ブルーハーツ」の曲「情熱のバラ」を好きなことから派生して「リンダリンダ」も気に入り、DVD『リンダ リンダ リンダ』も持ってますが、これは山下敦弘監督の邦画(2005年)です。「リンダリンダリンダ」を初めて観たのは、図書館から借りた時です。それでは、ストーリーを少々・・(ロケは群馬県内の高校)。


高校生活最後の文化祭のステージに向けて、オリジナル曲の練習を重ねてきた軽音楽部所属のガールズバンド。ところが本番まであと3日という時になって、メンバー2人がケガと口げんかで抜けてしまいます。残されたドラムの響子(前田亜希)、キーボードからギターに転向しなければならなくなった恵(香椎由宇)、ベースの望(関根史織)の3人はステージに立つことをあきらめず、ふとしたきっかけからブルーハーツのカバーをやることになります。そして、彼女たちがボーカルとして声をかけたのは、たまたま目の前を通った韓国からの留学生ソン(ペ・ドゥナ)でした。そこから、4人の寄り道だらけの猛練習が始まる・・というストーリーです。練習では「ぼくの右手」、ステージでのフィナーレは「リンダリンダ」、エンディングは「終わらない歌」(主題歌)の3曲を演奏し、歌い上げます。 このチームのバンド名は韓国語「パーランマウム(PARANMAUM=파란 마음)」、意味は「蒼い心」、すなわち「ザ・ブルーハーツ」ということなのです。ここまで知っているぐらいですから、当然ながら、CD「パーランマウム」で彼女たちが演奏し歌う「リンダリンダ」「終わらない歌」「ぼくの右手」の3曲は、私のカーオーディオでお気に入りCDのひとつになりました。


映画の話に戻りますが、軽音楽部顧問の小山先生役は俳優:甲本雅裕(なんと、ザ・ブルーハーツのボーカル:甲本ヒロトの弟)、留学生ソン(ペ・ドゥナ)に告白する高校生・マッキー役は俳優:松山ケンイチという、ユニークなキャスティングだということは、知る人ぞ知ると言うか・・あまり知られていないでしょう。今、NHK大河ドラマで平清盛を演じている松山ケンイチは、「リンダリンダリンダ」の翌年(2006年)に映画「デスノート」でL(エル)を演じました。そんなマッキー(松山ケンイチ)が片言の韓国語で告白し、ソン(ペ・ドゥナ)が片言の日本語で答える場面は、ほほえましく、ささやかな日韓交流が描かれていました(敬称略)。


パーランマウム - Owaranai Uta(4人の演奏を同時に見ることができる、貴重なオススメの動画です。ベースの関根史織は、さすが本職のリズム感です。ドラムの前田亜希の絶やさない笑顔が印象的で、いやされます)


https://youtu.be/8U0BZdDjvUo


by takaboo-54p125 | 2012-09-22 05:11 | 音楽

運動会・体育大会後、生活リズムを取り戻す


 運動会や体育大会が終わると、子どもたちは気がぬけます。
普段の学校における生活のリズム、授業のリズムになかなか戻れません。
1年間のうちでも要注意の時期です。
とりあえず、次の方法を学校全体でやってみませんか。


 どの子も授業の流れの見通しを確実に持てるには45分の授業の流れを黒板の隅に板書するのです。
例えば、小学校中学年の国語です。


①新出漢字
②漢字ドリル
③音読
④ことばの意味調べ
⑤早くできた人は読書か自由帳
というふうに、どの子も黒板の隅を見れば、何度でも学習の流れを確認することができます。(全員への視覚支援です)
聞くことに集中するのが苦手な子にも喜ばれます。
シンプルな方法ですが、学習のリズムや学習の習慣が、早く取り戻せます。
もちろん漢字ドリルの何ページなのかも、音読の範囲も、意味調べをする言葉の数は何個なのかも、添え書きしておきます。


担任が意識したいこと・・・10項目


1,担任が笑顔で「おはよう」と言うと、子どもも元気が出ます。
2,担任が楽しそうに歌うと、子どもも歌うのが楽しくなります。
3,担任が遊ぶのを楽しむと、子どもも遊ぶのが楽しくなります。
4,担任が「うんうん」とうなずくと、子どもも満足できます。
5,担任が気持ちに共感してやると、子どももうれしくなります。
6,担任が「困ってるの?」と聞くと、子どももしゃべります。
7,担任が「えらいねぇ」とほめると、子どももやる気が出ます。
8,担任が「大丈夫だよ」と支えると、子どもも自信を持てます。
9,担任が共に心から喜ぶと、子どもの喜びも2倍になります。
10担任がどっしりしていると、子どももなぜか安心できます。


どのクラスも担任にほめてもらえるクラスになるには            


 リズムが取り戻せず、担任からしかられることの増える時期です。
くずれるクラスを出さないために、全職員が少しずつ助け合う(負担はわずかな)ことで実現可能な方法です。
この方法を取り入れながら学校の荒れを立て直した中学校も、県下に何校もあります。

それは、簡単に言えば「キラッと見つけ」(よかった探し)作戦です。
職員室の数カ所にメモ用紙を積んでおきます。
登下校、朝自習、休み時間、掃除、など、自分の担任じゃないクラスの子がよいことをしたり、ステキな姿を見せたりしたのを見かけた時は、メモに書いて職員室の担任の机上にセロテープで貼っておくだけです。
名前を知らない子なら、ほめながらクラス名を聞きます。
担任以外の人がほめる材料を提供するわけです。
担任はそれを教室でほめます。
担任にも担任以外にもダブルでほめられるのですから、効果抜群です。
担任が連絡帳にも書けば、親にもほめられて、トリプル効果です。


感情が爆発せぬよう自分でコントロールするには


 ムカついたりキレそうになった時には、次のような方法があることを、きちんと全員の子どもに教えてあげましょう。
ストレスをためないためにも、怒りの感情をしずめたり、気持ちを落ち着かせる、こういうスキルを教えてあげるのです。


・その場所から離れて、静かな場所へ移動する。
・ゆっくりと大きく深呼吸をして、ぎゅっと両手をにぎって、両手に力をこめる。                                                     
・自由帳や連絡帳やノートのはしっこ、紙切れなどに、自分の気持ちをなぐり書きしてみる。
・誰かに自分の気持ち(怒りそのもの・怒りの理由)を聞いてもらう。                                        
・その他、歌を歌うなど、自分に合った方法(保育士・教師間でいろいろ情報交換)を試してみる。


 このイラストは、子どもたちの日記帳(おもて表紙の裏側)に貼らせたイラストです。
子どもたちは、何を書こうか・・と困った時は、このイラストをじーっと見て、思い出したように書き始めました。
そんな「きっかけ」になるイラストでした。
石井順治先生に教えてもらったイラストに手を加えたものです。
オススメです。どうぞ、このアイデア、ご活用ください。

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関連記事
子どもと向き合う10月の教室【子どもに聞かせたい、ちょっといい話(5つ)】
http://sg2takaboo.exblog.jp/24898413/



by takaboo-54p125 | 2012-09-16 05:04 | 保育・教育

「ぼくの教室は二つあるで」と思ってくれた時が本物の交流学級になれた時です。


運動会の取り組みも!


まだ本物じゃない交流学級では・・・


 5年生の「まだ本物じゃない交流学級」における、給食の時でした。
校内放送で、特別支援学級の先生とC君(5年生)から、特別支援学級で飼い始めたインコの名前を募集したら、全校で150人以上の子が応募してくれたことに対するお礼と、インコの名前が決まったことの報告がありました。
C君も決まった名前をがんばって発表していました。

5年生の担任の先生は、特別支援学級前廊下に貼り出してある一覧を見に行きました。
応募した子をほめてあげようと思ったからです。
ところが、交流学級である自分のクラスの子の名前を、1人も見つけることはできませんでした。
がっかりすると同時に、それは自らの学級づくりのせいであることを痛感しました。
子どもたちの様子を見守ることに・・

帰りの会になりました。
今日の反省の時です。
D君が手を挙げて、C君の方を向き、

「同じ組やのに、インコの名前を書かなくて、ごめんなさい」
と言いました。
担任も、
「D君、よく気づいてくれたね。C君、ごめんな」
と言いました。
E君は日記に書いてきてくれました。


『6月6日 「ぼくがわるかったこと」
C君の教室でかっているインコの名前を全校で紙に書くのを、5−2はC君がいるのに、だれも書かなかった。
ぼくはC君にゴメンと思ったから、きょう食がおわって昼休み、C君に
「インコの名前書かなくてゴメン」
と言った。C君は
「いいって」
と言ってくれた。ぼくは(ごめん)と思いながら遊びました。 5年  E男』


 E君は、その日にあやまりに行ってくれていたのです。
帰りの会では、D君があやまってくれたのです。
そして、その日の日記に書いていたのはE君も含めて12人でした(30人のうち)。

この人数を多いと思いますか?少ないと思いますか?担任は少ないと思いました。


もう本物になれた交流学級」では・・・


 次は、6年生の「もう本物になれた交流学級」における、帰りの会でした。


『5月13日  「F君」
 私の左にF君がいた。
そして、次はおぼろ月夜の歌です。

「なのはーなばたけーに・・・」
と歌っていると、横のF君を見ると私の方を見て、私の口が動いているので、F君もうまいこと動かしているのです。
だから私はF君のために前よりもいっそう大きな口で歌った。
それがきいたのか、それに答えてくれたような気がした。
F君もそうやって、人のを見て覚えてきたのかなあと思いました。  6年  G子』


F君のために、いっそう大きな口を開けて歌ったG子の心、純粋に美しいと思った担任はG子の了解をとって、帰りの会で、この日記を読みました。
みんなは、
「F君、すごいやん」
と、F君に大拍手です。
F君はうれしそうでした。
みんなは、G子にも拍手をしました。
F君は、その頃から、みんなと歌えるようになりました。


 運動会の学年の取り組みも、できるかぎり特別支援学級の子どもたちのことまで考えた内容でありたいものです。


安心感あふれる2学期にするための


担任の「ひと言」(1)~(8)


子ども1人ひとりの安心感が深まる時間と空間にするため、担任が大事にしたいこと


ステップ(1) 
 子ども一人ひとりの、その時その時の気持ちをまず受けとめることから関わることを、基本としましょう。
「~がくやしかったんやね」「~がつらかったんやね」
と担任が代弁してくれ、自分の気持ちをわかってもらえたと感じた時、子どもは担任の語りかけにも耳を傾けるようになります。


ステップ(2) 
 子ども一人ひとりの自尊感情を高める関わり方を大切にしましょう。
「あなたがこの教室にいてくれてうれしいよ」「きみが今日来てくれたことがうれしいで」
をベースにして、日々、子どもが自分は大事な存在だと思ってもらっているんだと感じられるようなメッセージを伝えることを、くり返します。(思っているだけでは伝わらない)


ステップ(3) 
 スモールステップを与えて、ほめることを、授業中も給食中も掃除中も、いつも意識的に取り組みましょう。「~を手伝って」「~をしてごらん」「~をたすけて」
→やりきらせる(ちょっとやろうとしてくれても)→
「ありがとう」「すごいやん」「助かったわぁ」
の積み重ねによって、子どもの中に自信と意欲がじわじわと生まれてきます。


ステップ(4) 
 子どもたちの瞳が輝くような、活動の導入をひと工夫しましょう。
「今日はね、こんなことをやるよ」
1人ひとりの目を見ながら、表情豊かに柔らかな口調で、静かに語りかけます。
「~君、教科書とノート開けてね」→「素早いやん」
「~さん、こっち見てね」→「うれしいな」
「さあ、書いてごらん」→「よい姿勢で書くねぇ」
などと、できて当然のことであっても、そう思わずに、ほめ言葉をかけながらです。


ステップ(5) 
 自分を大切にするための最小限のルール(先生方で共通理解)は、その都度伝えましょう。
「ここまではOK」「これ以上はダメ」
という、どっしりと、ぶれない姿勢を示します。
それが授業中なら、その子には、
「あなたが大好きだから言うよ」、
クラスのみんなには(これは必ず)、
「~君一人に言っているんじゃない。きみたち全員に言っているんだよ」
と言い添えながら伝えることで、教室の仲間意識(クラスの一体感)を高めます。
自分には関係ない(他人事だ)と思う子をつくらないためにも。   


ステップ(6) 
 何故この子はこんな言動をするのだろう、何がこの子をそうさせるのだろうということを語り合い、今のこの子をどう観たらいいのかを、教師集団で共有しながら関わりましょう。
子どもの課題を、担任一人で抱え込まないことです(ヘルプも求めていいのです)。
もちろん、その子がステキな面を見せてくれたら、
「こんなことしてくれたんですよ」「こんなこと言ってくれました」
と喜びも分かち合う教師集団でありたいものです。


ステップ(7) 
 家庭との連携については、まず、保護者に
「うちの子のことを大事に思ってくれてはる」
と感じてもらえるような信頼関係をつくりましょう。
「~君はメッチャやんちゃですね。大好きですねん」
「~さんは~こんな優しい子なんですよ」
「~君は、こんなええとこあるんですよ。今日ね~」
などという『ひと言』を伝えることなしに、課題や要望だけを伝えても、保護者との心の距離は縮まりません。
もちろん、その『ひと言』が本音じゃなければ、保護者の心には響きません。


ステップ(8)
 その子が本来持っている力を出したくなる、人的環境づくりをしましょう。                                 

・朝の出会いを大切に。笑顔ですてきな「おはよう」を。
・子どもと掃除・給食・遊びを共にしながら、気軽な世間話を。                                   
・担任の失敗談・ズッコケ経験話を明るく語ってあげよう。
・子どもと共に野菜や花を育てる活動を、毎日少しずつでいいから楽しもう。                             
・気になる子にこそ、何かを頼んで、「ありがとう」をその都度言おう。                                               
・帰りの会、日記の返事、連絡帳、電話、退勤時のちょこっと訪宅などで、その日に、自分では気づいてない、その子のキラリと光る姿を、具体的に伝える労力を惜しまない。(気になる子ほど)


 担任にとっては、忙しい学期始めです。でも、担任のちょっとした「ひと言」が、子ども1人ひとりにとって、2学期へのモチベーションを左右する、でっかい「ひと言」になるはずです。(チャンス!)


関連記事
子どもと向き合う9月の教室「運動会・体育大会の後、クラスに落ち着きを取り戻すには」意識したい10項目
http://sg2takaboo.exblog.jp/24898407/




by takaboo-54p125 | 2012-09-09 05:03 | 保育・教育

子どもがイメージしやすい言葉とは、どんな言葉?


私たち大人は、よく次のような言い方を、子どもにしてしまいます。
「しっかりしなさい」
「ちゃんとしなさい」
などです。これを言っている大人には、それなりにイメージできています。


ところが、どちらの言い方も、子どもには、なかなかイメージしにくい言葉だと言えます。年令が小さいほど、どうしていいか、わからない言葉なのです。幼い子どもの心にストンと落ちない、あいまいな言葉であるとも言えます。


ですから、みなさん、『あいまい言葉』の、
「しっかりしなさい」
「ちゃんとしなさい」
と言うのをやめてみませんか。


「いい子にしなさい」「ダメな子ね」「さっき、言ったでしょ」「何度言えば、わかるの」「いつまで、ふくれてんのよ」なども同様です。


「おやつだから、手を洗ってね・・・おっ、きれいに洗えたね」
「晩ご飯だから、すわろうね・・・うん、早くすわれたね。エライ」
「シーッ!おしゃべりやめて、すわろ・・・できた。うれしいな」
「弟のお話を、聞いてあげよ・・・こんなに聞いてもらえると、うれしいね」
「妹の言いたいこと、聞いてあげよ・・・妹の気持ち、わかってきたねぇ」
「お母さんのお話を聞いてね・・・聞いてくれてありがとう」
と、その場面に応じて、わが子にしてほしいことを、できる限り具体的な言い方で、わが子がイメージしやすいように伝えてあげましょう。


もちろん、具体的なメッセージを伝えて、わが子がちょっとでも受けとめてくれたら、具体的にほめることも、お忘れなく!伝えて、やってくれたら、ほめる、これでわが子の意欲を高めるワンセットだと思いましょう。


ほめる、で思い出したのですが、わが子によく、
「ダメ」「やめて」「はやく(おそい)」
と言ってしまう、否定的な指示語も、緊急を要する時以外は、
こういう時は、△△すると、うまくいくよ
そういう時は、先に△△してみようね
というふうに、ダメの中身(逆に言えば、してほしい中身)を、具体的に伝えると、わが子にスッと入ることがあります。なんでもかんでもダメばかり言うよりは、親がとっさに気転をきかせて、コツを語りかけることによって、わが子も前向きに受けとめられる場合も多々あると思って、接するといいのではないのでしょうか。


もちろん、人の心や体を傷つけた時は、本気でしかりますが、その言動が誰をどれほど傷つけるか、ということを具体的に伝えます。ただし、次の言葉をつけ加えながら、です。本人には、
「ママはあなたが大事だから言うよ。自分を大切にしてほしいから言うよ。」


周囲に、きょうだいがいるなら、


「◎◎だけに言っているんじゃないよ。あなたたちみんなに言っているんだよ」                                                       
「◎◎1人の問題じゃないよ。きょうだい全員が考えなあかん問題だよ」                         

と。ながめていたきょうだいにも、自分には関係ない(傍観者ならいいや)という空気をつくらないためです。

関連ページ

子どもと信頼関係をつくる、子どもとの「信頼関係」を取り戻す

http://sg2takaboo.exblog.jp/24898595/





by takaboo-54p125 | 2012-09-02 05:11 | 育児・子育て

次の詩は、ACジャパンのCMにも使われました。

こだまでしょうか     金子みすゞ


以下、昭和61年度版(教員20代の頃)の小学校国語教科書に載っていた好きな詩のタイトルを並べました。
次の詩は、小学校1年生の教科書(光村図書)にのっていた詩です。

あかるい おひさま     くどうなおこ


次の詩は、小学校1年生の教科書(東京書籍)にのっていた詩です。

ほした ふとん       てづかしょうぞう 


次の詩は、小学校1年生の教科書(学校図書)にのっていた詩です。

おちば           よだ じゅんいち


次の詩は、小学校1年生の教科書(日本書籍)にのっていた詩です。

いるか           たにかわしゅんたろう


次の詩は、小学校2年生の教科書(光村図書)にのっていた詩です。

ガラスのかお        みつい ふたばこ


次の詩は、小学校2年生の教科書(東京書籍)にのっていた詩です。

たべもの          なかえ としお


次の詩は、小学校2年生の教科書(学校図書)にのっていた詩です。

ピーマン          くどうなおこ


次の詩は、小学校2年生の教科書(日本書籍)にのっていた詩です。

わらべうた・はないちもんめ


わらべうた・ずいずいずっころばし


次の詩は、小学校2年生の教科書(教育出版)にのっていた詩です。

海がみんな  イギリスの わらべうた    きじま はじめ ・ やく


次の詩は、小学校3年生の教科書(光村図書)にのっていた詩です。

夕日がせなかをおしてくる  さかた ひろお


次の詩は、小学校3年生の教科書(教育出版)にのっていた詩です。

ことば遊び歌        谷川しゅんたろう

 ののはな

 ことこ


次の詩は、小学校3年生の教科書(東京書籍)にのっていた詩です。

すいれんのはっぱ      うら かずお


次の詩は、小学校3年生の教科書(学校図書)にのっていた詩です。

こわれたすいどう      谷川しゅんたろう


次の詩は、小学校3年生の教科書(日本書籍)にのっていた詩です。

つけものの おもし     まど みちお


次の詩は、小学校3年生の教科書(教育出版)にのっていた詩です。

もじさがしのうた      きしだえりこ


次の詩は、小学校4年生の教科書(4年上・平成4年・大阪書籍)にのっていた詩です。

うち 知ってんねん     島田陽子


次の詩は、小学校4年生の教科書(光村図書)にのっていた詩です。

かぼちゃのつるが      原田 直友


次の詩は、小学校4年生の教科書(教育出版)にのっていた詩です。

石ころ           まど みちお


次の詩は、小学校4年生の教科書(東京書籍)にのっていた詩です。

かきの実         よだじゅんいち


次の詩は、小学校4年生の教科書(学校図書)にのっていた詩です。

にぎりこぶし       村野 四郎


次の詩は、小学校4年生の教科書(光村図書・学校図書・日本書籍)にのっていた詩です。今ものっていると思います。

春の歌          草野 心平
    

次の詩は、小学校5年生の教科書(光村図書)にのっていた詩です。

われは草なり        高見 順


次の詩は、小学校5年生の教科書(教育出版)にのっていた詩です。

雨            山田 今次


次の詩は、小学校5年生の教科書(東京書籍)にのっていた詩です。

雑草のうた        鶴岡 千代子


次の詩は、小学校5年生の教科書(学校図書)にのっていた詩です。

山頂から         小野十三郎


次の詩は、小学校5年生の教科書(日本書籍)にのっていた詩です。

雲            山村 暮鳥


次の詩は、小学校6年生の教科書(光村図書)にのっていた詩です。

支度            黒田 三郎


次の詩は、小学校6年生の教科書(教育出版)にのっていた詩です。

虫けら          大関 松三郎


次の詩は、6年生の教科書(東京書籍)にのっていた詩です。

けれども大地は      新川和江


次の詩は、小学校6年生の教科書(光村図書)にのっていた詩です(今ものっているかな)。

生きる           谷川 俊太郎


次の俳句は、小6の教科書(光村図書・教育出版・東京書籍・学校図書・日本書籍)にのっていました。


菜の花や月は東に日は西に        与謝 蕪村


五月雨をあつめて早し最上川       松尾 芭蕉


赤とんぼ筑波に雲もなかりけり      正岡 子規


赤い椿白い椿と落ちにけり        河東碧梧桐


雪とけて村いっぱいの子どもかな     小林 一茶


以上、昭和61年度版の小学校国語教科書に載っていた詩・俳句です。

次の詩は、ただ音読するだけで、1人ひとりがそれぞれに味わえます。

教室はまちがうところだ  まきた・しんじ


教室はまちがうところだ
(この1行で始まる約70行という長い詩です)
(授業で黙っている子の思いを代弁をしてくれる詩だと言えます)
(黙っている子に共感しつつ、発言することを応援する詩でもあります)
(子どもたちの勇気と優しさを後押ししてくれる詩だと言えるでしょう)
(次の1行が、約70行の詩のしめくくりです)

そんな教室 つくろうやあ


同タイトルの絵本(蒔田晋治:作・子どもの未来社)は、詩と挿絵がハーモニーを奏でています。1985年まで静岡県の小中学校教員をされていたそうです。長いので、まず担任が音読する時に、子どもたちには各自の好きなところ(いくつでもOK)に印(マーカー)をつけてもらいました。それから、みんなでいっしょに音読しました。この絵本を購入して改めて思います・・・本書を直接読まれることをオススメします。


以下の詩は、小学校の教科書には載っていなかった詩です。

雑草           北川 冬彦

美しくあるく       八木 重吉

こども          山村暮鳥


絵本「いちねんせい」谷川俊太郎・詩、和田誠・絵(小学館)より

くんぽんわん       谷川俊太郎

って           谷川俊太郎

たいこ          谷川俊太郎

カロンセのうた      谷川俊太郎

この絵本「いちねんせい」には、全部で22編の谷川俊太郎さんの詩が載っています。どの詩にも、和田誠さんのとても楽しい挿絵も書いてあります。つい買ってしまいました。お子さんといっしょに本書を直接読まれることをオススメします。

次の詩は、私が小学校高学年の頃(S45~46年)に小学校で習った詩です。たしか教科書にのっていた記憶があります。今でも暗唱できます。味わい深い冬の詩です。家族の絆を味わえる詩でもあります。しみじみ読み味わってみてください。


 冬の夜道           津村信夫


冬の夜道を 一人の男が帰ってゆく

はげしい仕事をする人だ

その疲れきった足どりが そっくり それを表している

月夜であった

小砂利をふんで やがて 一軒の家の前に 立ちどまった

それから ゆっくり格子戸を開けた

「お帰りなさい」

土間に灯がもれて 女の人の声がした

すると それに続いて

どこか 部屋のすみから

一つの小さな声が言った

また一つ

また一つ別の小さな声がさけんだ

「お帰りなさい」


冬の夜道は 月が出て ずいぶんと明るかった

それにもまして

ゆきずりの私の心には

明るい一本のろうそくが 燃えていた        


かつて、小学校の高学年を担任すると、必ず「冬の夜道」を子どもたちと読み味わいました。この詩の授業を、7回はしたでしょうか。それは、子どもたちに、将来、大人になった時の自分の「家族」を豊かにイメージするきっかけにしてほしかったからです。


まず、音読をしたら、意味のわからない言葉をどうにかします。「足どり」「小砂利」「「格子戸」「土間」「灯」「ゆきずり」などを、子どもたちは言うでしょう。どうにか意味がわかったところで、音読を入れます。


最初に問いたいのは、1人の男の行動の裏側にあるものです。


「この男の人は、疲れていたから、ゆっくり開けたのかなあ?」

と聞いてみたいです。子どもたちが「はげしい仕事」「疲れきった足どり」「そっくり」「やがて」「立ちどまった」「それから ゆっくり」などから、男の人の姿・状況を思い浮かべつつ、男の人の家族への温かさにまで思いをはせてくれたらいいなあ・・と思います。ある年には、「家族に、疲れきった顔を見せると心配させるので、一度立ちどまってから、深呼吸して、ゆっくり開けた」と語る子もいました。


次に問いたいのが、男の人を迎える家族の姿です。


「この家は何人家族なのかなあ?」

と聞いてみたいです。「女の人」「1つの小さな声」「言った」「また1つ また1つ」「別の小さな声」「さけんだ」などから、迎えたのは、3人か4人か意見が分かれるでしょう。その中で、迎えた時の家の中の様子や、男の人にかけた言葉も出てくればいいなあ・・と思います。別の年には、「小さな声が言ったのは低学年ぐらいの子で、小さな声がさけんだのは、3才ぐらいの双子で、3人の子どもがお父さんの帰りがうれしくて飛びついた」と語る子もいました。


最後に問いたいのは、ゆきずりの作者の姿です。


「ゆきずりの私には、家で誰が待っているのかなあ?」

と聞いてみたいです。「それにもまして」「ゆきずり」「私の心」「明るい」「1本のろうそく」「燃えていた」などから、思い思いに、作者も男と同じような家族がいる、作者は家族のいない1人暮らし、などを語ってくれたらいいなあ・・と思います。また別の年には、「『月の明るさ』と『ろうそくの明るさ』の違い(冷たい・温かい)から、1人ぼっちの作者だから心に灯った『ぬくもり』を、北風で消したくないほど大切にしたかった」と語る子もいました。


そして、もう1度音読しながら、この温かい家族と、心を温められた作者の情景をイメージしてくれたらいいなあ・・と思います。自分も大人になったら、こんな家族をつくりたいなという、子どもたちが描けるモデルの1つに、この詩がなってくれたらなあ・・と心から願いつつ・・。


実際には、こちらの思うようには、なかなか、子どもたちは描いてくれないものですが・・。どこと、どこで、グループ学習を取り入れたらいかは、迷うところです。今の時代の、ほとんどの子どもたちは「土間」も「格子戸」も知りませんから、1校時45分でやり終える自信も、ちょっとありません。でも、ステキな詩であることは確かです。


とにかく情景を思い浮かべてほしいので「男の人はどうして立ちどまったの?」「男の人はなぜ、ゆっくり開けたの?」「この家族を見た作者の気持ちは?」「明るい1本のろうそくって、作者が言いたかったことは何?」というような問いかけは、したくありませんでした。詩という文学作品を読み味わうとは、そういうことではないと思うからです。あくまでも情景をより豊かに思い描き、イメージすることを主にした授業を展開したいものです。そうする中で子どもたちが自ら、自然体で心情にもふれてくれるのではないでしょうか。


次の歌は、岐阜県中津川市の笠木透さんの作詞で、高石友也&ザ・ナターシャー・セブンがかつてレコード(LP)の中に収録した歌です。詩を読む感じで、音読するだけでも楽しいですよ。
おすすめの笠木透さんの歌「あいうえおとも・おともだち」は、「親子で音読したい詩」で紹介しています。

なーむ なーめん なーらん     かさぎ とおる


新美南吉と言えば、小学校の教科書の「ごんぎつね」「手ぶくろを買いに」や「花のき村と盗人たち」「あめだま」などの、すぐれた童話を書いた児童文学作家であり、詩人でもありました。「ごんぎつね」が19才の時の作品というのも驚きですが、音読してみたい詩もいくつかあります。新美南吉は元教師でもありました。

みち                にいみ なんきち


新美南吉は、めったにとれないクジラで、小さな島の暮らしがすべて支えていたことを、12行で(6文で)表現しました。

島                 新美 南吉


熊に聞こえた「アイヌのような声」というところに、新美南吉のしなやかで豊かな感受性を感じます。

熊                 新美 南吉


私は単純に、雲を眺める「ちびまる子ちゃん」のまる子と友蔵じいさんの2人を浮かべてしまいました。

雲                 山村 暮鳥


私は単純にも、「もののけ姫」で、エボシがシシ神をねらい、それをアシタカがじゃまをする場面の、シシ神そのものを浮かべてしまいました。

鹿                 村野 四郎


次の歌も、岐阜県中津川市の笠木透さん(「フィールド・フォーク」グループのリーダーをしておられたとか)が作詞された歌です。やっぱり高石友也&ザ・ナターシャー・セブンのレコード(LP)で聞きました。上品とは言えませんが、朝の歌としてクラス全員で歌うと、メッチャ楽しい空気で1日をスタートできたのは確かです。メロディーは歌いやすい「ジングルベル」です。

へのちから             笠木 透


「おならは誰かてする。プロの選手も、アイドルも、みんなするんや。恥ずかしいないんやで」
という担任の力のこもった演説でしめくくりました。そこで、わざとおならをする子もいました(大物です。みんなで拍手です)。テニスの松岡修造さんみたいな熱血派の先生は、演説でいいでしょう。理論派の先生は、「おならは『お鳴らし』を省略した言葉です。欧米ではおならよりゲップの方が失礼なのです」と「うんちく」(学問・知識のたくわえ)を披露しましょう。でも、さわやか派の先生は、次の詩で、さわやかにしめくくってもいいと思います。「親子で音読したい詩」にのせてある詩です。

おならうた             たにかわしゅんたろう


おならはどこの国でも通じる「世界共通語」なのであります。ここまでこだわる理由、それは授業中、おならをしてしまった子を助けるためなのです。

まどみちおさんも詩の中で、そのことを言っておられます。

おならは えらい          まど みちお


次の詩は、リズム感があって、音読するのが楽しくなります。「あいうえお・・」系の詩の特長ですね。

あいうえおはようもりのあさ     もり けん


次の詩を読むと、ボールペンが書けない時に、持つ角度を変えたり、ゆっくり書いたりして、工夫するところも、赤ちゃんの育児と似ているなあと感じます。

ボールペンのボール         さくら ももこ


次の詩は、NHK教育テレビに出てくるニャッキを思い出してしまいました。

みみずのたいそう          かんざわ としこ


次の詩は、木と人間が比べられているみたいです。

                 かわさき ひろし


次の詩は、発声練習にも、母音を意識させたい時にも、使えます。

あいうえお             あらい たけこ


次の詩は、1人ひとりの花を咲かせてあげたくなります。

はながさいた            まど みちお


次の詩は、子どもたちの朝の気持ちでもあるのです。

ひみつ               たにかわ しゅんたろう


次の詩は、となりのトトロの「さんぽ」の値打ちに気づかせてくれます。

あるけあるけ            つるみ まさお


次の詩は、あなたは1人じゃないよ、と雨が言っているみたいです。

あめのうた             つるみ まさお


次の詩は、とても楽しく発声練習ができます。

ことばのけいこ           よだ じゅんいち


次の詩は、みんなで音読して、春が来たよろこびをかみしめたい詩です。

おがわのはる            あおと かいち


次の詩は、運動会シーズンの始まりに、ぜひ音読したい詩です。

びりのきもち            さかた ひろお


次の詩は、トイレの話をする時に、みんなで音読したい詩です。

うんこ               たにかわ しゅんたろう


次の詩は、敬老の日の前に、みんなで音読したい詩です。

ねたきりのおばあちゃん       はたなか けいいち


次の詩は、音読しながら、体も動かしたくなります。

ぽいぽい・たいそう         こいぬけんきち(くどうなおこ)


次の詩は、ほんまに率直な力強い詩です。

練習問題              さかた ひろお


次の詩は、花の気持ちを代弁しているのでしょうか。

のはらでさきたい          くぼた しょうぞう


次の詩を読むと、自分には関係ないとは思えなくなります。

地球のいのち            かどくら さとし


次の詩には、法則が3つも、かくされています。

年めぐり              さかた ひろお


次の詩は、ついつい、うなずいてしまいます。

大すき               こいずみ しゅうじ


次の詩には、日本語の音のおもしろさがつまっています。

それから              まど みちお


次の詩は、日本語の美しさに気づかせてくれます。

ことば               かわさき ひろし


次の詩は、やわらか頭で音読しましょう。

であるとあるで           谷川 俊太郎


次の詩は、やさしかった祖父を思い出させてくれます。

あいづち              きたはら むねかず


次の詩は、イマジネーションがメッチャ柔軟です。

わかれのことば           さかた ひろお

次の詩は、さすが天下の台所!?と思いました。

あいうえおおさか くいだおれ    しまだ ようこ


以上、「教室で読みたい詩12ヶ月」水内喜久雄・編著(民衆社)より      

この本には、たくさんの詩がのっています。3巻あります。
まさに珠玉の詩集です。ぜひとも直接読まれることをオススメします。


あいうえおうた           谷川俊太郎

いついまいかいや!         谷川俊太郎

以上、谷川俊太郎少年詩集『どきん』」詩の散歩道シリーズ(理論社)より

卓越した詩集です。本書を読まれることをオススメします。


2012年8月25日(土)朝日新聞「天声人語」に、まど・みちおさん作詞の童謡が紹介されていました。この詩を2007年に英訳されたアーサー・ビナードさんというアメリカ人の詩人がおられます。どちらが白か黒かじゃなくて、やぎさんたちが、自己主張だけでなく、傾聴できるようになり、お互いに尊重し合える間柄になってほしいと、心から願いつつ、日本語・英語の両方を紹介させてください。長年、相互が心温まる交流を地道に積み重ねてこられたのですから・・。

やぎさん ゆうびん         まど みちお


この詩「やぎさん ゆうびん」は英訳されていました。

Goat Mail             Mado Michio

「日本の名詩、英語でおどる」アーサー・ビナード編(みすず書房)より
他にも、山村暮鳥の「雲」、高村光太郎の「道程」など、40編の詩が英訳されていましたので、本書を直接読まれることをオススメします。


まど・みちおさんの詩は、童謡になっている詩が多いですね。「いのちのうた まど・みちお詩集」ハルキ文庫には、「やぎさん ゆうびん」を含めて、童謡が5つも載っていました。本書を直接読まれることをオススメします。

ぞうさん              まど・みちお

ふしぎなポケット          まど・みちお

一ねんせいになったら        まど・みちお

ドロップスのうた          まど・みちお

この「いのちのうた まど・みちお詩集」の最後に、「私のまどさんファイル」という谷川俊太郎さんのエッセイが載っていました。その中で、谷川さんがまどさんへ贈る詩を書いておられました。

百歳のお祝いに書いた詩
 まどさんね・・・・・・      谷川俊太郎

「いのちのうた まど・みちお詩集」(ハルキ文庫)には、まど・みちおさんの詩が135編も収録されているので、直接読まれることをオススメします。


なお、2014年2月28日に、まどみちおさんが104才でご逝去された時、谷川俊太郎さんの次のコメントを新聞で読みました。

「こんなにやさしい言葉で、

こんなに少ない言葉で、

こんなに深いことを書く詩人は、

世界でまどさんただ一人だ」


こども               山村暮鳥

西瓜(すいか)の詩         山村暮鳥

(以前、朝自習の視写や、音読に使った山村暮鳥の2つの詩です。出典不明で、申し訳ありません。)


はやく                      藤富保男

かく                 川崎洋

こんこんこな雪ふる朝に       三好達治

以上3編の出典は
「子どもが必ず本好きになる16の方法:実践アニマシオン」有元秀文・著(合同出版)
です。谷川俊太郎さんの詩「ハヒフペポ」、まど・みちおさんの詩「さくら」など、17編の詩が載っていました。本書を直接読まれることをオススメします。


かん字のうた           川崎洋

アンケートⅡ

おかあさんをなんとよびますか?  阪田寛夫

きのうのあしたはなんだっけ?   田辺宏明

「では」と「でも」        織田道代
むだばなし            中江俊夫

「みえる詩あそぶ詩きこえる詩」はせみつこ編(富山房)より

本書には、子どもと読みたい61編のいろんな詩人の詩が集められています。とてもステキな詩集です。本書を直接読まれることをオススメします。


きまりことば           阪田寛夫

へんなまち            島田陽子

言葉ふざけ            川崎 洋

日本語のおけいこ         谷川俊太郎

がぎぐげごの うた        まど・みちお

かんがえごと           こねずみしゅん  工藤直子

そうだ村の村長さん        阪田寛夫

「しゃべる詩あそぶ詩きこえる詩」はせみつこ編(富山房)より

本書には、子どもと読みたい57編のいろんな詩人の詩が集められています。なんともステキな詩集です。本書を直接読まれることをオススメします。


根         まどみちお

「まど・みちお少年詩集 いいけしき 詩の散歩道」(理論社)より

この詩集には約70編の詩が載っているので、直接読まれることをオススメします。


金子みすゞの詩と言えば、「私と小鳥と鈴と」が最も多くの人に知られているのでしょうか。金子みすゞの詩集を読んでみました。「金子みすゞ童謡集」ハルキ文庫(ハルキ文庫には、まど・みちお詩集や谷川俊太郎詩集もあります。角川春樹事務所発行)です。100編の詩が収められていて、本書を直接読まれることをオススメします。私は、金子みすゞの詩から、自然を見つめる眼差しの優しさが、リズム感あふれる1行1行ににじみ出ていると感じました。5編だけ紹介させてください。わが子を1人残し、26才という若さでこの世を去った「童謡詩人の巨星」からの、心温まるメッセージを味わってみましょう。

「私と小鳥と鈴と」        金子みすゞ

「土」              金子みすゞ

「不思議」            金子みすゞ

「星とたんぽぽ」         金子みすゞ

「お日さん、雨さん」       金子みすゞ

以上、5編だけ紹介させてもらいました。「私と小鳥と鈴と」があまりにも有名ですが、それと同じぐらい私が心ひかれるのは「星とたんぽぽ」です。金子みすゞというたぐいまれな感性の輝きを放つ詩人の人柄にふれるには、本書の100編をひととおり直接読まれることをオススメします。

関連ページ
詩「教室で小中学生と音読したい詩」一覧
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by takaboo-54p125 | 2012-09-01 01:08 | 子どもと詩