徒党を組んで、のし歩くグループができた時は


 6年生男子の中に、学級を超えて徒党を組んで、のし歩くグループができてしまいました。


「これは、なんとかしなければ」と、学年部で話し合い、職員会議でもOKをもらって、『8513プロジェクト』というものを発足させたのです。つまり語呂合わせで「はんごうすいさん」→「8513」という暗号です。グループのメンバーと学年の教師だけの秘密で、そのプロジェクトは進んでいったのです。6月のことでした。
  
このグループを飯ごう炊さんのリーダーに育てるぞ


 まず、6年生全体で飯ごう炊さんをしたいがどう思うか、メンバーの子らに昼休みに聞きました。
中心メンバーの子らが

「暇やし、おもしろそうやで、やってもいいで」
と乗ってくれました。さらに、

「きみたちに各クラスのリーダーになってほしいんや」
と頼みました。すると、

「俺らでええのなら、やったるで。でも、やり方、知らんし・・・」
と答えてくれました。


 そこで、昼休みを使って、3週間ほどの取り組みを『8513プロジェクト』メンバーで準備しました。
しばらくの間は秘密作戦ということで合意しました。

作戦会議をして、火起こし等飯ごう炊さんのノウハウを、教師がメンバーに伝授します。
→飯ごう炊さんの練習(2回おにぎり)で、メンバーはほぼマスターして自信をつける。
→学年集会で『8513プロジェクト』の提案をメンバーがする(学年のみんなも賛成)。
→メンバーが各学級で6年生全員に「プロジェクトだより」を配布しながら説明(第1~6号)。


 1学期最大の学年の取り組みとして、市内の近場のキャンプ場まで6年生全員が自転車で移動し、保護者の有志の皆さんや、教務部の先生方の協力も得て、なんとか無事に「飯ごう炊さんカレーライスづくり」は成功しました。(ホッ)
取り組みが進むのと比例して、『8513プロジェクト』メンバーの表情が和らいでいきました。
この子たちはエネルギーを持て余していたのかも知れません。
飯ごう炊さんのコツを各クラスの各班で説明する時の、彼らの顔は自信に満ちあふれ誇らしそうでした。

おまけは、メンバーの1人が「松ぼっくり」を拾ってきて釜戸に放り込んだことです。
松ヤニの油で火起こしがスムーズにいきました。
即メンバーに伝達、バッチリでした。
その後、あのグループ化は、何だったんだろうというぐらい、落ち着いていきました。


 その数年後、6年生4学級のうち、1学級しんどい状況になった時は、この作戦を今度は1学級でチャレンジしてもらいました。気にしていた子らが輝く時間はつくれました。

安心感あふれる教室にするための担任の「ひと言」が、4月より減っていませんか?

(1)子ども一人ひとりの、その時その時の気持ちをまず受けとめることから関わることを、再度しましょう。
「○○がくやしかったんやね」「○○がつらかったんやね」
と担任が代弁してくれ、自分の気持ちをわかってもらえたと感じた時、子どもは担任の語りかけにも耳を傾けるようになる可能性の扉が見えるでしょう。

(2)子ども一人ひとりの自尊感情を高める関わり方を、もう一度大切にしましょう。
「あなたがこの教室にいてくれてうれしいよ」「きみが今日来てくれたことがうれしいで」
をベースにして、日々、子どもが自分は大事な存在だと思ってもらっているんだと感じられるようなメッセージを伝えることを、くり返します。

(3)スモールステップを与えて、ほめることを、授業中も掃除中も、気づいた時が再スタートですから、いつも意識的に取り組みましょう。
「○を手伝って」「○をしてごらん」「○をがんばって」→やりきらせる→「よくやったね」「ありがとう」「助かったわぁ」の積み重ねによって、子どもの中に自信と意欲がじわじわと生まれてきます。

(4)子どもたちの瞳が輝くような、活動の導入をひと工夫しましょう。
1人ひとりの目を見ながら、表情豊かに柔らかな口調で語りかけます。
「○○さん、教科書○ページを開けてね」→「早いね」
「○○さん、こっち見てね」→「うれしいな」
などと、できて当然のことと思わず、ほめ言葉をかけながらです。

(5)自分を大切にするための最小限のルールは、その都度伝えましょう。
「ここまではOK」「これ以上はダメ」
という、どっしりと、ぶれない姿勢を示します。
その子には、
「あなたが大好きだから言うよ」
みんなには
「○○君一人に言っているんじゃない。きみたち全員に言っているんだよ」
と言い添えながら伝えることで、教室の仲間意識を高めます(悪者をつくらず、連帯責任でもない)。
 

(6)何故この子はこんな言動をするのだろう、何がこの子をそうさせるのだろうということを語り合い、今のこの子をどう観るのかを教師集団で共有しながら関わりましょう。
子どもの課題を、担任一人で抱え込まないことです。
もちろん、その子がステキな面を見せてくれたら、
「こんなことしてくれたんですよ」「こんなこと言ってくれました」
と教師集団で喜びも分かち合います。

(7)家庭との連携については、保護者に
「うちの子のことを大事に思ってくれてはる」
と感じてもらえるような信頼関係をつくりましょう。
「○○さん、大好きですねん」
という『ひと言』を伝えることなしに、要望だけを伝えても保護者との距離は縮まりません。
その『ひと言』が本音じゃないと、心に響きません。

(8)その子が本来持っている力を出したくなる(自尊感情を高める)人的環境づくりをしましょう。

・朝の出会いを大切に。笑顔ですてきな「おはよう」を。

・子どもと掃除・給食・遊びを共にしながら、気軽な世間話を。

・担任の失敗談・ズッコケ経験話を明るく語ってあげよう。

・子どもと共に野菜や花を育てる活動を、毎日少しずつでいいから楽しもう。

・気になる子にこそ、何かを頼んで、「ありがとう」をその都度言おう。

関連記事
あったかいクラスの空気をつくる【担任のしなやかな役割4月~3月】
https://sg2takaboo.exblog.jp/24898387/


by takaboo-54p125 | 2012-05-26 05:02 | 保育・教育

はみ出しそうな子を保育・授業の中に巻き込みましょう


 はみ出しそうな子も、いろんなタイプがいます。
立ち歩く子、じっとしていられない子、文句の多い子、学習が苦手な子など、どのクラスでも少なくありません。変に目立つことでアピールする子もいます。どの子も自分を一番かまってほしいのでしょうね。


 例えば、小学校高学年の算数の時間、教科書の文章問題は内容が味気なくて、はみ出しそうな子には魅力的な文章が少ないようです。
ですから、その子らは全く集中してくれません。 
そんな時は、その場で文章問題を即興で創作してみます。
要するに、ラーメン屋さんに行って・・とか、マクドに行って・・とか、回転寿司に行って・・とか、誕生パーティーをして・・とか、USJに行って・・とか、その子らもイメージしやすい、さまざまな文章問題です。

そこに、いろんな食べ物・乗り物など、はみ出しそうな子も含めて、子どもたちが瞳を輝かせそうなものをからませた内容の文章問題を、即興で創作して板書するのです。
そして、文章問題の登場人物が5人必要なら、クラス中から希望を募って黒板に書き込みます。
はみ出しそうな子らは、ほぼ全員乗ってきます。本人たちもけっこう楽しそうで、

「次の問題〔誕生パーティーで・・〕の登場人物になりたい人、6人」 
と担任が言うと、はみ出しそうな子も挙手をしてくれて、バンバン指名して、黒板に名前を書いてあげると、大喜びして、算数に食いついてきてくれます。
邪道としかられるかも知れませんが、背に腹は替えられない状況もあるわけですから、大目に見てください。
もちろん、いつもって言うわけにはいきませんが・・・。


カリカリしている子は自分が責められてると感じやすい


 トラブル発生、先生の第一声のトーンは高くなります。
その声に、関係ない子も、びびります。教室内に緊張感が走ります。

「こら、どうしたんや」「何やってんのや」「なんでやったんや」
いきなり高飛車・高圧的に言われたら、大人でも素直になれません。
大きなトラブルを起こした当事者の子は、まだカリカリ・プンプンしている状態ですから、なおさらです。
よけいに火に油となり、プチッと切れてしまいます。                                           

「また、ぼく(わたし)だけが責められている」「どうせ・・・」
と思い込んで、先生にも心を閉ざして、ふてくされてしまうでしょう。
だから、メッセージは短く伝えます。

どうしたん?」「何かイヤなことがあったんか?」「誰にイヤなこと言われたの?」

その子なりの言いぶんを言葉で語ってくれ始めたら、興奮の沸騰状態は、とりあえずストップできるといったところでしょうか。
あとは、個別にじっくりと聞いてあげてください。
まだ周囲に子どもたちが集まっている段階では、その子の言いぶんがわかれば代弁して、周りで、はやしたてた子らや、見て見ぬふりをしていた子らに聞かせることも、先生の役割です。
そら、そんなこと言われたら、くやしいわなあ」と。

関連記事
子どもと向き合う6月の教室「徒党を組んで、のし歩くグループができたら」
http://sg2takaboo.exblog.jp/24898373/


by takaboo-54p125 | 2012-05-20 05:06 | 保育・教育

何人かの先生方(保幼小中養)から、Eメールをいただきました。それらの先生方が保育・授業の時に心がけておられることで、3人以上の先生に共通していることがありました。
まず、担任の先生らは、次のような言葉がけを、できるだけ減らそうと意識しておられました。
「こらっ!」
「静かに!」
「わかった人?」
「できた人?」「読めた人?」「書けた人?」
「他にない?」
「発表して」


そして、担任の先生らは、次のような言葉がけを、できるだけ増やそうと意識しておられました。
「どうしたの?」「困っていることはないか?」「先生にも聴かせてほしいな」
「みんなに聴いてほしいこと、ないか?」
「グループで話し合って、気づいたこと、聴かせて」                                                                              
「わかりにくかったら、周りの人と相談して」
「わからない所は、隣の人に聞いてごらん」
「◎◎君の意見は、みんなが考えつかなかったものやね」                                                              
「◎◎さんの言いたいのは、たぶん、こうかなと言える人、いるかな?」                               
「◎◎君の言いたいことの続きがうかんだ人、いるかな?」


さらには、「わからへん」と自然に言える子どもたち、また、それを自然に受け入れられる子どもたち、言わば、学び合える子どもたちに育ってほしいという願いも、共通して持っておられました。
「これ、なんて読むん?」
「これ、どういう意味?」
「ここ、どうするん?」
と。


そして、安心して学び合える教室をめざしていたら、子どもたちの反応に変容が見られたと、書いておられたのも、共通していました。最初から学力向上をねらっていない点(これが大事)も同様です。ざわつく教室をなんとかしたいと願う先生方、「石の上にも3年」とまでは言いません。ざわつく中でも3ヶ月、根比べです。根負けせずに、ねばり続けたら、きっと、なんとかなります。最初の1週間、1ヶ月は、たいへんですけど、あきらめずに、試してみましょう。ただし、個別支援については、特別支援コーディネーターと要相談です。

関連ページ

子どもと信頼関係をつくる、子どもとの「信頼関係」を取り戻す

http://sg2takaboo.exblog.jp/24898595/

教育相談「始めの4歩」で決まります

http://sg2takaboo.exblog.jp/24898108/



by takaboo-54p125 | 2012-05-05 05:15 | 保育・教育