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立ち直りへの支援が自立をうながす


学校・園でも家庭でも、知識にしろ技術(スキル)にしろ、子どもが獲得した量や正確さ、レベルの高さが最も評価されがちで、「ミスの少ない人間」を育てることに力が入る傾向にあります。過程(プロセス)が大切だと言うものの、結果・成果が全てというのが今の社会です。せめて校・園では、「失敗から立ち直ることの支援」に重点を置きたいですね。


「失敗は成功のもと」の体験を共有させること


小学校低学年の国語の音読です。挙手したA君、硬くなり読めません。周りの子は
「早く」とせかします。先生は
「手を挙げたの、えらいね。一人じゃ緊張するもんなぁ」とA君に微笑みながら
「なあ、みんな」と周囲にも同意を求めました。周りの子も
「わたしも緊張するわぁ」「ぼくもや」と相づちを打ちました。温かい雰囲気になりました。これでほっと安心できたA君は、次の先生の問いに挙手して指名され、今度は大きな声で答えました。まだ、新卒3年目の先生でした(びっくり)。


以上、立ち直りへの支援が自立をうながす実践の紹介でした。この先生は、A君が挙手した意欲を
「えらいね」と認め、読めなかったことは
「緊張するもんなぁ」と支えながら、
「なあ、みんな」と周囲にも共有させて、再度A君を指名して自立をうながしたのです。


みんなの前でうまくしゃべれない子のために


みんなの前で話すのが苦手な子は、「うまく言えなかったら・・・」「笑われたら・・・」と思っています。過去にけなされたり、否定された経験があるのでしょう。4~5月は、そのこわばりをほぐしてあげる時期です。間違わない子は一人もいない、間違うことは賢くなるために大切、間違うことは勉強のよい材料等々、担任から日々具体的に発信します。


ボソッと単語で発言したり、モゴモゴ言っちゃう子だって、気持ち(思い)はいっぱいあるはずです。だから、それをみんなに予想させて、その子の代弁をしてもらうのです。
「○○君が言いたいことの続きがうかんだ人、いるかなぁ?」                              
「○○さんが言いたいのは、たぶん、こういうことやと言える人、いるかなぁ?」                                  

というふうに、ボソボソ発言・モゴモゴ発言は、つまずきとして流すのではなく、みんなの発言をつないでいく貴重な出発点として評価してあげるとよいのではないでしょうか。こういう担任の姿が毎日毎時間見られるクラスでは、安心して発言しやすい空気が教室全体に生まれてきます。さらに、
「先に言われてしもうた」というつぶやきが減り、みんながお互いの発言を聞き合おうとするムードが教室中に広がってくるから、担任の『ひと言』って大きいですね。

関連ページ
子どもと向き合う6月の教室「はみ出しそうな子を授業に巻き込むには」
http://sg2takaboo.exblog.jp/24898372/


by takaboo-54p125 | 2012-04-29 05:04 | 保育・教育

2012年3月4日(日)朝日新聞3面に「落ちこぼれゼロ 夢の果て」という記事が載っていました。少しだけ紹介します。


『・・ブッシュ前政権が10年前につくった「落ちこぼれゼロ法」。教育から格差をなくすという理想を掲げて学校に競争と淘汰を導入したが、成果が上がらず見直しを求める声が強まっている。どこでつまづいたのか。


1月、ニューヨーク・ブルックリンの高校で開かれた教育委員会の傍聴席は、


「Disaster Decade(厄災の10年)」と大書きしたパネル・・約200人で埋め尽くされた。議題は、学力が上がらない公立学校8校の閉校。ブッシュ政権が貧困世帯の低学力対策として導入した「落ちこぼれゼロ法」による措置だ。同法は学力アップにノルマを課し、果たせない学校は退場させる。・・高校の体育の教師クリス・ゲイリーさんは、


市はテストの数字を基に教師を責めるばかり。貧困家庭の子どもの状況は何も改善されていない」と怒る。参考人として意見発表した5人の子どもの母キム・アービィさんは、


学校はテストのための勉強ばかり」と不満をぶつけた。                                                                       
毎日同じCDを流して単語書き取りと計算ドリル。英語と数学の授業が増え、音楽、美術、体育は削られた。
子どもは機械的な学習に飽き飽きしている」・・


市内の公立小中高校1750校のうち、テストの成績などが基準に達しない150校が閉校になった。統廃合対象になった高校の教師エリザベス・ボウイスさんは、


教師たちは追い立てられ、疲れ切っている」と嘆く。・・


「大阪は大変なことになってるわね」。ニューヨーク市立大学のダイアン・ラビッチ教授は開口一番、そう言った。ブッシュ政権の教育調査官。大統領から「すべての子どもに基礎学力をつける」という理念を聞いたときは感激したという。                                               
でも現実はそうはいかなかった」。4年後から反対に転じ・・。


教授は、米国での失敗の理由を2つあげる。


1つは、学力の低い子ほど、最寄りの学校で、家の事情も知る慣れた先生に教えてもらいたがる現実を無視したこと。落第と判定された学校でも、転校を希望する保護者は数%、全国の学校を歩くと
ボクの点が悪いせいで学校がなくなるの?」
と多くの子に聞かれた。
学校のランクづけは下位の子の自尊心を傷つけ、やる気を失わせた


もう1つは、ノルマを果たせない学校の改善支援がうまくいかなかったこと。教育技術を学んだ優秀な教師を送り込み、テストの点を上げる反復練習をくり返した結果、一時的に点は上がった学校もあった。だが長続きしなかった。大学入学時に科学や歴史の基礎知識が足りない子も増えた。
テストのための教育が広がり、かえって自分で考える力を失わせてしまった」・・


格差を是正するには、予算をかけて教員をふやし、きめ細かい多様な教育をする以外にない。
競争による学校や教員の淘汰は行き詰まる。それがアメリカの教訓です」・・
批判の高まりを受け、オバマ大統領は1月の一般教書演説で
テストのための教育をやめよう
教員を責めるのはやめよう
と宣言。教員確保や、学区ごとの福祉・教育支援に予算をつけ始めている。』


記事の抜粋は以上です。


私たちは、10年前のアメリカ合衆国:教育政策の失敗から、何を学ぶべきなのでしょうか。ブッシュ政権の教育調査官だったニューヨーク市立大学のダイアン・ラビッチ教授の言葉からも、オバマ大統領の言葉からも、そして、他の誰の言葉より、


ボクの点が悪いせいで学校がなくなるの?」


と教育調査官のダイアン・ラビッチ教授に言ったアメリカの多くの子どもたち(自尊心を傷つけられ、やる気を奪われた子どもたち)の、きわめて重い「ひと言」からも・・・。この悲痛な「ひと言」を子どもたちに言わせたのは、教育をサービス(競争と淘汰)と捉えた大人(教育政策の推進者)です。このアメリカ合衆国の教訓から、私たちが同じ轍を踏まないために共通理解しなければならないことがあります。それは、教育は単なる地域住民へのサービスの1つではなく、親と学校と地域・教育行政の3者によって「責任を共有し合う」のが学校教育であるということです。


その「責任を共有し合う」ことを土台にし、対話・安心・信頼・意欲・学びを柱にした日本発の「協同的な学び」を、アジア各国の教育関係者が学校教育へ積極的に採り入れました(現在進行形)。その結果、国際教育到達度評価学会(IEA)が小・中学生を対象として行う国際学力:数学・理科教育動向調査(TIMSS)においても、経済協力開発機構(OECD) による国際的な生徒の学習到達度調査( PISA)においても、日本を追い抜くアジア各国の躍進ぶりには目を見張るものがあります。


TIMSSは学校で習う内容をどの程度習得しているかを見るテストで、PISAは学校で習った知識や技能の活用能力を見るテストと言われています。いずれも、その国の教育で、子どもたちが将来社会に参加し、社会の一員として自ら考え、生活していく力を育成できているかを、あくまでもテストという側面から見る調査です。つまり、そのテストの点数アップだけを目指しても、対話コミュニケーション力などの総合的な生きる力はつかないということを、今回、アメリカ合衆国からアドバイスしてもらったと、受けとめる必要があるでしょう。


10年前に始まったアメリカの苦悩は、イギリスでも1990年代になる前に、サッチャー首相が教育予算削減で試みた苦渋の歴史と重なります。その結果も、同様に格差の拡大で終わりました。今、イギリスでも、この改革は失敗だったと、マイナスの評価がなされています。かつてのアメリカやイギリスのような「ボクの点が悪いせいで学校がなくなるの?」と子どもたちに言わせた過ちを、日本で再びくり返す地方自治体がないことを心から願います。

関連ページ
「協同的な学び合い(聴き合う学び)」⑫【協同的な学び】はすでに日本からアジア各国の学校へ広がっていた(現在進行形)+アメリカ合衆国からのアドバイス
http://sg2takaboo.exblog.jp/24898193/


by takaboo-54p125 | 2012-04-28 05:18 | 保育・教育

サルビアの種まきは、遅くても5月連休明けすぐに蒔くのがいいでしょう。連休前に蒔いてもいいのですが、連休中の管理が困ります。適温20℃前後でしょうか。                                          
ピート板を使うなら、水に2回つけます。ピート板の全体に、水分をまんべんなく行き渡らせるためです。そして、トレイの底にたまった水は、上手に捨てましょう。アバウトな性格な人は、種をパラパラとまんべんなく蒔きます。種が重ならないようには、気をつけますが、発芽後に間引くことになります。それが、もったいないし、根がからまると面倒なので、私は試したことがありません。几帳面で根気強い人は、鉛筆などの先に1粒ずつ種をくっつけて蒔くと、後で、根がからみませんが、なかなかたいへんな作業です。私は、このまき方をしてます。                                                 
そして、手のひら(または指先)で、種を蒔いた所全体を軽くペタペタと押さえてやります。土をかぶせる代わりだといったところでしょうか。ただ、手や指に種がくっつくので、気をつけましょう。


種まきを終えたピート板は、室内に置いて、新聞紙などをかぶせてもいいでしょう。保温と保湿のためです。ピート板の水が乾かないように、霧吹きをする必要もあります。やかんなら、ピート板の横から水を足してやるつもりで、種が流れないように、そーっと水を流します。発芽までは直射日光を避け、水分管理します。


サルビアは、気候にもよりますが、順調(20℃前後)なら10日ほどで発芽します。早ければ1週間で発芽することも珍しくはありません。低温が続くと発芽も遅れます。発芽して双葉が出たら、屋外の雨のかからない所で、日光にあててやります。丈夫な苗に育てたいからです。
ただし、かご等で、ガードしてやる必要があります。ネコやカラスがいたずらするからです。
また、屋外では、ナメクジも忍び寄って来ますので、断固として排除しましょう。


サルビアは、おおよそ2週間ほどで本葉が出ます。                                                                         
本葉が4枚ほどになったらポットへ移植します。気をぬかずに、水やりもします。


種まきから2ヶ月後、6月下旬~7月上旬頃に鉢植えをします。                                                             
鉢の底に土を1cmほど入れ、油カスをひとつかみ振りかけてから、その上に土を鉢の九分目まで入れるといいでしょう。そして、穴をほって、苗をポットの土ごと植えます。その後、サルビアの根が張った時に、根の先が鉢の底の油カスに届くことが、花を大きく咲かせる裏技になります。


さらに、本葉が8枚ほどになったら、一番上の芽(頂芽)を摘みます。脇芽を育てて、3本立てのサルビアの花を咲かせるためです。この摘心の具体的なやり方は、つぼみの1段下の葉の下で茎を切ります。頂芽を摘まないと、1本だけのヒョロヒョロとした貧弱な花になります。                                         
頂芽を摘んでやると、脇芽が3本ほど伸びて、全体がボリュームのある花になります
水やりは朝夕(毎日)欠かせません。夏休みは当番の先生にお願いしました。鉢を置く場所は午後に日陰になる所が、ベストです。油カスは2週間に1回ぐらいを基本にしました。


花びらが落ち始めた枝を折るのは、2回目の花を咲かせるためです。時期は気候にもよりますが、お盆前後になるでしょうか。                                                                             
1回目に咲く花より、2回目、3回目となるにつれて、花自体が小ぶりになっていきますが、花(枝)の数は増えます。                          
その後、9月になってから、再び花びらが落ち始めた枝を折ると、運動会の頃まで、小さいけれど見応えのある3回目の花を咲かせ続けることができます。こうして、秋の運動会まで真っ赤なサルビアの花を咲かせ続けることになります。


そうやって学年200鉢弱ほどのサルビア1人1鉢を、子どもたちや先生方に協力してもらいました。ブロックと板だけのひな壇ですから、台風が来たら、もちろん避難させます。人海戦術です。ちなみに、せっかくですので、4回目も咲かせました。


以上、夏場の上学年の「1人1鉢」の定番:9月の運動会に満開のサルビアを育てる手順について、でした。何を育てる時も同じですが、毎日、サルビアの様子を観てあげると、サルビアの状態が手に取るようにわかってくるから不思議です。

関連ページ
子どもと向き合う学級づくり②【5月の教室】+【子どもの心に寄り添える先生の出発点は】【準要保護と要保護のちがい】【サルビアの育て方】【電話対応】
http://sg2takaboo.exblog.jp/24898095/


by takaboo-54p125 | 2012-04-22 05:25 | 教材

朝日新聞2011年10月23日(日)の28面に「どうする?遊び:社会性育む『ごっこ」:3人以上で『おり合う』力」という記事がのっていたので、紹介させてください。


『ままごとやお店屋さん・・子どもたちが何げなく楽しんでいるごっこ遊びは、想像力や社会性を育てます。


年少組の3才の子どもたちが、クッキーとお団子の店を開いていた。10月半ば、東京都小平市の白梅幼稚園。先生が、
「クッキーください」と言うと、店員の女の子が、
「お金は持ってますか」。男の子は、
「花のあるテーブルで食べてください」と案内する。机の上に色とりどりのブロックを重ね、花に見立てていた。                                                                   
「レストランに行ったのかな。子どもは身近なものや体験をよく見ています。それを想像力を使って再現するのです」と副園長は話す。友だちとごっこ遊びをするには、相手の言葉や表情、行動を読み取り、自分の気持ちを合わせていく力が必要だ。役割を分かち合うことで、交渉力や社会性を育む。


4才児の年中組では、ままごとが途中でレストランごっこに。子ども役の子が、                                                      
「ビールください」と口をすべらせ、あわてて自分で、
「今度はボク、お父さんね」とみんなに伝えた。
「~ね、~なのね、は、年中組の子どもの特徴です」
と主任。場面や役割が変わったことを確認し、遊びをつなぐ。                                                                         
一方、年少組は役になりきるのが優先で、ままごとでお母さんが2人いても構わない。


東京大学院教授の秋田喜代美さん(保育学)は、
ごっこ遊びはキャリア教育の起点」と言う。子どもの目線で家族や職業を見て、なりたい職業や魅力的な人をまねしたいという欲求が生まれ、演じる。仮面ライダー、プリキュア、AKB。ヒーローやアイドルはいつでも憧れの的だ。ままごとではお母さん役の人気が下がり、ペットになりたがる子が増えているという。                                  
家電の進化などにより、料理や裁縫で母親の技を見る機会が減ったことや、ペットが家庭の中心的存在になったことが影響しているかもしれません」                                                                   
と秋田さんは言う。3人以上で遊ぶことも重要だ。
3者以上の人間がうまく折り合う力を育てる。2者は向き合うので調整は簡単だが、3者以上は難しい。まさに、社会生活を営む根幹を育んでいるのです


では、ごっこ遊びはどのように見守ればいいのか。たとえばままごとで、ある子が赤ちゃんのために食事をすりつぶす動作をしたしかし、弟や妹がいない子たちは、動作の意味がわからない。そんな時、大人が、
赤ちゃんが食べやすいように、ニンジンをつぶしているのね」                                                                
と説明を加えてあげると、他の子も興味を持つようになる。ごっこ遊びが苦手な親は、子どもを「釣りごっこ」に誘うなど、自分の好きなものから入るといい。家族の形や生活スタイルの多様化に伴い、子どもたちの共通体験は減っている。白梅幼稚園では、動物園や商店街訪問といった幼稚園行事をもとに遊びを設定するなど、子どもたちがともに遊べるよう工夫している。』


以上です。幼小連携というのは、この新聞記事を読んだ時に、パッと浮かんできたイメージだったので、勝手ながらタイトルの最初につけてみました。

関連ページ

幼児の心を育てる【信頼関係づくり】の保育

http://sg2takaboo.exblog.jp/24898594/



by takaboo-54p125 | 2012-04-21 05:44 | 保育・教育

【ウワーンできひん!】
:Aさん(3才児)のお母さんです。最近Aさんは数字に興味を持ち始めました。車に乗って走っている時に目に入る数字を見ては、わからない数字であれば聞いたりして、
あれは3,あれは5・・
と自然に1から10までの数字を読めるようになりました。いったん覚えると、今度は書いてみたくなったのでしょう。
数字を書きたいから、鉛筆と紙がほしい
と言ってきました。(中略)


Aさんは数字の本とにらめっこし、ブツブツひとりごとを言い、本の中の「2」を見ながら書こうとするのですが、どうもうまく書けません。自分の字と、本の字を見比べながら、
こうじゃない、ちょっとヘン・・
そうつぶやきながら何度も書き直していました。焦りがだんだん伴って、重ねるほどに、ヘンな「2」になっていきます。


Aさんのいらだちが伝わってきたお母さんは、つい見ていられなくなって、
お母さんが教えてあげる
と言うと、見本を書こうとしました。すると、Aさんは、
いいっ、Aが書く
と、鉛筆をふんだくりましたが、やっぱりヘンな「2」でした。Aさんは半分泣き顔です。
大泣きされたら大変、今のうちに手助けをと、焦ったお母さん、
ここの所を、こう書けば・・
とAさんの手をとって、いっしょに書こうとしました。
いやっ、Aが書く
Aさんは、その手をふりはらって、もう意地になっていました。でも、「2」が横向けになったり、鏡文字になったりしていました。お母さんは、そんなAさんの悪戦苦闘を見ながら、書こうとする意欲があっても、「2」という字を書くことは、3才児には無理なことだなと思いました。


お母さんは、高ぶるAさんのいらだちをおさめてあげようとしました。
すみれさんになったら先生が教えてくれるから、れんげさんは書けなくてもいいんだよ
お母さんが言うもんで、書けれんじゃん
Aさんは逆に怒った声で、お母さんに、そのイライラをぶつけてくるのでした。お母さんの言うことを素直に聞いてくれたら、それだけスムーズに書けるようになると思うのに、意地をはって拒否するAさん、これから先、ひらがなを覚えていく時も、こんな調子でくり返されるのか、・・そう思うと、お母さんは先が思いやられるとのことでした。


A:感情の爆発の裏側には


幼児は課題に興味を持つと、それをやりとげようと試行錯誤をくり返します。でも、なかなか思うようにはいきません。その難しさがかえって魅力となって努力を重ねます。


Aさんは、たまたま数字に興味を持ち、自分で書いてみたいという意欲がわき、挑戦したのだと思います。そんなAさんの心の背景には、なんでも知りたい、できるようになりたい、という探求心や成長意欲が支えになっていたことでしょう。


自分の意志で、自分の意欲で課題にひたすら挑戦をくり返している時、その様子を見ているお母さんの多くは、ハラハラ、ドキドキ、ことの成り行きが気になって、言わなくてもよい「ひと言」を言うことがよくあります。
ほら、そんなふうにするからできないのよ。ここをこうすれば・・
などと、ついつい「転ばぬ先のつえ」のアドバイスをします。


子どもは本来強い自立心を持っています。自分の力でやりとげたいという願望を持っています。ですから、全神経で課題に向け、集中力の限界ぎりぎりまで挑んでいるのです。でも、お母さんのその「ひと言」が引き金となって、
ウワーン、できひん!」
と大爆発を引き起こすことがよくあります。


子どもが熱中して取り組んでいる時、思うようにいかず焦りが見えても、見て見ぬふりをすることです。やがて限界まで来ると爆発し、怒ったり泣いたり、投げつけたりします。破壊行動が強ければ強いほど、課題への思い入れが強かったということです。ですから、(なんとまあ、ヒステリックで、かんの強い子だろう)と思ってはいけません。(こんなに爆発しなければならないほどに、課題に本気で熱中していたんだな)と、その執着心を受けとめてあげるべきです。


時間の経過と共に、子どもの感情も収まってくるでしょう。おさまれば冷静になります。
2という字を書こうと一所懸命やったんやけど、うまく書けなくて怒ったんやね。怒るの無理ないよね。2という字はお母さんだって上手に書けないくらい難しいのよ。でも、Aちゃん、ここの曲がる所はすごく上手、それにこうして横にすると、かっこいい2の字になるやん。もうひと息よ。今度はもう少し上手に書けるはずよ。やってごらん
というように、


◎冷静になるまで、ヘタな口出しはしないで、待ってあげること。


◎その子の怒りの気持ちに、共感するメッセージを伝えてあげること。


◎まちがいの字をよく見ると、その子のがんばった所が目につくはず。                                                   
◎わるい所を教えるのではなく、よい所を教えて、具体的にウンとほめてあげること。


そんな配慮をしてあげることで、子どもは気を取り直し、再び挑戦していくことでしょう。幼児期、感情の爆発をおそれ、「転ばぬ先のつえ」とばかりに、事前にそれを避けさせようとする気配りは必要ありません。
興味→探究→集中→失敗→爆発を、

たくさん経験していくことで、自制心が養われていくからです。そうして育った子は、不安定になりやすい中学高校時代、荒れたりすることは決してないでしょう。

関連ページ

「愛着形成」①親子ではぐくむ絆づくり

http://sg2takaboo.exblog.jp/24898093/



by takaboo-54p125 | 2012-04-20 05:15 | 育児・子育て

気持ちがギザギザ・トゲトゲしている子


すぐふてくされる子、すぐ反抗する子、すぐすねる子、いわゆる指導が入りにくい子がいるとします。この子はやりにくい子ではなく、実は、人一倍声をかけてほしいさびしい子、自分に自信が持てず不安いっぱいの子、人とうまくつき合うことの苦手な子だと思ってあげてください。わざと投げやりな態度をとったり、わざと先生をおこらすことを言います。本当は、かまってほしいんです。だから、あわてず・騒がず・どっしりと!です。


子どもに不快な不安感・緊張感を与えない先生は


まずは、何かをしながら気楽にしゃべりかけることです。いっしょに遊びながら、いっしょに給食を食べながら、いっしょに作業をしながらというのは、子どもが身構えず、安心して自分を出せます。最初は向かい合うより、横に並んでの方が安心する子もいます。これがベースです。子どもって、威圧感オーラの出てる先生には、警戒します。


その土台を築きながら、いざという時、先生がどうしても伝えたいことは、必ず目と目を合わせて(目の高さも同じ位置で)、その子の心の奥に届けようと意識しながら語ります。その子の心を信じ、その子の誇りを傷つけずに、その子の目と心にしみ込むように語りかけるのです。


先生は「子どもをわかってあげる」プロです


先生は子どもに「わからせてやる」プロだというのは勘違いですよ。子どもの、その時々の気持ちを謙虚に「わかってあげる」プロでありたいですね。しかし、ケースによって、先生もハタと困ったら、例えば保幼や小学校低学年のやんちゃ坊主なら、ひざの上に乗っけて、小学校中学年のわんぱく坊主なら、頭をなでてやりながら、
「困ったねぇ」
とつぶやきます。そのうちに、トラブった、その子の本音や、訳ありの事情が見えてきたら、
「つらかったんやね」
「がまんしてたんやね」

「くやしかったんやもんなぁ。そら、ムカつくわなぁ」                                                                 
と、トラブルメーカーと呼ばれる子がいたら、その子の気持ちを教師が代弁して言ってあげましょう。周りの子どもたちにも聞こえるように大きな声で言ってあげましょう。(ただし、その必要があると感じた時だけです)あいづちを打つ子も出てきますよ。


【その子の興奮を鎮めるためにも、周囲の子にハッとさせる(自分らの言動がどうだったか気づかせる)ためにも、教室に悪者を1人もつくらないためにも有効です】


気持ちはわかったので、いよいよ、その子がやってしまったよくない言動をしかります。
「先生は、ぼくの気持ちだけはわかってくれはった」「先生は、私の気持ちだけはわかってくれはった」                                 
と実感できた子は、多少厳しくしかられても、自分の尊厳(プライド)を否定されたとは感じないので、
「ぼく(わたし)のことを大事に思って、しかってくれてはる」「私のことを大事に思って、しかってくれてはる」                                                                                        
と、先生の言葉が胸にストンと落ちるでしょう。『毅然とした態度をとる』ということはこれらを全部ひっくるめて言うのだ(子どもをまるごと受けとめることだ)と、理解していない先生が、学校・園に、もし1人でもいたら、
「うーん、困ったねぇ」です。

関連記事
子どもと向き合う5月の教室「『失敗は成功の元』の体験を共有させる」
http://sg2takaboo.exblog.jp/24898367/


 


by takaboo-54p125 | 2012-04-19 05:03 | 保育・教育

画びょうの正しい使い方ができている教室と、できていない教室があります。それは、担任が、クラスの子どもたちに教えているか、教えていないかで決まります。


画びょうを正しく使っている教室の掲示物は、なかなか落ちません。しかし、画びょうを正しく使っていない教室の掲示物は、絵画や書写の作品も、班や係のポスターも、すぐに落ちやすく、画びょうを拾い、掲示物を貼り直すという、余計な手間が増えます。


画びょうの正しい使い方は、壁面(掲示物)に対して斜め45°の角度で、画びょうを刺すことがポイントです。そうすることで、掲示物を1個の画びょうが2点で支えることができますから、通常、ポスターなどを4個の画びょうが8点で支えてくれるのです。


それに対して、壁面(掲示物)に対して垂直90°の角度で、画びょうを刺すと、掲示物を1個の画びょうが1点で支えることになり、ポスターなどを4個の画びょうが4点で支えることになるわけです。つまり、支える箇所が半減してしまうのです。これでは、すぐに画びょうが抜けやすくなってしまいます。すると、教室の壁に子どもたちの作品をかざっても、いつの間にか雑然としてしまうし、床に画びょうが落ちやすいこと自体が、安全な学習環境とは言えません。


どうか、画びょうは、斜め45°の角度で壁面に刺すよう、子どもたちに教えてあげてほしいと思います。そのほうが、画びょうを抜く時も、指で楽にはずずことができます。                                                       
たかが画びょう、されど画びょう・・なのです。

関連ページ
子どもと向き合う学級づくり①【4月の教室】+【入学式前日準備】【出退勤で大事なこと】【連絡帳の秘訣】【3ヶ月続けたい言葉がけ】【画びょうの使い方】
http://sg2takaboo.exblog.jp/24898094/


by takaboo-54p125 | 2012-04-15 05:44 | 保育・教育

担任の声が心に届いた時、子どもは動き出す


あちこちの教室から元気いっぱいの「おはよう」が聞こえてきます。家からモヤモヤしたものを引きずって来ている子も、気持ちを切り替えて、校園での一日のスタートができる、そんな朝の出会い方を、各クラスでしてはるんやろなと思います。
とは言うものの、いっぱい重いものを背負わざるを得ない状況の子ほど、新しいクラスの中で、自分の居場所をなかなか見つけられず、落ち着かないのではないでしょうか。


担任のお手伝いを頼むことで、心と心の結び目に


そんな、気になる子には、担任がどしどしお手伝いをさせましょう。目的は二つです。


一つは、その子をほめるためです。その子が手伝ってくれた内容以上に、その子が手伝おうと思ってくれた心を「あなたの気持ちがとってもうれしい」とほめるためです。担任がほめる材料を与えて、やりきらせて、ほめる、この繰り返しを積み上げることで、
「どうせ、ぼくなんか・・・」「どうせ私なんか・・・」という投げやりな気持ちは徐々に小さくなり、ささやかな自信がちょっとずつ生まれてきます。いわゆる、その子が自尊感情を取り戻すための支援の営みです。


もう一つは、担任とその子との関係づくりです。その子の心の糸をたぐり寄せるのです。
「この先生は、ぼくを認めてくれてはるんや」「この先生は、私を認めてくれてはるんや」
と感じ始めてくれるまで続けましょう。あきらめなかったら少しずつ心を開いてくれます。


トラブルはその子とつながれる絶好のチャンスだ


それでもトラブルは起こるものだと思っておきましょう。トラブルが起こったら、その子とつながれる糸口だと思いましょう。その子の言い分をウーンと聞いてあげます。
「困ったねぇ」と言いながらも、安易に同調(他の子や他の先生への批判)はしません。あれこれ言い訳をするうちに、その子のさびしさ・かなしさ・くやしさをチラッと見せてくれます。それを逃さず、
「きみのくやしい気持ち、よーくわかったよ。ほんまにくやしかったんやね」                            
「そうか、つらかったんやなぁ。腹が立ったんやなぁ」                                                                    

と、その子の気持ちには共感し、代弁してあげたいものです。そういう担任のひと言があるか、ないかによって、その後の担任の指導(語りこみ)がその子の心の中まで届くかどうかが決まります。

関連記事
子どもと向き合う5月の教室「子どもの不安感・緊張感を解きほぐす先生」
http://sg2takaboo.exblog.jp/24898362/

 

                                                        


by takaboo-54p125 | 2012-04-14 05:02 | 保育・教育

【ケンカに勝って帰れば、何と言う?】
:小さい時から、
「ケンカして負けるな」と言ってきました。そのせいで、ケンカで泣かされても
「勝ってきた」
と、ウソをつくようになり反省しています。ケンカで負けた、と素直に言えるには? (年長・男児の母より)


:「わが子の姿を見て、親としてどうあるべきか」を考えるのは、子育てで大切なことです。
わが子の今の姿を見て、「反省しています」と感じているお母さんは、よい子育ての姿勢を持っておられます。さて、問題はどこにあるのでしょう。(中略)いったい何をどう反省したのか、
そこに、この問題を解くカギがあります。『勝って帰れば、何と言う?』


けんかは、いやで落ち着かない悲しくつらい気持ちになります。子どもの足は、一番落ち着くお母さんの所をめざすのです。そんなお母さんにしか言えないこと、お母さんにしかぶつけられない気持ちをかかえて、最初のうちは素直に
負けた
と言ったはずです。その時、お母さんの返事は、残念ながら、
けんかするなら、負けるんじゃないの!」
わが子のせつない胸の内を聞いてあげようとしていれば、けんかして負けても、お母さんに
勝った
とウソをつかなくてすむのです。しかし、
勝った
と言わないと、しかられるのです。ですから、
勝った
と言うのです。そう言わざるをえない子どもの気持ちを、考えたことがあったでしょうか?(中略)
けんかして勝て
と言うことで、結果として、お母さんが自分で、子どもの気持ちをくみとるパイプをふさいでしまったことに、気づいたのです。だから、勝った負けたをわが子が素直に言うことより、自分自身が考えなければいけないことがあります。


親として、けんかから何を子どもに学んでほしいのか、本当に子どもの気持ちを大切にするため、親の態度をどう改めるべきか、について考えなければなりません。けんかに負けて帰って来たわが子に、
やられたら、やり返して、勝ってこい
となじるのなら、勝って帰って来たわが子には、
よし、強かった。勝って、えらいぞ
と、ほめることになります。そうして育つ子の将来がどうなるのか、心配です。


けんかは、負けるが勝ち、勝つ子より、負けた子の方が、ずっと自制心が育ちます。そして、人の痛みを知ることを学んでいきます。けんかして、負けて、しょんぼりしていたら、なじったりしないで、なぐさめてあげ、気持ちが落ち着いたら、そのいきさつを聞いてあげるのです。そして、子ども自身が自分の意志や欲求を主張することを認めながらも、譲歩する(ゆずる)ことの大切さも感じさせてあげていってほしいと思います。

関連ページ
「パパママ育児④」Q&A:すねたり泣いたり怒ったり(感情を爆発)する子に【共感カメラ目線】で相手をするコツ
http://sg2takaboo.exblog.jp/24898103/


by takaboo-54p125 | 2012-04-08 05:25 | 育児・子育て

朝日新聞2012年2月12日(日)の10面に「どうする?子ども同士のもめ事:大人の力借りず話し合い」という記事がのっていたので、紹介させてください。


『ついつい口をはさみたくなる子ども同士のけんかやもめ事。こうしたトラブルを、子どもたちで解決策をつかむチャンスと捉える取り組みがあります。上手なコミュニケーションの取り方のヒントになりそうです。


掃除をさぼった、悪口を言った、ボールを貸してくれない—。教室は、けんかやもめ事の「宝庫」だ。‥小学5年生のクラスがロールプレーをした。                                                                      
「掃除ちゃんとしてや」
「したってば。雑巾見てみいや」
「まだゴミ落ちてるし」
「オレちゃうし」。ここで
「大丈夫?ちょっと話に入っていい?」と仲裁役の子どもが登場。
「ゴミが落ちてたから注意したんやな」
「それについてどう思う?」と両者の言葉を受けとめ、くり返す。もめ事の内容をつかみ、両者の感情を受けとめ、どうしたいのか願いを聞く。解決案は示さず、安心して話せる環境をつくる。                                                            
その声かけに導かれ、けんかしていた2人が出した結論は、「残りのゴミをみんなで拾う」だった。子どもたちが大人の力を借りずに、話し合いで解決する手法「ピア・メディエーション」‥総合学習の時間を使って「ピア・メディエーション」に取り組んだ。        


1学期はもめ事が頻発していたが、
「今はケンカを止められる人がいて、先生を呼ばなくて済む」(小5女子)                                 
「何か起きても、子どもたちは争いを客観的に見ることができているようだ」(担任)                                                  
「中学行ったり、大人になったりした時に使える」(小5女子)‥


ピアは仲間、メディエーションは調停や仲裁という意味だ。仲間同士で支え合う手法「ピア・サポート」の1つで、欧米の学校では早くから採り入れられている。                                                               
大人がしかって仲裁するのは簡単だが、本質的な解決にはならない。「ピア・メディエーション」の手法を身につけていれば、「仲間に話を聞いてもらえた」と尊重された気持ちが残り、子ども自身が考えて、解決しようとするという。                                                                           
この手法は2002年、日本ピア・サポート学会の前身組織が、カナダでの実践を日本に紹介した。‥指導主事は、若手やクラス運営に自信が持てない教員らに採り入れてほしいと、学会副会長の‥奈良教育大教授‥と共著で、教員同士によるロールプレーを収めたDVD付きのテキスト「ピア・サポートによるトラブル・けんか解決法!」(ほんの森出版)を出版した。


「ピア・メディエーション」の手法(一部)
すてきな頼み方
相手の名前を呼ぶ→相手の都合を聞く→頼み事の内容を言う→頼む理由を言う→相手にお礼を言う
すてきな聞き方
相手に体を向け、見る→興味を持つ→時々うなずく
納得のいく断り方
相手に謝る→断る理由を言う→提案する 』


記事は以上です。採り入れてみる値打ちがありそうなロールプレイングですね。

関連記事
子どもと向き合う5月の教室「担任の声が子どもの心に届くためには」
http://sg2takaboo.exblog.jp/24898360/



by takaboo-54p125 | 2012-04-07 05:44 | 保育・教育