子どもと信頼関係をつくる、子どもとの信頼関係を取り戻す【子どもの心に届く担任の言葉①~⑤】

①子どもの心にひびく教師の言葉(子どもと向き合う時、はずせない基本線→存在感のある教師①)


どの学級にも個別支援を要する子が複数いるので、特別支援教育とは全学年・全学級で進める教育だと心がけておられる担任が多いと思います。この個別支援を認め合える(できる・できないで級友を見ない寛容さのある)学級の仲間に育てることが、どの子の自尊感情も低くならない(自分をダメな子だと思わない)分岐点ですので、温かさのあるお手本を子どもたちに見せることが大事になるでしょう。この記事も、そういう意味があります。

私たち教師は、よく次のような言い方を、ついつい、子どもたちにしてしまいます。

「鉛筆や消しゴムを筆箱に入れて机に入れなさい」「しっかりしなさい。ちゃんとしなさい」
などです。前者は、指示内容が多すぎで、後者は、子どもにはイメージしにくい言葉です。
年令が小さいほど、どうしていいかわからない、あいまいな言葉だと言えます。ですから、
「鉛筆と消しゴムを筆箱に入れてね」(ほめる)→「筆箱を机に入れてね」(ほめる)
と、指示内容を1つずつ小分けして言ってあげましょう(ほめ言葉も)。また
、大声で、
「しっかりして」「ちゃんとして」「うるさい」「まだか」「はやく」「おそい」
などと怒鳴るより、『できて当然のこと』でも(今の子どもたちにはどうしても必要なのでしょう↓)、


みんな、すわろうね~おっ、早くすわれたね。うれしいな」(以下、いずれも笑顔で)                                                       
教科書の何ページを開けてね~うん、みんなが開けたね」                                                             
シーッ!お話するのをやめようね~静かになったね」                             
A君のお話を聞いてあげよ~聞いてもらえるとうれしいね」                     
Bさんの意見、聞いてあげよ~Bさんの気持ちわかってきたね」                              
先生のお話を聞いてね~聞いてくれてありがとうね」                                                      
みんな2列に並んでね~昨日より早く並べたねぇ。気持ちいいな」                                                             
と、その場面に応じて、子どもにしてほしい具体的な言い方で、子どもたちがイメージしやすいように伝えてあげましょう。もちろん、子どもたちが受けとめてくれたら、必ず目を見て具体的にほめることも忘れてはいけませんよね(あきらめずに継続していると、しかる〔注意する〕回数が徐々に減ります)。                                                          
教師が笑顔でいるとクラス・教室に「楽しい空気」「心地よい雰囲気」を広げます。それは即、子どもに伝わります(学び合う楽しさは伝染するということです)。なお、1学期の第1週目は、担任が1年間で最も多忙でしんどい時期です(自転車のひとこぎ目のペダルが重たいのを思い出しましょう)。


「ダメ!」「やめい!」「あかん!」「何してんの!」「さっき言ったやろ!」
などと言ってしまう、否定的な指示語も、緊急を要する時以外は、やさしく、しっとりと、具体的に、                                                             

どうしたの?」「何かあったの?」→(やりとり)→「どうしたい?」
こういう時は、Aをすると、うまくいくと思うよ。どう思う?」
そういう時は、先にBかCをしてみるといいと思うよ。どう思う?」
と伝えるほうが、子どもも素直に受け入れやすい言葉がけです(可能なら、複数提案して自己決定を促します)。


▲授業中、ゼロに出来なくても、できるだけ減らしたい教師の言葉(大声・どなり声・命令する声)
「こらっ!」「静かに!」「わかった人?」「できた人?」「他にない?」
(例えば「できた人?」は、出来てない子にはつらい問いかけです…黙って下を向くしかない)
 


◎授業中、できるだけ増やしたい教師の言葉(柔らかな、大きくない、ゆっくりした声)           

もうちょっと時間がほしい人?」(先生は待ってあげるよ、というメッセージになります)
困っていることはないか?」(できた人?と聞くより、子どもはうれしいし、安心できます)                                                         

先生にも聴かせてほしいな」(わかった人?と聞くより、子どもが発言しやすい聞き方です)                                             
みんなに聴いてほしいこと、ないか?」(発表して!と言うより、子どもも言いたくなる聞き方です)                                                        
グループで話し合って、気づいたこと、聴かせて」(班のまとめより、個人の気づきを聴きます)                                                            
わからない所は、隣の人に聞いてごらん」(困ったら遠慮せず「教えて」と言える教室・子どもに育てたいので)                                       
わかりにくかったら、周りの人と相談して」(聞かれたら気軽に教えてあげる教室の空気もつくりたいので)                                                                        
「Cさんの意見は、みんなが考えつかなかったものやね」(たとえ的外れな発言でも)                              
D君の言いたいことの続きがうかんだ人、いるかな?」(モゴモゴ発言の時に、[他にない?]と切り捨てない)
Eさんの言いたいのは、たぶんこうだと言える人、いるかな?」(小声のボソボソ発言や、発言につまった時に、[他にない?]と切り捨てないで、子どもと子どもをつなごうとする先生の姿が、聴く子を育てる) 


② 子どもたちの表情が生き生きしているクラスにするために、今、出来ること(存在感のある教師②)


教師が子どもの話を聴けるようになると、教師の話を聴ける子どもが育ちます

各教室で担任が、これまでの習慣「ハンドサイン」「聞く態度・聞く姿勢」「声の大きさ1,2,3」という形式的な指導をやめて、「できるだけ増やしたい教師の言葉」をくり返し使うようになると、子どもたちも安心して学ぶ姿へ変容していきます。その根底に流れているのは、「聴く教師の元でのみ、聴く子どもは育つ」という教育哲学です。


学校ぐるみで、全教師が意識的に取り組んでみたいこと一覧                

子どもを「こらっ」と怒鳴って統制しない(どの教師の声も、柔らかさと温かさを)                                                         
「わかった人?」「できた人?」を言わず「困っていることはない?」と言う                                                            
子どもにも「これ、わからへん」「ここ、どうするの?」と周囲の子に聞く習慣を                                                
グループ学習も採り入れ、聴き合う活動を大切に(最大4人男女混合班)                                                    
教室に「聴き合う空気」を生み出すため、教師が促す言葉がけを続ける                                                  
どのクラスも、朝読書を採り入れている(もちろん中学校・高校でも)                                                  
どの教師も「無理、ダメ、できない」というマイナス思考発言を連発しない                                                
机間支援では個別支援を心がける(ひざも汚れるはず。机間巡視は昔の言葉かも) 
教室の机の配置(話し合う時)はコの字型にする(発言する子の表情を見られるように)…学校ぐるみで採り入れると効果は大きいが、1学級が採り入れているだけでは効果は期待ほどではないかも                                                                      


聴くこと「日頃から子ども・教師が意識したいこと」を大事にしましょう              

まず、教師が1人ひとりの子どもの声に、いつも耳をすます                                                           
ていねいに聴く(急がない。矢継ぎ早に指名しない。意見に飛びつかない)                                                                 
どの子のどんな発言も大切に受けとめる

小さなつぶやき、予想外の発言にもしっかり耳を傾ける習慣を                                                
子どもの「まちがい」や「わからない」ということを出発点に                                                              
多様な意見から、大事な「つながり」を見つけ出す                                                                    
互いの意見の共通点・相違点から、何らかの「気づき」を発見しよう                                                               
意欲を持続させようとする工夫をする(4人で相談 ペアでも 音読を多く)                                                      
いつでも誰かが話を聴いてくれるという、教室の雰囲気をつくる                                           
教師自身が大声を上げすぎず、静かに聴くお手本を見せる                                                  
話し合いだけが「聴き合う学び」ではなく、「教え合い」は「聴き合う学び」ではない                                                           
学校生活の全てが、「聴き合う学び」であるという認識に立った支援を


聴くこと「授業の中で特に教師が意識すること」を大事にしましょう             

話し合う場面で教師も子どもと同じ目線で話が聴けるよう、いすに座ろう                                            
板書・不必要なリボイスで、子ども同士のつながりを切ることあり(要注意)                                             
用意した意見を言い合う時間より、聴き合いながら話し合う時間を増やそう                                             
「学ぶ」謙虚な気持ちで、教師自身も1人ひとりを尊重することを忘れないようにしよう                                                     
自分で発言する喜びより、聴く喜びを感じさせ、自然な対話が生まれるためにも、友だちに向かって静かにゆっくり話すようにさせたい


子どもの学びをさまたげてしまう教師の言葉…私も言ってました

過敏な子は耳をふさぎ落ち着いて座っていられなくなり、挙手した子から
「ちぇっ」「先に言われてしまった」
と言われる、そんな「ハイハイ発言」を増やしてしまう教師の言葉を次に挙げてみます。
その言葉は、子ども同士の発言をつながないから、言いっぱなしになってしまい、聴き合うことがなくなり、結果として伝え合う関係づくりができなくなります。   
                     


×「他にない?」(直前の発言を切り捨て、羅列的な意見発表会になってしまう)                                                                
×「わかった人?」「できた人?」(こう言われると、子どもは「わからない」「できてない」と言えなくなる)                                                        

以上は、他県の小学校でいただいた資料を元にしていますが、保育園・幼稚園・こども園や中学校・高校・特別支援学校でも、十分活用できる内容ですし、応用して採り入れている学校・園もあります。かつての
私は恥ずかしながら、すぐ「他にない?」「わかった人」「できた人」と言っていました(反省です)。


先生にも聴かせてほしいな
みんなに聴いてほしいことあるか?」
グループで話し合って気づいたことを聴かせて
を基本にしつつ、まず【子どもの声に耳を傾ける】姿勢でいたいと、つくづく我が身を省みております。
教師に聴いてもらえる心地よさ】を体感した子どもは、きっと教師の話も聴いてくれることでしょう。


市内の全小中学校で授業改革に取り組まれた、茨城県の中学校の校長先生は当時、こう述べておられます。

『できる子が教えて、できない子だけが底上げされるのでは困ると言う人がいます。でも、それは違うと自信を持って言えます。実は(グループ内で聞かれて)教えている生徒たちの伸びのほうが大きいのです。できる生徒たちにとっても高い課題をやることで学力が伸びますし、もう1つは人に教えることで、自分の知識が整理されたり、定着したり、伝える時に論理性が伸びたり、あらゆる力が伸びるのです。』と。また、


『できない子どもは教えてという言葉が言えずに押し黙ってしまいます。だから授業中にすごく苦しい思いをしているんですよ。でも生徒同士が互いに学べるような環境をつくってあげれば、教えてと言えるようになります。教えてもらうのを待っている子どもは、社会に出ても指示を待つ人間になってしまいます。しかし、教えてと言える子どもならば、社会に出てから誰かに依存しながらも、人とうまく人間関係をつくり、自立して生きていく力を持った人間に育っていくでしょう。』とも。


忘れてはならないのは、最初から「学力向上」だけをねらって取り組むと、必ず失敗に終わるということです。授業づくりを核にした学校づくりに成功している所は、必ず最初は、人間関係のトラブルを解決するため、授業づくりを通して、子どもが互いにケアし合い学び合える温かい集団に育てていくという共通目標の元で、協同的な学びの取り組みを始めておられます。そして、聴くことを大事にしながら「荒れ」や「くずれ」を克服した結果、後から「学力向上」もついて来た、という学校がほとんどなのです。職員室でも、研究会でも、子どもの固有名詞が自然に飛び交います。当然、報告連絡相談をしてよかったという空気にあふれた教職員集団になり、教師の個性が発揮された授業が展開される学校になっていきます(山あり谷ありですよ)。


こうして、私なりに得心したことをふり返ってみると、先生方がチャレンジされていることは、子どもたちの声に耳をすましながら、「子どもたちとの信頼関係を授業の中で構築しよう」ということでした。                                                              
聴き合う関係づくり」によってこそ実現する「対話し合えるコミュニケーション力の育成」であるとも言えます。そして、教師と子どもの間に生まれた信頼関係は、授業(教室)の空気として、「子ども同士の信頼関係」をも、引き出していくのだ、ということがひしひしと伝わってきました。


③ 子どもを「頼り」にすると、子どもの自尊感情(自分を好きな度合い)は高まります(存在感のある教師③)


日本理化学工業と言えば、チョークを作っている工場で、知的障害者を積極的に雇用している会社ですが、大山泰弘会長の著書には次のようなことが書いてあります。
「人間の究極の幸せは、人に愛されること、人にほめられること、人の役に立つこと、人から必要とされること、の四つです。働くことによって愛以外の3つの幸せが得られます」と。
これがクラスなら、「担任に愛されること」「担任にほめられること」「担任の役に立つこと」「担任から必要とされること」が子どもたちの幸せです。担任+友だちなら、最高の幸せです。どうか、クラスの子どもたち1人ひとりを、今まで以上に、『頼り』にしてやりたいものです。とりわけ、気になる子どもや、目立たぬ子どもには、より意識的に、です。


子ども一人ひとりの自尊感情・自己肯定感・自己評価を高めるかかわり方を大切にしましょう。
あなたがこの教室にいてくれてうれしいよきみが今日、来てくれたことがうれしいで
をベースにして、日々、子どもが自分は大事な存在だと思ってもらっているんだと感じられるようなメッセージを語ることを、毎日くり返します。あれっ?と感じる子どもの言動には、必ずその子なりのワケがあると思ってあげる心のゆとりを持ちましょう。例えば、「マスク」をしている子の中にも、人と関わることがこわくて「だてマスク」をしている子もいるはずだと思える教師でありたいものです。


スモール・ステップ(私は「ミニプチ・ステップ」と呼んでいます)を与えて、ほめることを意識的に取り組みましょう。                                
「Aを手伝って」「Bをするといいと思うけど、どう?
→子どもがやろうとする
(ほんの少しでも意欲・努力・苦労の跡を決して見逃さず)→
助かったわぁ」「よくがんばったね」「ありがとう
など
の積み重ねによって、子どもは「どうせ、ボク(私)なんか・・・」と思わなくなり、笑顔が増え、自分を好きになります。すると、子どもの心の中に、だんだん自信と意欲が芽生えてきます。


その子が本来持っている力(かくれて見えないけど、きっと内側にあるはずの力)を、出したくなるような工夫をしましょう。
朝の出会いを大切に。笑顔ですてきな「おはよう」を。                                                   
子どもと共に掃除・昼食・遊びをしながら、気軽な世間話を。                                 
教師の失敗談・ズッコケ経験話を明るく語ってあげよう。                                     
いっしょに野菜や花を育てる活動を、毎日少しずつ楽しもう。

気になる子にこそ、何かを頼んで少しでもやろうとしてくれたら、担任の感謝の気持ち「ありがとう」をその都度言おう。                                                               
帰りの会、日記の返事、連絡帳、電話、退勤時のちょこっと訪宅などで、その日、その子のキラリと光る姿を、本人や保護者へ、具体的に伝える労力を惜しまない(信頼の糸をつむぐ)。
それらをベースに、何かあった時は「足を運べば誠意が伝わる。電話で済ませば誤解が伝わる」(複数対応OK)


④ 子どものコミュニケーション能力が育つために必要な教師の関わり方(存在感のある教師④)


私が尊敬する園長先生が、幼児期に培っておきたい力である「コミュニケーション能力が育つ」ことについて、次のように述べておられます。
『子どもを本当に好きになれる先生になりたいと、日々子どもから学ぼうとする体験を積んでいる先生ならば、子どもへの言葉がけの質がちがいます。そうすると、園の子どもは、先生から本当の「やさしさ」を感じます。「自分をちゃんと受け入れてくれる!」そんな安心感があるからこそ、「友だちをちゃんと受け入れられる」という高いコミュニケーション能力が、育っていきます。                                           
○先生に信じてもらえるからこそ、自分を信じることができる。                                                      
○先生に好きになってもらえるからこそ、自分を好きになることができる。                                                 
○自分を大切にすることができるからこそ、友だちを大切にすることができる。
                                              

このテーマで、常に子どもの姿を話し合い、園の先生方に実践してもらっています。』と。これは学校でも、子どもと先生の人間関係づくりの出発点として、同じではないでしょうか。


近年亡くなられた数学者の森毅(つよし)さんの印象的な、かみしめたい「ひと言」です([ ]は私の補足)。
学びは人間関係の中に成立します。」
正しさは伝わりません。[学ぶ]楽しさはうつります。」


子どもたちの「ひとみ」が輝くような活動の導入について、ひと工夫しましょう。                                                       
今日はね、こんなことをやるよ」と表情豊かに語りかけます。                                                              
「A君、教科書とノート開けてね」→「昨日より早く開けたね」                                              
「Bさん、こっち見てね」→「うれしいな
と、
できそうなことでも、ほめ言葉をかけながらです(石の上にも3ヶ月)。                                                                                     
考えさせたい所は、意識的に間(ま)をとります。あせらないで、子どもが考えるのを笑顔で待つのも大事です。


子ども一人ひとりの、その時その時の気持ちを、まず受けとめることから関わることを、基本としましょう。
○○がくやしかったんやね」「○○がつらかったんやね」                                    
と教師が代わりに言ってくれ、自分の気持ちをわかってもらえたと感じた時、子どもは、そんな教師の語りかけには、耳をかたむけるようになります。自分の気持ちを聞いてくれない先生の話を、子どもが聞くはずありません(聴くお手本になることが出発点です)。


自分も人も大切にするための最小限のルールは、そのつど、具体的に伝えましょう。                       
ここまではOK」「これ以上はダメ」という姿勢を、その子には、                                                            
「Cきみが大切だから言うよ」「あなたが自分を大事にしてほしいから言うよ
と前置きします。それがもし、教室のみんなの前ならば、                                       

「C君1人に言っているんじゃない。きみたち全員に言っているんだよ。自分のことだと思って聞いて」                                                     
と、周囲のみんなにも言いそえながら伝えて、自分は関係ない(他人事)という冷たい空気をなくし、教室の温かい仲間意識を高めます(連帯責任などとは全く違う正反対の観点です)。


何故この子はこんな言動をするのだろう、何がこの子をそうさせるのだろうということを語り合い、今のこの子をどう観るのかを教師集団で共有しながら関わりましょう。
子どもの課題を、担任一人で抱え込んで悩まないことです。
もっと同僚(職場の仲間)を頼りにする勇気を持ちましょう。


「失敗は成功の元」を、クラスみんなに共有させましょう。                                       
失敗(手をあげて、指名されたのに、言えなかった)しても、
えらいねとほめ、
緊張するもんなぁと、その子の気持ちに共感し、
なぁ、みんなとクラスのみんなにも声をかけます。


⑤ 先生がうなずきながら聴くと、その真似をする子が徐々に増えます(存在感のある教師⑤)+α


授業中、子どもたちを、例えば板書に集中させたかったら、

「みんな、(黒板の文が)見えるか?」
と聞くと、最初から見ている子だけが「はい」と返事をして、見ていない子は知らん顔のままです。でも、

「(黒板の文が)見えてへん子は、いないかなぁ?」
と聞くと、子どもらの反応がちがいます。黒板を見ている子らが、見ていない子にも声をかけてくれます。その時、板書を見ないことがよくないことというニュアンスではなく、「いっしょに見よ」という温かい誘いかけをしてくれた場合に教師がすごく喜ぶと、板書を見てくれる子が増えてきます。おススメです。

出発点は、子どもの声・つぶやきに耳をすまし、耳を傾け、最後まで聴くことを、先生がやりきることでしょうか。「先生は気持ちを聴いてくれはる」と感じてくれた子は、だんだん先生の話に耳を傾けるようになります。


積極的な生徒指導(聴くことを大事にし、日々「ケアの心」を怠らない支援
)を、授業中にも採り入れましょう。

いつもと違う子どもの様子に「あれっ?」と思ったら、まず、
どうしたんや?」「困っていることはないんか?」
と言葉をかけ、子どもの声に耳を傾けてみることをオススメします。私たち教師の、子どもの思いをいとおしむ人間力が問われています。私もそう自ら戒めながら、学生たちに向き合ってきたつもりでした(実際にできていたか自信はありません)。正しいことを伝える一方通行では、信頼関係はつくれないということだけは言えるでしょう。さあ、ギスギスした空気を温かな空気に変えるための、勇気ある「始めの1歩」を踏み出すために、職場で仲間を3人集めて協同実践してみてはどうでしょうか(自転車の1こぎ目のペダルが重たいのと同じかも)。


県内の各学校の実践から


A、荒れを克服するため、全教師が、担当する授業の「始まりのチャイム」を、教室の中で聞くことを実践されている中学校もあります。始まりのチャイムで、さっと座る生徒が増えます。


B、「どの先生も、同じことを、同じ気持ちで言わはる

と子どもたちに思わせるために、日頃から「報告・連絡・相談」メモを絶やさないようにして、教師が組織的に連動して動く小学校・中学校もあります。それを子どもはちゃんと見ています。


C、担任していないクラスの子のキラッと輝く姿を見つけた教師が、メモに書いて職員室の担任の机上に置いておく「キラッと見つけ」の取り組みを、全教師が「学校ぐるみ」でしている小学校・中学校もあります。例えばトイレ掃除など、その場で担任以外の教師からほめられた子どもが、後から教室で担任からもほめてもらえる、そんなステキな取り組みです。


D、「授業中は、どの教師が教室に入ってきてもよい」=授業中の教室に他の先生も来ることが、子どもたちにも当たり前になっている、という小学校・中学校・高校もあります。学級王国ではなく、全教師で全校の子どもを育てる雰囲気が生まれます。


E、班作り・給食で「好きな者同士のない」小学校、お楽しみ会の「おやつ持参のない」小学校、「色ペン・シャーペン」も会議で検討する小学校もあります(教師の対応がバラバラだと、クラスによって荒れます)。


面倒ですが、ABCDEをしていると、教師間の垣根(へんなプライド)が低くなります。なお、会議でABCDEを提案する時は、事前に最少で3人の仲間(提案1・賛成2)が必要になると思いましょう。


そして、教室に「聴き合う空気」が浸透するにつれ、増えていく子どもの姿(聞く&答える)

「ここ、どうするの?」「これ、何と読むの?」「これ、どういう意味?」「ここ、わからへん、教えて」
など、こういう発言が飛び交う教室(学級・学年・学校)をめざしましょう。

子どもは学年が小さいほど、私たち大人の予想以上に、より具体的な教師の説明・指示が必要です。
低学年の具体物は、数のかたまり・10の補数などをサッとイメージできるようになってほしいからです。
イメージと言えば、2年生の算数、ものさしでノートに12cm7mmの長さの直線を引く学習の場合。
ノートの上にものさしを置いたら、あえて1つずつ言ってあげましょう。
「端っこの0cmの所がスタートやから、小さい印 . をつけよう」
「次に、0cmの印 . からスタートして、12cmの所に小さい印 . をつけよう」
「そして、12cmの印
. からスタートして、7mmの所にゴールの印 | をつけよう」
「じゃあ、ノートの上に置いたものさしを3つの印 . . | に合わせてね」
(もっとわかりやすい言い方があれば◎なので、先生方ご自身でお試しください)
「ものさしを、左手でぎゅっと押さえよう」(左利きなら、右手でぎゅっと)
「次に、鉛筆で . . |をつなぐ線を、やさしくスーッと引こう。やさしくね」
「鉛筆の先っぽを、ものさしにくっつけると、まっすぐな線が引けるよ」

こんな感じでしょうか(『一度にひとつずつ』の指示が、より分かりやすいでしょう)。
この7行の箇条書きを画用紙に書いて(12を□、7を△にして)、教室に掲示するのも◎。

では、先生方も「ふり返り」をしてみましょう。

子どもを『ほめる』ということは、子どもを評価することではありません。
子どものがんばり(努力・苦労・工夫)・成長を見つけて伝え、教師自身のその喜びも伝えていくということです。
               


子どもを『しかる』ということは、子どもに腹を立てる(怒りをぶつけ怒鳴る)ことではありません。
子どもが、自分も他人も大切にできるように、1つずつ具体的に教えていくということです。


以上、[荒れ-くずれ]をなくすためのベース(信頼関係の構築)は、学校ぐるみ(全学級)で授業に発想の転換をはかることしかなく、その具体策を集めました。個別対応だけでは、[荒れ-くずれ]が起こりやすい教室の空気を変えるのは困難です。ですから、今、自分がやれそうなことから1つずつ挑戦してみましょう
まずは、子どもの発言は子どもの表情(目)を見ながら聴くこと(板書しながら聞くのは勿体ない)、子どもにはシンプルな指示(できれば1つずつ)を出して→ほめること(一度に多くの内容を指示すると子どもは混乱)、この2つから始めてみませんか(気づいた時がスタートです。あせらずに←私自身、数々の失敗から学びました)。

この記事の内容は小中学校をイメージしていますので、園の先生方には、次の2記事のほうがフィットするかなと思います。なお、発達障がいや食物アレルギーについては、各自で研鑽を積まれることをオススメします。


幼児の心を育てる「信頼関係づくり」の保育を保育園も幼稚園も進めましょう

http://sg2takaboo.exblog.jp/24898594/


幼小連携:保育園・幼稚園がめざす「理念」を、保護者も納得してから入園してもらうことの意味【園と家庭が手を結べるため】

http://sg2takaboo.exblog.jp/24898389/


関連記事
「たった一つの約束①みんな笑顔でいるために」から学ぶ
https://sg2takaboo.exblog.jp/24898453/

協同的な学び合い(聴き合う学び)」⑤『教師の話し方・聴き方:ことばが届く、つながりが生まれる』(石井順治氏の基本「ケア」の心)

http://sg2takaboo.exblog.jp/24898388/

今どきの子どもたちが「人間関係から自分を守る方法」その1
https://sg2takaboo.exblog.jp/24898218/




by takaboo-54p125 | 2017-04-08 05:34 | 保育・教育