金子みすゞの詩には、自然を見つめる眼差しに優しさを感じます(心にしみ渡る5編)

金子みすゞの詩と言えば、「私と小鳥と鈴と」が最も多くの人に知られているのでしょうか。金子みすゞの詩集を読んでみました。「金子みすゞ童謡集」ハルキ文庫(ハルキ文庫には、まど・みちお詩集や谷川俊太郎詩集もあります。角川春樹事務所発行)です。100編の詩が収められていて、本書を直接読まれることをオススメします。私は、金子みすゞの詩から、自然を見つめる眼差しの優しさが、リズム感あふれる1行1行ににじみ出ていると感じました。ぜひ、琴線にふれた(心の奥底に響くほど感動・共鳴させられた)5編を紹介させてください。


「私と小鳥と鈴と」      金子みすゞ


私が両手をひろげても、


お空はちっとも飛べないが、


飛べる小鳥は私のように、


地面(じべた)を速くは走れない。



私がからだをゆすっても、


きれいな音は出ないけど、


あの鳴る鈴は私のように、


たくさんな唄(うた)は知らないよ。



鈴と、小鳥と、それから私、


みんなちがって、みんないい。



「土」           金子みすゞ


こッつん こッつん


打(ぶ)たれる土は


よい畠(はたけ)になって


よい麦生むよ。



朝から晩まで


踏(ふ)まれる土は


よい路(みち)になって


車を通すよ。



打(ぶ)たれぬ土は


踏(ふ)まれぬ土は


要(い)らない土か。



いえいえそれは


名のない草の


お宿をするよ。



「不思議」          金子みすゞ


私は不思議でたまらない、


黒い雲からふる雨が、


銀にひかっていることが。



私は不思議でたまらない、


青い桑(くわ)の葉たべている、


蚕(かいこ)が白くなることが。



私は不思議でたまらない、


たれもいじらぬ夕顔が、


ひとりでぱらりと開くのが。



私は不思議でたまらない、


誰にきいても笑ってて、


あたりまえだ、ということが。



「星とたんぽぽ」       金子みすゞ


青いお空の底ふかく、


海の小石のそのように、


夜がくるまで沈んでる、


昼のお星は眼にみえぬ。


  見えぬけれどもあるんだよ、


  見えぬものでもあるんだよ。



散ってすがれたたんぽぽの、


瓦(かわら)のすきに、だァまって、


春のくるまでかくれてる、


つよいその根は眼にみえぬ。


  見えぬけれどもあるんだよ、


  見えぬものでもあるんだよ。



「お日さん、雨さん」     金子みすゞ


ほこりのついた


芝草を


雨さん洗って


くれました。



洗ってぬれた


芝草を


お日さんほして


くれました。



こうして私が


ねころんで


空をみるのに


よいように。



以上、5編だけ紹介させてもらいました。「私と小鳥と鈴と」があまりにも有名ですが、それと同じぐらい私が心ひかれるのは「星とたんぽぽ」です。金子みすゞというたぐいまれな感性の輝きを放つ詩人の人柄にふれるには、本書の100編をひととおり直接読まれることをオススメします。まさに珠玉の詩集です(敬称略)。

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by takaboo-54p125 | 2016-01-03 05:03 | 子どもと詩