2015年 10月 03日
【いじめが起こりにくい環境づくり】教室でできる未然防止:8作戦
その子は、なぜ自分の気持ちばかりアピールするのでしょう?
子どもが教師に話を聞いてほしい時、テストの丸付けをしながら生返事(ながら聞き)をしている教師の姿を思い浮かべましょう。
その子は、なぜ自分の気持ちをぜんぜん出せないのでしょう?
教師がが熱心に、指示や注意ばかりを、子どもに言い続けている姿を思い浮かべましょう。
学校で自分を出したがる子と出せない子の、家庭における共通点
どちらの子どもにも共通する点があります。
それでは、学校(教室)では、どうすればいいのでしょうか。
スモールステップを3つばかり☆☆☆
☆子どもにお手伝いを頼んで、「ありがとう」「助かったよ」と言うこと。
☆また、子どもと、何か(給食・掃除・遊びなど)をいっしょにしながら、世間話もしつつ、さり気なく
☆「あれっ?いつもと違う」と気づいたら、「どうしたの?」と声をかけます。
そして、最後は問いかけます「どうしたい?」 「どうしたの?大丈夫?」
いじめ防止対策推進法:未然防止 「いじめが起こりにくい環境の整備」8つの作戦
☆スモールステップをあたえて、ほめること(できて当然のことでも)
私たち教師は、よく
☆『失敗は成功のもと』体験の共有
立ち直りへの支援が、子どもの自立を促すことになります。
☆トラブルはその子とつながるチャンス
「つらかったんやね」「そら、ムカつくわなぁ」「くやしかったんやもんなぁ」
☆「今するべきこと」をわかりやすく、そして時には強い意志で
・指示することばは短めに(だらだら長い話は、お説教になります)。 ・その子の拒否の叫びや行動に、教師が動じない(売り言葉に買い言葉は×)。 ・断固たる決意で、その子と真正面から向き合う感覚で、決してゆずらない。 ・そして、少しでも、しようとしたら、ほめる。教師自身も心から喜ぶ。 ・その子が本当にしたら、おもいっきりほめて、共に喜びを分かち合う。 子どもが受けとめてくれたら、必ず具体的にほめることも忘れないことです。 この5つをねばり強くくり返してると、じょじょにですけど、しかる(注意する)回数が減ってきます。
☆教師集団が組織的に連動して動くこと
例えば、子どもたちに対して、例えば、学校に持って来てはいけない物など、特に生徒指導面では、 「どの先生も、同じ思いで、同じこと、言わはる」 と思わせるように、毎週のミーティングを短時間でも必ずとりましょう。また、 「どの先生も、チャイムが鳴った時には、教室に来てやはる」 と思わせるように、授業始まりのチャイムを教室で聞く教師集団になりましょう。そして毎日、「キラッと見つけ」作戦(いろいろなネーミングあり)を、全職員で展開することを続けることでしょうか。
☆空気を伝えること、雰囲気をつくること
先生が笑顔でいると『楽しい空気』が伝わり、子どもの心にも響きます。また、 「ダメ!」「やめい!」「こらっ!」「何してんの!」「さっき言ったやろ」などと言う否定的な指示語も、緊急時(イジメ・暴力・危険)以外は、やさしく、ゆったり、 「どうしたの?」→会話(事情を聞く)→「どうしたい?」→支援 「こういう時は、△△すると、うまくいくと思うよ」「今度は、先に△△してみるといいと思うよ」 というふうに、言いぶんも聞いてあげて、ダメの中身を、具体的に伝えることで、子どもも、気持ちをわかってくれた教師の言葉は素直に受け入れられます。
☆できたら減らしたい言葉、増やしたい言葉
△できるだけ減らしたい先生の言葉(大声、どなり声、早口で命令する声) 「こらっ!」「静かに!」「わかった人?」「できた人?」「他にない?」
◎できるだけ増やしたい先生の言葉(柔らかく、大きくない、ゆっくりした声) 「絵本が見えてない子はいないかな?」(読み聞かせを始める時は必ず) 「困っていることはないか?」(こう言われると、子どもはうれしいのです) 「先生にも聴かせてほしいな」(子どもが発言しやすい聞き方です) 「みんなに聴いてほしいこと、ないか?」(子どもも言いたくなる聞き方です) 「隣の人としゃべってみて、気づいたこと、聴かせて」(つぶやきも聞く) 「わからない所があったら、言ってね」(「教えて」と言える子に育てたい) 「わかりにくかったら、隣の人に聞いてみて」(親切に教えてあげる空気も) 「○○さんの言いたいのは、こうかなと言える人?」(モゴモゴ発言に助け船を) 「○○君の言いたいことの続きがうかんだ人、いるかな?」(ボソボソ発言をつなげよう)
子どものどんな発言も切り捨てず、子ども同士の発言をつなげていくことを大事にしていると、
☆子どもの声を聴く教師の元でしか、聴く子どもは育たない
子どもの目を見て聴くこと、目を見て話すこと(必ず最後まで)を心がけましょう。 板書しながら、丸付けをしながらの「ながら聞き」ではなく、
次の発問・板書などのプランを考えながら、子どもの発言を聞くのではなく、 自分の意図する(言ってほしい)子どもの発言にすぐに飛びつくのではなく、 「ここ、何と読むの」「ここ、どうするの?」「ここ、わからないから教えて」 と遠慮なく言える雰囲気の教師とクラスの仲間、そして、安心して「わからへん」と言える自分を温かく受け入れてくれる空気の教室にすることが、
子どもは自分を信じて(待って)くれる教師を信じます(話も聴きます)。
おわりに(始めの1歩)
「いじめ防止対策推進法:未然防止」における、クラスで「いじめが起こりにくい環境の整備」とは、
どの学級にも個別支援を要する子が複数いるので、特別支援教育とは全学年・全学級で進める教育だと心がけておられる担任が多いと思います。
(この記事は、EDUPEDIAへ2013年7月20日に投稿した内容を元にしています)
なお、いじめ対策(プラス志向)の記事をまとめたのが、以下の関連記事です。もし、よかったらご覧ください。
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