授業中の私語をへらすには=担任の聴き方・話し方のひと工夫→「教師の存在感」UPへレッツ・トライ!

「授業でワアワアなった時、静かにさせる手立ては?」
「教室がざわざわした時の、魔法の言葉は?」

「授業中、板書や学習内容に注目させる手法は?」

これらの質問に対する返答を書きます(私も偉そうなことは言えず、かつての教え子に聞くと力技だったとかm_ _m。力技はその場しのぎのため、もぐらたたきになり、教師自身の疲れが蓄積されます=経験談)。


仮りに、それを「指導力」と言うならば、教師の指導力(授業の力量)とは、大声(怒鳴り声)で静かにさせることではありません。ここ数年間、注目していた愛知・三重・滋賀県の6校(小中高2校ずつ)の全クラス公開授業で、目指したい授業(教室における担任と子どもの姿)を間近で観ることができ、感謝しております。その6校30クラスの先生方に共通していた「さりげない働き(動き)」を、授業(学習)参観させてもらった私自身が再度、具体的にイメージしてみましょう。ただ、学校ぐるみでじゃなくて、担任が個人で取り組むのも手応えはゼロじゃないけど、その苦労は半端ではありません(どの先生も同じ気持ちで同じこと言わはる…こんな同僚を増やしたい)。

子ども1人ひとりの課題は千差万別で、担任個人での対処には限界があるのも現実です。そこで、大阪市立大空小学校の校長を2015年3月までされていた木村泰子先生の言葉を引用させていただきます。

>(前半略)大空小学校では、しょっちゅう教室から子どもが出ていきますが、その時
>「教室から出ていく子が良くない」
>と言えば、この子に対する周りの見方に、差別と偏見を教えていることになります。

>そこで「出ていく子どもが悪い」と決めつけないことが大切。
>「なんで出ていったのかな?」
>とみんなで安心して相談すればいいのです。
>子どもが出ていく原因を作っているのは“教員”です。
>私が授業をしていた時にも子どもが出ていきました。
>その時周りの子どもに
>「あーやっぱりなあ。先生ここまで良かったけど、あそこでこれやったでしょう?
> だからあの子は我慢できなくて出ていったんだよ」
>と言われました。私が
>「分かってるんだったら、もっと早く言ってよ(笑)」
とその子に言うと、
>「いやまさか、本当に出ていくなんて思わなかった」
>と返されました。
>こういう会話が自然に教室内で生まれれば、その出ていった子は厄介者ではないですよね。

>この子のおかげで自分自身(教員)と周りの子どもたちはその子について一生懸命考えることができた。
>こうしてクラスの雰囲気や授業のやり方が変わる。
>その子はまさしく“教員を変える学びのリーダー”だと言えます。
>そんな風に考えていったら、教師ができることは
>「自分の授業をどう変えるか」
>なんです(後半略)。


「先生のための教育事典 EDUPEDIA×教育技術 スペシャルインタビュー第1回」 より
https://edupedia.jp/special/shogakukan/201610-kimura

じゃあ、力技じゃない「指導力=水面下の働き」とは具体的に何かを今から説明させてください(すべて学校ぐるみで取り組んでいる学校現場で発見したことばかりですが)。それをひと言で表すなら、
むしろ、穏やかな表情と、ゆったりとした口調で、子どもの目を見て受け答えをする…そんな担任の先生の、しなやかな姿勢が、柔らかな教室(授業)の空気をかもし出していました(多くの同僚に支えられているから、担任の表情が硬くない)。


まず、子どもの顔を見ながら発言を聴く、子どものつぶやきや表情の変化を見逃さない、子どもと子どもの発言ををつなぐ役割をする(時にはささやく)、といった教師自身の「聞き方じゃなく、聴き方」の集中力(耳をすまし耳を傾けてキャッチすること、そして、発言する子どもの顔から決して視線をはずさないこと)でした。


さらに、その子の気持ちに心から共感して受けとめる(うなずく)、スモールステップを与えて子どもの変容の姿を具体的にほめる子どもの気づきを待とうとする子どもたち以上にその学習内容を楽しむ、先にも述べた、子どもの顔(目)を見てしっとりと語りかける授業の流れがプランどおりにいかなくても笑顔でどっしり構えていることによって、「子ども全員がびびらずに安心して頼れる存在」に担任がなる、と言えばいいでしょうか。子どもが安心して受け取れ、会話(言葉のキャッチボール)をしやすい担任の言葉がけがベースになります。

先生方の年令・性別もさまざま(若手~ベテラン)でしたが、担任の存在感」(ボクの話を聴いてくれる先生私の気持ちをわかってくれる先生と子どもたち1人ひとりが実感する存在になっていること)を子どもたちが認めていると肌で感じました。くり返しますが、存在感のある先生とは、大声の怖い先生ではなく、「視線をはずさず子どもの話を聴き、語りかける芯がぶれない、子どもにとって笑顔のステキな先生」だと言えるでしょう。


ですから、子どもたちも、そういう姿勢の先生の話だから聴きたい、学級の仲間の意見も聴きたい、先生や学級の仲間にも意見を聴いてほしい、お互いの違いも認め合える、といった教室の雰囲気(「ここどうするの?」「これ何と読むの?」と自然体で言える=バカにされない教室の空気)でした。→「ハイハイ発言」からの脱却にも成功。


こういった、参観者である私の目に「パッと見では気づかぬ働き(動き)」とは、具体的には、共に遊び共に掃除をし共に給食を食べ耳をすまし声をかけ子どもが「ボク・私の思いは受けとめてくれる先生」だと実感する=教師に心を開いてくれるためにできる、あらゆることを地道に積み重ねる姿が浮かびます。例えば、昼休みに子どもに「先生あそぼ」と言われたら、「5分だけなら遊べるよ」「○時○分までならね」と返事をします(自らの体力と体調と仕事量の多い少ないも考慮して「今日はちょっとごめんね」などもあり…だと思います)。


しかも、あわてずさわがず見守る態度は一貫して、ぶれないので、子どもたちにも「安心感」を与えるのでしょうね。日々、これらの目立たない[子どもたちだけが気づく働き(動き)」の積み重ねの元で、初めて授業が成り立ちます(その積み重ねをさぼると授業中の私語が増えます)。それでも、子どもが本題から離れそうな時は、教科書の「部分音読」を何度も入れ、教材に戻ることを大事にされていました。共通していたことは、どの先生もズボンのひざが汚れてました(床にひざをつき、子どもと同じ目線の高さになって個別支援するため)。

なお、個別支援を要する子がいる=いろいろな子がいるのが教室だから、その子に必要な担任の支援を認め合える(できる・できないで級友を見ない寛容さのある)学級の仲間に育てることが、その子の自尊感情が低くならない(自分をダメな子だと思わない)ことの分岐点になるようにも思います。そのお手本を担任が見せることについて、この記事も書いているつもりです。担任の先生方、その子にどんな支援をするかは、専門的な助言ももらいつつ、1つずつ試してみましょう。なんせ、個別支援の具体策は、個に応じて多種多様ですから。


以上、子ども1人ひとりへの、お世話じゃない「ケアをする心」(安心と自信と勇気をはぐくむ支援)を、片時も忘れないであろう先生方(6校30クラス)から、ひしひしと感じた、教師の「立ち振る舞い」「表情」「視線」「」など、子どもの心の中で教師の存在感がUPする具体的な姿を並べてみました。明日から、子ども1人ひとりの表情を見つつ語りかけ、聴いてみませんか(ただし、個々のワガママにはふり回されず…ここが難しい点ですけど)。「子どもの声を聴ける教師の元で、教師の話を聴ける子どもが育つ」実践を地道に取り組む6校30クラスで、思わずメモをとった「言葉がけ」の具体例は、以下の関連ページにのせましたので、よかったらご活用ください。


例えば、授業中、子どもたちを、例えば板書に集中させたかったら、

「みんな、(黒板の文が)見えるか?」
と聞くと、最初から見ている子だけが「はい」と返事をして、見ていない子は知らん顔のままです。でも、

「(黒板の文が)見えてへん子は、いないかなぁ?」
と聞くと、黒板を見ている子らが、見ていない子にも声をかけてくれます。そして、「いっしょに見よ」という温かい(さりげない)誘いかけをしてくれた時に教師が喜ぶと、板書を見てくれる子が増えます。オススメです。

2年生の算数、ものさしでノートに12cm7mmの長さの直線を引く学習の場合。
ノートの上にものさしを置いたら、あえて1つずつ言ってあげましょう。
「端っこの0cmの所がスタートやから、小さい印 . をつけよう」
「次に、0cmの印 . からスタートして、12cmの所に小さい印 . をつけよう」
「そして、12cmの印
. からスタートして、7mmの所にゴールの印 | をつけよう」
「じゃあ、ノートの上に置いたものさしを3つの印 . . | に合わせてね」
(もっとわかりやすい言い方があれば◎なので、先生方ご自身でお試しください)
「ものさしを、左手でぎゅっと押さえよう」(左利きなら、右手でぎゅっと)
「次に、鉛筆で . . |をつなぐ線を、やさしくスーッと引こう。やさしくね」
こんな感じでしょうか(『一度にひとつずつ』の指示が、より分かりやすいでしょう)。
この6行の箇条書きを画用紙に書いて(12を□、7を△にして)、教室に掲示するのも◎。

また、私たち教師は、よく次のような言い方を、ついつい子どもたちにしてしまいます。                                                     

「教科書・ノート・筆箱・下敷きを出して、鉛筆・消しゴムを出しなさい」「しっかりしなさい。ちゃんとしなさい」
などです。前者は、指示内容が多すぎで、後者は、子どもにはイメージしにくい難解な言葉です。
年令が小さいほど、どうしていいかわからない、あいまいな言葉だと言えます。ですから、前者なら、
「教科書を出して」(ほめる)→「○ページを開けて」(ほめる)→「ノートを…」
「筆箱を出して」(ほめる)→「筆箱から鉛筆と消しゴムを出して」(ほめる)→「下敷きを…」

と、指示内容を1つずつ小分けして言ってあげましょう。(後者なら↓関連ページ)


関連ページ
「たった一つの約束①みんな笑顔でいるために」から学ぶ
https://sg2takaboo.exblog.jp/24898453/


安心感あふれる教室に変えるポイント①②③④
https://sg2takaboo.exblog.jp/24898386/

通信簿の所見【親子が元気の出る「そのひと言」文例集】(139例文)「所見が浮かばない時のヒント」 https://sg2takaboo.exblog.jp/24898592/



by takaboo-54p125 | 2017-09-02 05:14 | 保育・教育