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子どもの心にひびく言葉をかけ続けてると、ぬくもりのあるクラスになります

以前にも書いた内容で恐縮ですが、私たち教師は、よく次のような言い方を、ついつい、子どもたちにしてしまいます。

「しっかりしなさい」「ちゃんとしなさい」

などです。どちらも、子どもたちには、イメージしにくい言葉です。年令が小さいほど、どうしていいかわからない、あいまいな言葉だと言えます。ですから、大声で、

「しっかりして」「ちゃんとして」「うるさい」「まだか」「はやく」「おそい」
などと怒鳴るより『できて当然のこと』でも(今の時代の子どもには学習に集中するため↓これら↓の言葉がけを絶やさないことがどうしても必要)

「みんな、すわろうね・・・おっ、早くすわれたね。かしこいなぁ」

「教科書の何ページを開けてね・・・うん、開けたね。エライ」

「シーッ!お話するのをやめよ・・・だんだん静かになった。うれしいな」

「◎◎君のお話を、聞いてあげよ・・・こんなに聞いてもらえると、うれしいね」

「◎◎さんの言いたいこと、聞こうよ・・・◎◎さんの気持ち、わかってきたねぇ」

「先生のお話を聞いて・・・聞いてくれてありがとうね」

「みんな2列に並んでね・・・すごく早く並べたねぇ。気持ちいいな」

と、笑顔で、その場面に応じて、子どもにしてほしい具体的な言い方で、子どもたちがイメージしやすいように伝えてあげます。もちろん、子どもたちが受けとめてくれたら、必ず目を見て具体的にほめることも忘れないでください。(しかる〔注意する〕回数がきっと減ります)

しかも、教師が笑顔を心がけ、怒鳴らないでいると、教室に「楽しい空気」「安心できる雰囲気」が広がります。それは敏感に、子どもたちに伝わります。また、

「ダメ!」「やめい!」「あかん!」「何してんの!」「さっき言ったやろ!」
などとと言ってしまう、否定的な指示語も、緊急を要する時以外は、やさしく、しっとりと、

「どうしたの?」

「こういう時は、△△すると、うまくいくと思うけど、どうかな?」

「そういう時は、先に△△してみるといいと思うけど、どう?」

というふうに、ダメの中身(どうしたらいいのか)を、具体的に伝えることで、子どもも素直に受け入れられます。ここぞ!という時の最後には「どうしたい?」と問いかけ、指示待ちではなく、自己決定させたいところです。


△できるだけ減らしたい教師の言葉(大声、どなり声、命令声)

×「他にない?」(直前の発言を切り捨てて、ハイハイ意見発表会になる)

×「わかった人?」(こう言われると、子どもは「わからない」と言えない)

×「できた人?」(できていない子が、プレッシャーであせってしまう。)

×「発表してください」(子ども同士で聴き合おうという意識が忘れられる)

×「正解です」(○×の結果だけに興味がいく。『つまずき』を大事にしたい)

×「静かにしなさい」(子どもが聴きたくなる語りかけを、まず工夫する)


◎もっと増やしたい教師の言葉(やわらかな声、大きくない声、ゆっくりした声)

「困っていることはないか?」(わかった人?できた人?より子どもはうれしい)

「まだ書き終わっていない人、手をあげて教えて」(「できた人?」より安心感)

「先生にも聴かせてほしいな」(子どもが発言しやすい聞き方です)

「みんなに聴いてほしいこと、ないかな?」(子どもも言いたくなる聞き方です)

「黒板が見えてない人はいないかな?」(黒板を見ていない子に見てほしい)

「グループで話し合って、気づいたこと、聴かせて」(班のまとめより個人の意見)

「わからない所は、隣の人に聞いてごらん」(「教えて」と言える子に育てたい)

「わかりにくかったら、周りの人と相談して」(聞かれたら親切に教える空気も)

「○○君の意見は、みんなが考えつかなかったね」(たとえ、的外れな発言でも)

「○○さんの言いたいのは、たぶん、こうかなと言える人、いるかな?」

「○○君の言いたいことの続きがうかんだ人、いるかな?」(←↑モゴモゴ発言の時)

このような言葉がけを心がけると、子どもの発言(つぶやき・うなずき・表情も)にも耳を傾ける(見逃さない)ことを、教師自身も大事にしようとするようになります。そうして、子どもと教師の相互作用(聴き合うこと)によって初めて、信頼関係(思いをわかってもらえる安堵感)がじわじわと深まっていきます。石の上にも3ヶ月・・・あきらめないで6月まで続けたら、徐々にですが、しっとりと落ち着いた、温かい空気(雰囲気)のクラスになっていくことでしょう。それは、担任のしなやかな温かさを、日々、子どもたちは目の当たりに体感することで、担任の真似をするからなのでしょうね。そういう意味では、担任が、子どもの声なき声に耳をすまし、「聞く」のではなく「聴く」ことで、「ぼく・わたしの気持ちはわかってもらえた」と感じた子どもは、担任の話を聴こうとするようになるでしょう。さらに、担任を見習って、友だちの声にも耳を傾ける子どもが増えていくのではないでしょうか。

どの学級にも個別支援を要する子が複数いるので、特別支援教育とは全学年・全学級で進める教育だと心がけておられる担任が多いと思います。まず、個別支援を認め合える(できる・できないで仲間を見ない寛容さのある)学級の仲間に育てることが、どの子の自尊感情も低くならない(自分をダメな子だと思わない)ことの分岐点ですので、温かさのあるお手本を教室で見せることが大事でしょう。この記事も、そういう意味を込めています。


関連ページ
安心感あふれる教室に変えるポイント①②③④
https://sg2takaboo.exblog.jp/24898386/


by takaboo-54p125 | 2015-02-07 05:15 | 保育・教育