「おばあちゃん先生が教える ほんものの子育て」福地トシ・著(角川SSC)【(0才児~5才児の暮らし】

「おばあちゃん先生が教える ほんものの子育て」福地トシ:井の頭保育園創設者(角川SSC)の中から、年令別の説明を紹介させてください。


0才児の暮らし
ひとくちに0才児クラスといっても、その月齢によって食事時間もお昼寝の時間も実にさまざまな「たまご組」の1日。明るく静かな保育室で、1人ひとりの生活リズムを大切に守りながら、おだやかに生活できるように心がけます。‥育児担当制をとり、毎日同じ保育士が同じ子どもを決まった順番で保育することで結びつきを強め、子ども1人ひとりの情緒の安定と大人への信頼をつくり上げていきます。                   遊びの面では‥自分の興味・関心にしたがって、世界をぐんぐん広げ、自分を形づくっていく時期ですね。‥大人とのスキンシップは、身体・心の両面の発達に欠かせないもの。大人が優しく語りかけ、簡単なわらべ歌を聞かせながら手足を動かしてあげると、とても喜びます。
睡眠も、子どもによって回数・時間ともに大きく差が出る部分ですね。‥その子に必要なぶんの睡眠が確保できるようにしていきます。(専用のサークルベッド)
食事面では、離乳のはじめから完了までを、保育士がていねいに進行させていきます。最初は昼食を3回に分ける3回食からスタートし、子どもの様子を見ながら2回食・1回食へと移行します。
トイレ・トレーニングも、随時始めていきますが、決してプレッシャーをかけないように、あくまでこれも子どもに合わせて進めていきます。遊びや離乳食、睡眠など、すべてに言えることですが、1人ひとりの成長に合わせ、少しずつ進めていくこと、その中で、規則正しい生活リズムを身につけさせることが、0才児保育の基本です。』


1才児の暮らし
0才児の頃よりは、ずっと起きている時間も長くなり、1日の流れがより明確に形づくられていくようになる「ひよこ組」の子ども。でも、食事やお昼寝に関しては、まだまだ個々の時差があります。自分とお友だちの違いがはっきりとわかるようになる時期です。(気が合う仲よしも)‥
遊びの面では、・・お互いに関わることはしない「平行遊び」が中心で、まだまだ自分が最優先。お友だちがやっている遊びを自分もまねしてやりたい、だけど待つことはできません。したがって、1才児のクラスでは、同じおもちゃをたくさん用意しています。「まねる」という行為からいろんなことを学ぶので、語りかけや、わらべ歌での手遊びなども、保育士がまずやってみせると、上手に自分からやれるようにもなってきます。
自分で歩けるようになるので、お散歩なども少人数で実施していきます。・・自然とふれあうことで、情緒をはぐくみ、知的好奇心を養うといった面でも、お散歩は大切ですね。
言葉も大きく進展する時期。・・こちらの言っていることをきちんと理解し、受けとめているかという認識面の発達がまず大事です。保育士が1人ひとりのようすを注意して観察し、正しく認識できているかを見ていきます。
食事は、だんだんと大人の介助なしに自分で食べるようになっていく年頃ですね。自分でコップを使って飲めることや、「自分でできる」ということが喜びにつながる時期です。この時に、「遊び食べ」などの傾向も見られるようになるので、集中して取り組み、15分ぐらいで食事を終わらせるよう、それとなく、うながしていくようにします。』


2才児の暮らし
本能にしたがって行動していた時代から、2才の「あひる組」になると、じょじょに自我や社会性が生まれてきます。思考力・集中力・認識力がぐっと高まり、1日の流れの中にも、集団としての規則性が出てきます。
大勢でいっしょに遊んだりすることはまだ難しいのですが、個々のお友だちのことも、よりいっそう意識するようになり、仲よしのお友だちと少人数のグループをつくって遊ぶようになってきます。・・「役割遊び」の最初の型が出てきます。・・(ごっこ)
また、遊びの中から、目的を持った課題にも集中して取り組むことができるようになります。ねん土や、お絵かき、お話を聞くことなども始めていきます。お散歩の時にも、交通ルールを教えたり、日常生活の中で「社会の一員」としての意識を高めていけるよう努めていきます。
手洗い・うがい・鼻かみなど、衛生面のしつけも今まで以上に力を入れ、自発的にやれるように、この時期にしっかりと身につけられる指導を心がけます。
自我や社会性がめばえ、自分の感情もはっきりと表現できるようになってくるので、おのずと子ども同士のケンカなどのトラブルが増えてきます。今まで自分が最優先だった子どもたちも、自分の思い通りにならないことに葛藤を覚え、多少のストレスを感じるようになります。
しかし、そうした中で、物事にはルールがあること、相手を尊重することを学んでいきます。子どもの変化に大人のほうが動揺することなく、大きな気持ちで見守っていくことが大切です。』


3才児の暮らし
朝は、みんなが登園するまで、好きなおもちゃを使って、お友だちと自由に遊びます。‥ままごとや、ごっこ遊びは、2才の頃の遊びに比べると、自然と手のこんだ設定になっていきます。
仲間が全員そろったら、クラスごとの保育になります。担任が、遊びの雰囲気や流れを見ながら、、わらべ歌や体操などをする場合も。・・食事の前には外遊びの時間。身体を使った活発な遊びをします。食事、お昼寝の後には、引き続き、室内や外で遊びます。他の子どもが使っているおもちゃを借りたい時は「貸して」、遊びに入りたい時は「入れて」など、ひと言、声をかけてから、というような集団のルールも身についてきます。』


4才児の暮らし
年中さんになって、初めて「年下と接する」という経験をします。家庭では、末っ子だったり、1人っ子だったりする子は、とりわけ熱心に年少さんの面倒を見てくれます。自我が確立される年頃でもあり、人の役に立つことにも喜びを感じるようになります。給食の配膳のお手伝いなども、率先して協力してくれるようになります。
空想力、想像力など情緒面の発達が著しいのも、この時期の特徴です。お話を聞いた後、絵に描いて表現することもできるようになります。自分たちでルールを決めて、それを守りながら遊ぶなど、急成長を感じさせるのが、4才児です。
身体的な成長では、平衡感覚を自分でコントロールする力がついてきます。体育でも複雑な動きに挑戦し、組織立った動きにも慣れて、保育士の指示にそって、スムーズに運動できるようになります。』


5才児の暮らし
5才は最年長。リーダーシップを発揮したり、お手伝いも責任を持って取り組んでくれるようになります。それまでは、自分が乗り気になれないことには参加しなかった子でも、周囲に合わせて参加するといった協調性も出てきます。
善悪の判断がつけられるようになるので、「ゴミは分けて捨てる」「バスや電車の中では騒がない」という社会的なマナーに関しても、頭ごなしに言うのではなく、内容を理解させた上で、身につけるよう、指導していきます。
みんなでいっせいに、1つのことに取り組めるようになるので、小学校への就学準備も兼ねて、他のクラスと合同で、年長児だけで体操やわらべ歌をするようになります。5才児になると、「強くなりたい」「競争したい」という気持ちが育ちますから、その欲求を満たすためにも、年長児だけの活動は必要になるのです。』


以上、井の頭保育園における、0~5才児までの暮らしの紹介でした。


他にも、「否定的な話し方をやめよう」ということで、
「落としちゃダメよ」と言うより、
大事に持とうね」と声をかけたり、
「おもちゃを出しっぱなしにしちゃダメじゃない!」としかるのではなく、
おもちゃをしまったら、お部屋が広く使えるよ」とうながすことを、オススメしておられました。


また、「ケンカはダメ」「横取りはダメ」と、大人が一方的に注意すると、子どもが覚えるのはガマンだけになるので、
さっきはゴメンね、って言って仲間に入れてもらおう
横取りせずに『終わったら貸してね』って言えばよかった」といった解決法を自分で見つけ出し、自分の感情をコントロールして、人と関わっていけるように、保育士や親が、共感的に受けとめ支援することの大切さも説いておられました。みなさん、本書を直接読まれることをオススメします。


最後になりますが、全て子どもには個人差がありますから、わが子が、書いてあるとおりの姿じゃないからと言って、動揺したり、落ち込んだり、あせったりしてはいけませんよ。そうなると、指示・命令が増えてしまいます。どうか、ゆったりと笑顔で話しかけ聞いてあげましょう。そうすると、子どもの内なる力が、じわじわと芽生え、やがては花を開き、実をつける時が、きっと来ますから。


by takaboo-54p125 | 2014-12-27 05:14 | 育児・子育て