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問題行動を起こした子が「気づく=行動で表す」支援で、悪者のレッテル貼り(他人事のふり)のない教室に

問題行動(暴力・暴言)が起こったら、

まず、直後なら、

「しちゃいけないこと」

という事実だけを伝え、落ち着くのを待ちます。

落ち着いたら、「どうしたの?」

その子の失敗ととらえ、

その子が失敗から立ち直るために、

その子がしたこと、言ったことを聞きます。

何をしたのが失敗だったか、

なぜしちゃいけなかったかに、

その子が気づき、反省はしてほしい、

相手がいるなら心からわびてほしい、

しかし、大きな心の傷として残らぬよう、

その子を支え、助けるために聞くのです。

その子を袋小路に追いつめるのではありません。

「こういうことが、くやしかったのかな?」

と、その子なりの理由を代弁してあげるのもいいでしょう。

先生は、ぼく(わたし)の気持ちはわかってくれはった、と感じてほしいからです。

聴き取り方はどうしましょう?

例えば、

「昼休みのことを教えて」

→(やりとりがあって)→

「その時、ちょっとまずかったなと思うことはないか?」

圧迫感のある対面座りより、

並んで座る方がしゃべりやすいかも知れません。

なかなか言えない時は、

こちらの情報(周囲で見ていた子らからの情報)を少しずつ出して、

事実かどうかを確認しながら、

言いやすくしてあげます。

ただし、もし、言いわけ(責任転嫁)をした時に、こちらがうなずくと、

先生に許してもらえた、という誤解を与えるので、こちらも気をつけます。

ほぼ正しい事実を言ってくれたら、

「どこが悪かったと思う?」

「今、どんな気持ち?」

と、やっぱり問いたいですね。そして、言います。

「先生は、きみが正直に言ってくれたことがうれしい。」

しかり方はどうしましょう?

でも、やってしまった事実については、

「これから、あなたのしたことをしかりますよ」

と宣言してから、しかります。

子どもの「お遊びモード」を「しかられモード」に切り替えます。

「これをしたこと(言ったこと)は、すごく残念で、かなしいな」

と、しかります。

大声で怒鳴らないけど、本気でしかります。

その子のことを思って、本気でしかります。

ただし、

「悪い子やな」

「君はダメやな」

「はずかしくないのか」

と、人格をなじったり、けなしたり、とがめたりするのではありません。

先生の怒りの感情を「その子」にぶつけることは、「しかる」とは言いません。

前向きな支援はどうしましょう?

「この失敗をどう取り返すか、一緒に考えような」(1歩目に気づく)

「これからどうすれば充実した学校生活が過ごせるか、一緒に考えような」(目標に気づく)

と言えるところまで、たどり着きたいものです。

沈黙が長引きそうなら、プラスイメージのメモ(選択肢)を書いて渡すのもいいでしょう。

その子が心底わびること(傷ついた相手の子の気持ち)の気づいたら、

「どうしたい?」

と問いかけます。その後は、

「一人でできるか?」

「どんなことを助けてほしい?」

「先生にも、一緒に行ってほしいか?」

などと、ケース・バイ・ケースでしょうか。

また、もしも、クラス全体への事後指導で、クラス目標を掲げるのなら、例えば、

「勝手に友だちの物を取らない」

のような否定形ではなく、

「友だちの物を借りる時は、友だちに使っていいかを聞く」

のように前向きなクラス目標のほうが、望ましいと言えるでしょう。

基本的に、みんなのいない所で、以上のやりとりをして、目標に向けての支援に入ります。

しかし、どうしても、みんなのいる所で、しからなければならない場合は、

「A君、きみのことが大切だし、きみが自分を大事にしてほしいから、しかるよ」

「みんな聞いて。Bさん、1人に言ってるのじゃないで。全員に言っているんだよ」

と、人ごとだから自分には関係ない、という空気にならないようにします。

クラスに1人の「悪者」がいるという、「レッテル貼り」をしないためです。

クラスみんなが考えなくちゃいけないことだと、どの子にも感じてほしいからです。傍観者だった子には、自分にも関係あるんだと感じてほしいからです。そうして、「他人事」という空気・雰囲気を一掃して「仲間づくり」にもつなげます(決して、連帯責任のムードをつくるのではありません)。

こうして、クラスに前向きな雰囲気をかもし出すことを意識しながら、子ども同士の安心・信頼・きずなを取り戻すことに目を向けたいものです。「言うは易し、行うは難し。千里の道も一歩から」になりますが、

「子どもの声(つぶやき、気持ち)を聴こうとする教師の元でしか、教師の話を聴く子どもは育たない」

ということだけは、授業中でも、生活場面でも、肝に銘じたいですね。

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by takaboo-54p125 | 2014-08-23 05:00 | 保育・教育