マーサ・G・ウェルチ医学博士(アメリカ)の「抱きしめ療法」は、育児のやり直しの出発点です

田口恒夫:お茶の水女子大学名誉教授の著書「子どもの心と言葉(コミュニケーション力)を育てる本」サブタイトル:安心感のタンクをいっぱいに満たす子育て(リヨン社)を読んで、いいな!と思ったことを紹介させてください。


それは、アメリカのマーサ・G・ウェルチ医学博士の「抱きしめ療法」です。私も、知的障害の二男が、自閉的な傾向があると言われていた6才の時に、初めて親子で体験させてもらった方法でした。当時、もっと小さな年令の時に出会いたかった方法だと、つくづく思いました。


本書の156~158ページに、次のように書いてありました。(本書を直接読まれることをオススメします)


『どんな人でも、つねに心が平安というわけにはいきません。(中略)うち沈んだり、絶望したりすると、心を閉ざします。


そんな自閉的な傾向が見られるなと思ったときに効果的なのが、米国のマーサ・G・ウェルチという精神科の医学博士の「抱きしめ療法」。言語障害児の治療にも導入した方法で、母親と子どもの両方の心のカベをとり除き、母子の絆をつくりだすことによって、自閉的な状況から脱出させるものです。


自閉症や言語障害だけでなく、子どもが最近ふさぎがちだったり、不登校だったり、イジメられているなと思ったら、ワケを問いただすよりもまず、抱きしめることをおすすめします。(中略)やり方はすこぶる簡単。必要なのは時間と、やろうという決意だけです。


お母さんはやわらかいソファーなどに腰かけ、子どもをお母さんのひざにまたがらせ、向かいあう形で抱いてあげるんです。(159ページにイラスト)。子どもの両手はお母さんの両脇で押さえ、しっかり抱きしめます。両手で子どもの頭を支えて、目を合わせてもいいです。ただし、にらみあいではありませんので、お母さんの目は三角ではなく、柔和でなくてはいけません。お父さんがいるなら協力してもらいましょう。お母さんの横に座って、両腕でお母さんを抱擁してもらいます。これだけ。


これを、子どもが抵抗してもそのまま最低1時間続け、けっして途中でやめないことです。最後まで抵抗していても、怒ったりしないで、1日1回、毎日続けているうちに、子どもは抵抗しないで抱かれるままになってきます。表情が変わってきます。いい顔になってきます。子どもが荒れたり、怒ったときに随時おこなってみてください。


はじめのうちは、1時間もやっているのがアホらしくなったり、空しくなったりするかも知れませんが、次第に楽しいものになってきます。子どもが反応し始めるからです。(後略)』


当時、わが子は6才でしたので、30分が精一杯で、親も子も汗びっしょりになりました。


でも、「抱きしめ療法」を信じて続けたおかげで、抱っこされる時にいやがらず、脱力できるようになったので驚きました。20才になった今、少しは心を通い合わせることができるようになりました(心配してくれたり)。自分の言いたいことも、二単語文ぐらいですが、懸命に伝えようとしてくれます。親の言うことも、かなりわかってくれるようになり、コミュニケーションらしき関わりの扉が開いたのは、「抱きしめ療法」のおかげだと感謝しております。


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by takaboo-54p125 | 2014-05-24 05:11 | 育児・子育て