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いじめが起こりにくい教室の空気・雰囲気づくりを進める具体的な手立て

子どもたちと向き合う時、はずせない担任の基本線


私たち教師は、よく次のような言い方を、ついつい子どもたちにしてしまいます。
「しっかりしなさい」「ちゃんとしなさい」
などです。子どもたちには、イメージしにくい言葉なのです。年令が小さいほど、どうしていいかわからない、あいまいな言葉だと言えます。ですから、大声で、
「しっかりして」「ちゃんとして」「うるさい」「まだか」「はやく」「おそい」
などと、どなるより『できて当然のこと』でも(今の時代には、↓これらが必要)


みんな、すわろうね・・・おっ、昨日より早くすわれたね
教科書の何ページを開けてね・・うん、開けたね。エライ
シーッ!お話するのをやめようね・・静かになった。うれしいな
A君のお話を聞いてあげよ・・聞いてもらえるとうれしいね
Bさんの意見、聞いてあげよ・・◎◎さんの気持ちわかるよね
先生のお話を聞いてね・・聞いてくれてありがとうね
みんな2列に並んでね・・すごく早く並べた。気持ちいいな」(いずれも笑顔で)
と、その場面に応じて、子どもにしてほしい具体的な言い方で、子どもたちがイメージしやすいように伝えてあげましょう。もちろん、子どもたちが受けとめてくれたら、必ず目を見て具体的にほめることも忘れてはいけませんよね。(継続すると、しかる〔注意する〕回数が徐々に減ります)
教師が笑顔でいると教室に「安心できる空気」「心地よい雰囲気」を広げます。それは即、子どもに伝わります。(楽しい空気は伝染するのです)


また、
「ダメ!」「やめい!」「あかん!」「何してんの!」「さっき言ったやろ!」
などと言ってしまう、否定的な指示語も、緊急時以外は、やさしく、しっとりと、
どうしたん?」
こういう時は、△△すると、うまくいくと思うけど、どう思う?
そういう時は、先に△△してみるといいと思うけど、どうしたい?
というふうに、ダメの中身を、具体的に伝えるほうが、失敗した子どもも素直に受け入れやすい言葉がけです。


▲授業中、できるだけ減らしたい教師の言葉(大声、どなり声、命令する声)
「こらっ!」「静かに!」「わかった人?」「できた人?」「他にない?」「発表して」


◎授業中、できるだけ増やしたい教師の言葉(やわらかな、大きくない、ゆっくりした声)

困っていることはないか?」(できた人?と聞くより、苦手な子どもも安心できます)
先生にも聴かせてほしいな」(わかった人?と聞くより、自信のない子どもが発言しやすい聞き方)
みんなに聴いてほしいこと、ないか?」(子どもが言いたくなる聞き方です)
グループで話し合って、気づいたこと、聴かせて」(班のまとめより、個人の気づきを聴きましょう)
わからない所は、隣の人に聞いてごらん」(困ったら遠慮せず「教えて」と言える子に育てたいので)
わかりにくかったら、周りの人と相談して」(聞かれたら気軽に教えてあげる教室の空気もつくりたい)
A君の意見は、みんなが考えつかなかったものやね」(たとえ的外れな発言でも決して切り捨てない)
Bさんの言いたいのは、たぶんこうだと言える人、いるかな?」(発言につまった時は助け船を)
C君の言いたいことの続きがうかんだ人、いるかな?」(うまく言えず、モゴモゴ発言の時も同様)


子どもたちの表情が生き生きしている学校の共通点


教師主導の一斉授業から見えてきた姿聞く耳を持たない教師)】


×教え込もうとする気持ちが強く、子どもの声を大切にしない姿。
×自分の意図する子どもの発言にばかり、すぐに飛びつく教師の姿。
×指導案どおりに進めようと、子どもの疑問やつぶやきを切り捨てる教師の姿。


【教師が子どもの話を聞けるようになると、教師の話を聞ける子どもが育つ】


各教室で、各担任が、これまでの習慣「ハンドサイン」「聞く態度・聞く姿勢」「声の大きさ1,2,3」という形式的な指導をやめて、「聴き合う学び」を導入するにつれて、子どもたちも安心して学ぶ姿へ変容していきます。


学校ぐるみで、全教師が意識的に取り組んでおられました


◎子どもを「こらっ」と怒鳴って統制しない。(どの教師の声も柔らかさを)
◎「わかった人?」「できた人?」を言わずに「困っていることはないか?」。
◎子どもにも「わからへん」「ここ、どうするの?」と周囲の子に聞く習慣を。
◎グループ学習を取り入れ、聴き合う活動を大切に。(最大4人男女混合班)
◎教室に「聴き合う空気感」を生み出すために、教師が促す言葉がけを続ける。
◎どの教師も「無理、ダメ、できない」というマイナス思考発言を連発しない。
◎授業中は、子どもと子どもの「つながり」「交わり」「戻し」の役割に徹する。
◎どのクラスも、朝読書を取り入れている。(もちろん中学校でも高校でも)
◎担任全員が年1回は授業公開をし、各自が学んだことを1人1発言以上。
◎机間支援ではヘルプシーキング(支援行動)をする。(ひざも汚れるはずです。机間巡視は戦前・戦時中、机間指導は昭和の言葉だと気づきましょう)
◎話し合う時は教室の机の配置はコの字型にする。(発言する子の表情を見られるように。ただし、全校で取り組むと効果はありますが、1学級だけでは期待するほどの効果はない)


聴くこと「日常の中で子ども・教師が意識したいこと」を大事に


◎まず、教師が1人ひとりの子どもの声に、いつも耳をすます。
◎ていねいに聴く(急がない。矢継ぎ早に指名しない。意見に飛びつかない)
◎どの子のどんな発言も大切に受けとめる。
◎小さなつぶやき、予想外の発言にもしっかり耳を傾ける大切さに気づく。
◎子どもの「まちがい」や「わからない」ということを出発点にする。
◎多様な意見から、大事な「つながり」を見つけ出す。
◎互いの意見の共通点・相違点から、何らかの「気づき」を発見しようとする。
◎意欲を持続させようとする工夫をする。(4人で相談 ペアでも 音読を多く)
◎いつでも誰かが話を聴いてくれるという、教室の雰囲気(空気感)をつくる。
◎教師自身がテンションを上げすぎず、静かに聴くお手本を見せる。
◎話し合いだけが学び合いではなく、「教え合い」は「学び合い」ではないこと。
◎生活の全てが、「学び合い」であるという認識に立った支援・指導を心がける。


聴くこと「授業の中で特に教師が気をつけること」を大事に


◎話し合う場面で教師も子どもと同じ目線で話が聴けるよう、いすに座る。
◎板書・不必要なリボイスで子ども同士のつながりを切ることあり(要注意)
◎用意した意見を言い合う時間より、聴き合いながら話し合う時間を増やす。
◎「学ぶ」謙虚な気持ちで、教師自身も1人ひとりを尊重することを忘れない。
◎自分で発言する喜びよりも、聴く喜びを感じさせ、自然な対話活動が生まれるように、友だちに向かって静かにゆっくり話すようにさせる。


子どもの学びをさまたげてしまう教師の言葉
(過敏な子は耳をふさぎ落ち着いて座っていられなくなり、挙手した子から
「ちぇっ」「先に言われてしまった」
と言われる、そんな「ハイハイ発言」を増やしてしまう教師の言葉です。それは、子ども同士の発言をつながないから、言いっぱなしになってしまい、聴き合うことができにくくなり、結果として伝え合う関係づくりができなくなります。こうして、いじめの起きやすい温床が生まれることにつながるのです)


×「他にない?」(直前の発言を切り捨て、羅列の意見発表会にしてしまう)
×「なぜ」「どうして」(国語では理屈っぽくなり、本文を読み味わえなくなる)
×「わかった人?」(こう言われると、子どもは「わからない」と言えなくなる)
×「さん、はい」(一斉にそろえることを指示→個々のリズムを大切にしよう)
×「発表してください」(聴くことが忘れられる→聴き合おうと意識させたい)


以上は、他県の小学校でいただいた資料を元にしていますが、保幼や中高養でも、充分活用できる内容ですし、応用して採り入れている学校・園もあります。
かつて、私は恥ずかしながら、すぐ「他にない?」「わかった人」「できた人」「発表して」と言っていました。(反省です) まず【子どもの声に耳を傾ける】姿勢でいたいと、つくづく我が身を省みております。
教師に聴いてもらえる心地よさ】を体感した子どもは、きっと教師の話も聴いてくれることでしょう。


忘れてはならないのは、授業づくりを核にした学校づくりに成功している所は、必ず最初は、いじめ問題や人間関係のトラブルを解決するため、授業づくりを通して、子どもが互いにケアし合い学び合える温かい集団に育てていくという共通目標の元で、協同的な学びの取り組みを始めておられます。そして、聴くことを大事にしながら「荒れ」「くずれ」「いじめ」を克服した結果、後から「学力向上」もついて来た、という学校がほとんどなのです。職員室でも、研究会でも、子どもの固有名詞が自然に飛び交います。当然、報告連絡相談をする空気にあふれた教師集団になり、教師の個性が発揮された授業が展開される学校にもなります。


逆に、学校に組織力(報告連絡相談をする空気)がない場合、子どもの要求で余計な物を持参OKすることが、物わかりのいい担任だと自分勝手な判断をする教師や、引き継ぎ・申し合わせを無視した自己流で、担任以外の指導が入らない学級王国づくりをしてしまう教師が出現してしまいます。いずれも教師の個性を発揮することを完ぺきに勘違いし、周囲のクラス・学年は大混乱になります。


こうして、私なりに得心したことをふり返ってみると、組織力のある学校の先生方がチャレンジされていることは、小手先の授業のノウハウやマニュアルではなく、子どもたちの声に耳をすましながら、「子どもたちとの信頼関係を授業の中で構築しよう」とされているのではないか、ということでした。
聴き合う関係づくり」によってこそ実現する「対話し合えるコミュニケーション力の育成」であるとも言えます。そして、教師と子どもの間に生まれた信頼関係は、授業(教室)の空気として、「子ども同士の信頼関係」をも、引き出していくのだ、ということがひしひしと伝わってきました。


気になる子こそ「頼り」にして、自尊感情を高めよう


☆子ども一人ひとりの自尊感情・自己肯定感・自己評価を高めるかかわり方を大切にしましょう。
あなたがこの教室にいてくれてうれしいよ
きみが今日、来てくれたことがうれしいで
をベースにして、日々、子どもが自分は大事な存在だと思ってもらっているんだと感じられるようなメッセージを語ることを、毎日くり返します。


☆スモールステップを与えて、ほめることを意識的に取り組みましょう。
「○○を手伝って」「○○をしてごらん」「○○をやってみようよ」→
やりきらせる→「助かったわぁ」「すごいやん」「よくやったね」

の積み重ねによって、子どもの中に、自信と意欲が芽生えてきます。


☆その子が本来持っている力を出したくなるような工夫をしましょう。
・朝の出会いを大切に。笑顔ですてきな「おはよう」を。
・子どもと共に掃除・昼食・遊びをしながら、気軽な世間話を。
・教師の失敗談・ズッコケ経験話を明るく語ってあげよう。
・子どもと共に野菜や花を育てる活動を、毎日少しずつ楽しもう。
・気になる子にこそ、何かを頼んで、必ず「ありがとう」をその都度言おう。
・帰りの会、日記の返事、連絡帳、電話、退勤時のちょこっと訪宅などで、その日、その子のキラリと光る姿を、本人や保護者へ、具体的に伝える労力を惜しまない。
足を運べば誠意が伝わる。電話で済ませば誤解が伝わる


「聴き合い伝え合う力」を育てるためには


私が尊敬する園長先生が、幼児期に培っておきたい力として「コミュニケーション能力が育つ」ことについて、次のように述べておられます。
『子どもを本当に好きになれる先生になりたいと、日々子どもから学ぼうとする体験を積んでいる先生ならば、子どもへの言葉がけの質がちがいます。そうすると、園の子どもは、先生から本当の「やさしさ」を感じます。「自分をちゃんと受け入れてくれる!」そんな安心感があるからこそ、「友だちをちゃんと受け入れられる」という高いコミュニケーション能力が、育っていきます。
☆先生に信じてもらえるからこそ、自分を信じることができる。
☆先生に好きになってもらえるからこそ、自分を好きになることができる。
☆自分を大切にすることができるからこそ、友だちを大切にすることができる。

このテーマで、常に子どもの姿を話し合い、園の先生方に実践してもらっています。』と。これは、学校でも同じであるはずです。


☆子どもたちの「ひとみ」が輝くような、活動の導入をひと工夫しましょう。
今日はね、こんなことをやるよ」と表情豊かに語りかけます。
A君、教科書とノート開けてね」→「早いやん」
「Bさん、こっち見てね」→「うれしいな」

と、普通できそうなことでも、ほめ言葉をかけながらです。(石の上にも3ヶ月)
考えさせたい所は、意識的に間(ま)をとります。(笑顔で待つのも教育)


☆子ども個々の、その時その時の気持ちを、まず受けとめることから、かかわることを、基本としましょう。
「○○がくやしかったんやね」「○○がつらかったんやね」
と教師が代わりに言ってくれ、自分の気持ちをわかってもらえたと感じた時、子どもは、そんな教師の語りかけには、耳をかたむけるようになります。思いを聞いてくれない先生の話を、子どもが聞くはずありません。


☆自分も人も大切にするための最小限のルールは、そのつど、伝えましょう。
「ここまではOK」「これ以上はダメ」という、ぶれない一貫した姿勢を、その子には、
きみが大切だから言うよ」「自分を大事にしてほしいから言うよ
A君一人に言っているんじゃない。きみたち全員に言っているんだよ
と、周囲のみんなにも、言いそえながら伝えて、自分は関係ないという空気をなくし、教室の仲間意識を高めます(連帯責任ではなく、温かい教室の雰囲気づくり)。


☆何故この子はこんな言動をするのだろう、何がこの子をそうさせるのだろうということを語り合い、今のこの子をどう観るのかを保育士・教師集団で共有しながら関わりましょう。子どもの課題を、担任一人で抱え込んで悩まないことです。もっと同僚(同じ職場の仲間)を頼りにする勇気を持ちましょう。


☆「失敗は成功の元」を、クラスみんなに共有させましょう。
失敗(手をあげて、指名されたのに、言えなかった)しても、
えらいね」とほめ、
緊張するもんなぁ」と、その子の気持ちに共感し、
なぁ、みんな」とクラスのみんなにも声をかけます。


もはや、時代遅れの化石となってしまった、不信を生むだけの古い生徒指導(校則・規律重視、共感・自主性軽視)の例をいくつか挙げてみます。
×「生徒に生徒を見張らせる生活点検(生徒の人間関係をズタズタに)

×点検の点数化による班・クラス評価(連帯責任?江戸時代じゃないのに五人組?)

×指導という名の威圧的支配(圧力をかけ続けられた子どもの2極化)

×子どもを怒鳴って統制する授業の導入(高飛車で上から目線だと、学びを拒否する子を増やす)

×生徒にベル着させても自分は平気で遅れてくる教師(教師自らが謙虚さのお手本を)

×校則を改正する気のない教師集団(生徒と共に学校づくりをしてほしい)

×問答無用の抜き打ち検査(そこには生徒と教師の信頼は生まれない)」

などを、キッパリと捨て去っている学校は荒れてなく、各教室の子どもたちの表情にも、温かい安心感が広がっていました。


こういう古い生徒指導にしがみついていると、教室が、学校が、子どもたちにとって、ストレスを受けまくる場になってしまいます。そういう現実に、みなさんの学校では、何人の同僚が気づいていますか?ご自身が気づいておられないなら、子どもたちの表情から何か感じませんか?あれっと思ったら、まず、「どうしたんや?」「困っていることはないんか?」 と言葉をかけ、子どもの声に耳を傾けてみることをオススメします。私たち教師の、子どもの人権をいとおしむ人間力(体をはって子どもを守る気概)が問われています。そこでは、正しいことを伝える一方通行では、信頼関係はつくれないと言えるでしょう。さあ、ギスギスした空気を温かな安心できる空気に変えるための、勇気ある「始めの1歩」を踏み出すために、職場で仲間を3人集めて、協同実践・共同提案してみてはどうでしょうか。(ほんまは、全教師が一致結束して始めることが大事)


例えば、子どもたちを絵本の読み聞かせに集中させたかったら、
「みんな、(絵本が)見えるか?」と聞くのではなく、 
「(絵本が)見えてへん子は、いないかな?」 
と聞くだけで、子どもの反応がちがう(みんなが絵本のほうを見てくれる)と、保育のスペシャリストの方がテレビ番組で言っておられましたが、子どもに何を問いかけるか、という点で、私も同感です。


まずは、次の2つの☆について、自分をふり返ってみませんか。教師の基本に戻るという意味で・・。


☆子どもを『ほめる』ということは、子どもを評価するということではありません。子どものがんばり、成長を見つけて、教師の喜びを伝えていくということです。

                                   
☆子どもを『しかる』ということは、子どもに腹を立てるということではありません。子どもが、自分も他人も大切にできるように、1つずつ、教えていくということです。


以上、「荒れ」「くずれ」「いじめ」をなくすためのベースは、学校ぐるみ(全クラス)で授業そのものに発想の転換をはかることしかなく、その事例を集めてみました。問題行動への個別対応だけでは、「荒れ」「くずれ」「いじめ」が起こりやすい教室の空気・ムードを変えることは、なかなかできないからです。出発点、子どもの声・つぶやきに耳をすまし、耳を傾け、最後まで聴くことを、全教師が心がけましょう。


具体策(じゃあ明日から、来週から、来学期から、何から始めたらいいのか)の関連ページ


あったかいクラスの空気をつくる【担任の具体的な役割4月~3月】

http://sg2takaboo.exblog.jp/24898387/


安心感あふれる教室に変えるポイント①②③④

http://sg2takaboo.exblog.jp/24898386/




by takaboo-54p125 | 2013-11-23 05:47 | 保育・教育