2013年 10月 19日
子どもの心に伝わる教師の言葉(子どもと向き合う基本ライン)
私たち私たち教師は、よく次のような言い方を、ついつい、子どもたちにしてしまいます。
「しっかりしなさい」 「ちゃんとしなさい」
などです。子どもたちには、イメージしにくい言葉なのです。年令が小さいほど、どうしていいかわからない、あいまいな言葉だと言えます。ですから、大声で、「しっかりして」「ちゃんとして」「うるさい」「まだか」「はやく」「おそい」などと、どなるより『できて当然のこと』でも(今の時代の子どもには、↓これらが必要なのです)
「みんな、すわろうね・・・おっ、早くすわれたね。かしこいなぁ」(笑顔で)
「教科書の何ページを開けてね・・・うん、開けたね。エライ」(笑顔で)
「シーッ!お話するのをやめようね・・・静かになったね。うれしいな」(笑顔で)
「◎◎君のお話を聞いてあげよ・・・こんなに聞いてもらえるとうれしいね」(笑顔で)
「◎◎さんの意見、聞いてあげよ・・・◎◎さんの気持ちわかってきたね」(笑顔で)
「先生のお話を聞いてね・・・聞いてくれてありがとうね」(笑顔で)
「みんな2列に並んでね・・・すごく早く並べたねぇ。気持ちいいな」(笑顔で)
と、その場面に応じて、子どもにしてほしい具体的な言い方で、子どもたちがイメージしやすいように伝えてあげましょう。もちろん、子どもたちが受けとめてくれたら、必ず目を見て具体的にほめることも忘れてはいけませんよね。(継続すると、しかる〔注意する〕回数が徐々に減ります)
教師が笑顔でいると教室に「楽しい空気」「心地よい雰囲気」を広げます。それは即、子どもに伝わります。(楽しさは伝染するのです)
また、
「ダメ!」「やめい!」「あかん!」「何してんの!」「さっき言ったやろ!」などと言ってしまう、否定的な指示語も、緊急を要する時以外は、やさしく、しっとりと、
「どうしたん?」
「こういう時は、△△すると、うまくいくよ」
「そういう時は、先に△△してみようね」
というふうに、ダメの中身を、具体的に伝えるほうが、子どもも素直に受け入れやすい言葉がけです。
△できるだけ減らしたい教師の言葉(いつも大声、いつも怒鳴り声、いつも命令する声)
「こらっ!」「静かに!」「わかった人?」「できた人?」「他にない?」「発表して」
◎できるだけ増やしたい教師の言葉(やわらかな声、大きすぎない声、ゆっくりした声)
「困っていることはないか?」(わかった人?できた人?より、子どもは聞いてもらえてうれしいし、安心して言える空気が生まれます)
「先生にも聴かせてほしいな」(子どもが発言しやすい聞き方です)
「みんなに聴いてほしいこと、ないか?」(子どもも言いたくなる聞き方です)
「グループで話し合って、気づいたこと、聴かせて」(班のまとめより、個人の気づきを聴きましょう)
「わからない所は、隣の人に聞いてごらん」(困ったら遠慮せず「教えて」と言える教室・子どもに育てたいので)
「わかりにくかったら、周りの人と相談して」(聞かれたら気軽に教えてあげる教室の空気もつくりたいので)
「○○君の意見は、みんなが考えつかなかったものやね」(たとえ的外れな発言でも)
「○○さんの言いたいのは、たぶんこうだと言える人、いるかな?」(発言につまった時に)
「○○君の言いたいことの続きがうかんだ人、いるかな?」(モゴモゴ発言の時に)
あれこれ書きましたが、基本は、気になる子どもがいたら、「どうしたの?」と声をかけ、気持ちを聞いてあげてから、最後は「どうしたい?」と問いかけることを、日々、意識したいものです。教師に共感してもらえたところで、じゃあ、自分はどうしたいのかを、子ども自身が考えて自己決定できるようになってほしいからです。自立へ向けて自ら行動に移せるよう、その子の自立度に応じて支援「先生に助けてほしいことはないか?手伝ってほしいことはないか?一緒にしてほしいことはないか?」をしてあげるのが、教師の大事な役割ではないでしょうか。支援してほしい内容を決める主体も、子どもだということを忘れずに!
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