鳥取市立高草中学校の先生方、ありがとうございました【鳥取と福岡から学ぶこと「こんな大人になりたい」】

2013年8月20日(火)は、鳥取市立高草中学校の校内研修会に呼んでもらいました。朝7時に家を出発・・JRびわこ線で京都まで出ました。京都からは、特急「スーパーはくと」に乗り、大阪・兵庫・岡山を経て、鳥取駅に着きました。


校長先生がじきじきに出迎えてくださいました。鳥取駅から約10分で学校に到着しました。校舎内に足を1歩踏み入れると、学校だよりが置いてあり、来訪者が誰でも手に取ることができるようになっていました。玄関も廊下も、よく手入れされていて、学舎を大切にする生徒たちの学校だということが、ひしひしと伝わってきました。校舎内のあちらこちらには、生徒たちが書いたポスターや、活動の写真や、生徒たちのがんばりが伝わってくる文章などが、さり気なく掲示されていました。これらを見ただけで、生徒たちと先生方の間に、あったかい空気が流れていることを感じました。校長室に入ると、校長先生の著書「100マス作文入門」をいただきました。つまり、校長先生は、100マス作文の提唱者である三谷祐児先生だったのです。


先生方が組織的に連動しながら、授業で学級づくり・学校づくりを推進されている高草中学校ですから、私が準備した資料などは、先生方がとっくに実践されているような雰囲気で、お恥ずかしく、今回は企業秘密^^ということにさせてください。しかも、私の悪い癖が出てしまい、ついつい語ってしまいました。もっと、先生方に問いかける話し方を心がけるべきだったと反省しております。それより、学校だよりに載っていた「ちょっといい話」を紹介させてください。


【ちょっといい話】


大正体育館のトイレがとても悲しい汚れ方をしていたそうです。それを目の当たりにしたバレー部のみんなは、練習を後回しにして先ずトイレ掃除に取り組んだそうです。少し遅れてきた顧問の先生は、練習が進んでいない状況を見て一喝を入れようとしたそうですが、わけを聞いて涙が出そうになるくらい感動したそうです。それからすぐにあった県大会でバレー部は2位という成績をあげました。トイレの神様っているんですよね。


沖縄からの帰りの飛行機は結構揺れて怖くなったとき、目のあったCAさんが口パクで「大丈夫、大丈夫。」と笑顔で言ってくれて安心しました。降りる前に、友だちと二人でそのCAさんにお礼の手紙を書いて渡しました。(3年女子Tさん)


【とってもいい話よき種をまいてくれました】


女子バトミントン会場でのことです。他校の先生がコートを片付けていたら、本校の生徒がさっとやってきて片づけを手伝ったそうです。しかも隣の決勝の試合を気遣い静かに丁寧にやってくれたそうです。その先生は「言われないとできない、言われてもできない人が多い中、高草中生徒の動きに感心しました」と有り難いお手紙をいただきました。また、女子バレー部はトイレのスリッパを丁寧に整頓したそうで、産業体育館の館長さんや清掃員の方にとても感謝されたそうです。ありがとう!


どちらも、なかなかできることではないステキなエピソードです。実は、私のブログを読んでくださった、高草中学校の三谷校長先生からEメールをいただいた時、今回のお誘いをお受けしようと思ったのは、理由があります。それは、H23(2011)年1月のブログに、新聞で紹介されていた鳥取県のみなさんのあったかさを書いたからです。あんなにあったかい県民がいらっしゃる鳥取県を、一度訪れてみたかったというのが、正直なところでした。そのブログとは、次のような内容でした。


【鳥取県琴浦町:新聞の1面が「ぬくもりのある記事」って、うれしいですね(2011年1月12日ブログ)


1月9日(日)朝日新聞1面「大雪ぬくもり国道 動けぬ車 手のひらいっぱいのもてなし」の記事を概略だけ紹介します。(  )は私なりの補足です。


『元日の朝。‥鳥取県琴浦町‥(看板屋さん)大みそかから降り続いた雪は、もう腰の高さまで積もっていた。‥米子市‥89cmの積雪‥トントントン。‥女性が真っ青な顔で立っていた。「すみませんが、トイレを貸してもらえませんか」‥「こらぁ大変だ」‥見たこともない車列に驚いた。仕事場のトイレを、みんなに使ってもらおう。そう決めた。人口1万9千人の琴浦町の人たちにとって、いつもと違うお正月が始まった。‥(大みそか~元日、吹雪の国道9号線)約25kmで車1千台が立ち往生した。‥1m四方ほどの白いベニヤ板に赤いテープで「トイレ→」と書いた看板をつくり、国道脇と自宅前に立てかけた。次々と人がやってきた。赤ちゃんを連れた若い女性は、ミルク用のお湯が欲しいと小さなポットを持ってやってきた。‥毛布を持ち出し、お湯と一緒に手渡した。女性は何度も頭を下げて車に戻った。‥(パン屋さん) 「ありったけの米を炊いてくれ」公民館から大きな釜を2つ借り、自宅にあった1俵半の米を全部炊いた。近所の女性に役場に集まってもらっておにぎりをつくった。‥パンを運ぶトレーで、おにぎりを配り歩いた。「目の前で困ってる人がいたら‥。お互い様じゃけね」日が落ちてからも、首に懐中電灯を下げ、「バナナいりませんか」と声を掛けて歩いた人がいた。神戸から帰省中。16年前、阪神大震災にあった。‥「寒さ、空腹、不安を感じている人がいるのは、あの時と同じ。自分だけぬくぬくとはできへん」(まんじゅう屋さんは、1200個のまんじゅうを配りました)‥車列に向き合い続けた1日。「ああ、そういえば今日はおせちを食べなければならない日だった」‥夜になって思い出した‥』


以上、概略です。(これだけで、教材になります)仕事場のトイレを使ってもらうため、看板を作って、2か所に立てる。赤ちゃんのために、家の毛布を手渡す。公民館の釜で、家の1俵半の米を全部炊く。近所の女性が役場に集まり、おにぎりを握って配る。夜も、首に懐中電灯を下げ、バナナを配る。売り物1200個のまんじゅうを配る。そして、おせちも食べずに、1千台の車列に向き合い続けた1日。すべて、大雪の寒い外での活動です。なかなかできることではありません。ニュースでは、ガソリンも配っておられたと聞きました。自ら判断して自分にできる援助行動をなさる沿道住民のみなさんの姿が、立ち往生した1千台の車の人たちを、どれほど勇気づけたことでしょう。】 


【福岡市立石丸小学校4年2組の取り組みから学んだこと(2011年2月1日ブログ)


1月30日(日)朝日新聞30面に「ボクらも助ける 福岡の小学生が手紙」という記事が載っていました。この年末年始、国道9号線で約1千台が立ち往生し、鳥取県琴浦町周辺のみなさんが手を差し伸べたことは、私たちの記憶にも新しいことです。その記事を読んだ先生が、担任する小学校4年生のクラスの子どもたち32人に紹介した取り組みの記事でした。名前など抜粋しながら紹介させてください。


『‥3学期最初の国語の授業。鳥取県の場所や気候を学びなら記事を読んだ。「すごい」「優しい」と子どもたち。先生は「その気持ちを手紙にしてみましょう」と話しかけた。「考えるだけでなく、行動に移す大切さを知ってほしい」からだ。(こまっている人を助ける人は、すごくかっこいい)(今のごじせい、不きょうや、こようの問題がある中、こんなニュースはいいな)率直な思いがつづられた。先生は「琴浦町の人たちの話を読み、社会とのつながりや、こんな大人になりたいという将来像を意識し始めたようです」と話す。(人との助け合いができる日本にしたいです)と書いた(男子)は「自分がしてもらったらうれしいことをしたい」。(女子)は「困っている人がいたら、何ができるか考えたい」と記者に答えてくれた。もし近所で琴浦町のような事故が起きたらどうする?「お母さんに頼んで、千個は無理だけど100個くらいおにぎりを差し入れたい」「毛布やカイロを配りたい」子どもたちの手紙は記者に託され、琴浦町の住民に届けた。「こんなにかわいいお手紙を‥。こちらが泣いてしまいそうです」(看板工房屋さん)は手紙を手にして、目を赤くした。手紙や電話も十数件届いた。〈他人のことなど知らんふりする最近の世の中‥頭が下がる思いです〉 〈記事を読んで涙が止まりませんでした。・・記事には出てこなかった大勢の琴浦町民の方々がおられたと察します〉(看板工房屋さん)は石丸小4年2組に返事を出した。「困っている人がいたら自然に手を差し伸べられる人に育ってください」との思いを込めて。』


(看板工房屋さん)の書いた手紙も載っていました。その中で「国道に近い人はそれぞれ自分で出来ることで手助けしたようです。だけどみんな、そんな立派なことをしたとは思っていません。 困っている人があれば、手をさしのべるのは、あたり前のことだと思います」そして、手紙の最後はこう結んでありました。「私たちは1人では生きていけません。・・ 助けられたり、助けたりしながら楽しく生きていきましょう


この福岡市立石丸小学校4年2組の取り組みは、国語・社会・道徳なども含めて、地域社会とつながるリアルタイムな「総合」の時間そのものではないでしょうか。担任の先生の言葉にある「こんな大人になりたいという将来像を意識し始めた」貴重な時間になると予測してなかったとしても、担任の先生の感動が、子どもたちの心に響いた結果であることは間違いありません。】


これが、2年前の冬でした。今年の春、鳥取県琴浦町在住の小学校の先生からEメールが来ました。「釜石小学校の楽譜とCDを送ってほしい」という内容で、お送りしました。そこに、今回のお誘いですから、不思議なほどのご縁、コンステレーションを感じたわけです。高草中学校の先生方、そして、研修会に参加してくださった高草中学校区の小学校の先生方に、最もお伝えしたかったのは、次のことでした。児童生徒たちに、「鳥取県には、琴浦町周辺のみなさんが行動で示してくださった、『困っている人を放っておけない温かい心、自分にできる支援をとっさに考える判断力、それを即行動に移せる実行力』、そんな県民性があることを誇りに思ってほしい」、ということです。そのことは、高草中のバレー部やバドミントン部の、大会における行動力にも表れていたと言えます。そんなキラッと輝く姿は、どの児童生徒だって、日常の学校生活の中に、きっと必ずあるはず(誰も気づいていないだけ)です。担任以外の先生方が、その子のためにも、担任のためにも、自分自身のためにも、いっぱい見つけてあげてほしいなと、つくづく思いました。


さて、私は、どこの学校・園でも、先生方がアウトレットモール型(各店のめざすベクトルの方向がバラバラ)の集合体にならないでください、と言い続けてきました。すぐできることから言えば、しんどいことは担任1人で抱えこまないこと、担任1人で何とかしようと思わず学年部の先生方にヘルプを求めること、そのヘルプに先生方みんなで応えてあげる教師集団であることです。困った時、しんどい時こそ支えてくれる同僚(職場の仲間)がいる、そんな学校であり続けてほしいと願います(各自がきわめて多忙ですからこそ、余計にそう思います)。


夜の9時に家へ着きました。空を見上げると満月が出ていました。高草中で「あったかさ」を分けてもらった私の心を映しているような満月でした。高草中学校の先生方、高草中学校区の小学校の先生方、ありがとうございました。

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by takaboo-54p125 | 2013-08-24 05:14 | 親・保育士・教師の研修・講習