2013年 06月 01日
寿限無(じゅげむ)のお話:夢中になるのは小2~小3でしょうか
『寿限無』と聞くと、子どもたちが長い名前を覚えて、早口で言うのが流行ったのを思い出します。
落語だったと思います。
熊五郎のところに男の子が生まれ、和尚さんに命名してもらいます。
ありきたりの名前では納得しない熊五郎は
「死なない保証つきみたいな、ステキな名前をつけてやってくだせえ」
と無理を言います。
最初の「寿限無」は気に入ったものの、これ1つでは満足できない熊五郎のために、和尚さんは次々と縁起のいい言葉を言っていきます。
すると、熊五郎はどれもこれも気に入ってしまい、
「全部、名前につけちまいます」
と、とんでもなく長い名前になってしまったのです。
その子が大きくなって、友だちの金坊の頭に「こぶ」をつくってしまい、金坊は熊五郎夫婦に言いつけます。
ところが、その子の名前が長すぎるので、事情を説明するだけで時間がかかってしまいます。
おかみさん「あらまあ、金ちゃん、すまなかったねえ。
じゃあ、なにかい、うちの、寿限無寿限無、五劫のすれきれ、海砂利水魚の水行末、雲来末、風来末、食う寝るところに住むところ、やぶらこうじのぶらこうじ、パイポパイポ、パイポのシューリンガン、シューリンガンのグーリンダイ、グーリンダイのポンポコピーのポンポコナの長久命の長助が、おまえの頭にこぶをこしらえたって、まあ、とんでもない子じゃないか。
ちょいと、おまえさん、聞いたかい?
うちの、寿限無寿限無、五劫のすれきれ、海砂利水魚の水行末、雲来末、風来末、食う寝るところに住むところ、やぶらこうじのぶらこうじ、パイポパイポ、パイポのシューリンガン、シューリンガンのグーリンダイ、グーリンダイのポンポコピーのポンポコナの長久命の長助が、金ちゃんの頭へこぶをこしらえたんだとさ」
熊五郎「じゃあ、なにか、うちの、寿限無寿限無、五劫のすれきれ、海砂利水魚の水行末、雲来末、風来末、食う寝るところに住むところ、やぶらこうじのぶらこうじ、パイポパイポ、パイポのシューリンガン、シューリンガンのグーリンダイ、グーリンダイのポンポコピーのポンポコナの長久命の長助が、金坊の頭へこぶをこしらえたっていうのか。
どれ、見せてみな、頭を・・・・・なーんだ、こぶなんざあ、ねえじゃないか」
「あんまり長い名前だから、こぶがひっこんじゃった」
この、「こぶがひっこんじゃった」というのがオチになるという、お話です。
小学校の2~3年生で、お話のプリント(読み仮名つき)を読んであげます。
すると、この、楽しいという意味でばかばかしいお話(それが落語)を、ものすごいスピードで音読する子やら、覚えてしまい暗唱する子やら、適当にメロディーをつけて歌う子やら、どの子も、自分なりに楽しめるから不思議な魅力のお話です。
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