2013年 03月 23日
日記・作文の授業【指導案】【ワークシート】【授業イメージ】小学2~6年・中学1年の学期始め
【日記・作文の授業:学習指導案(全1時間)】
テーマ:日記・作文の中の「○いいやつと、×わるいやつ」
ねらい:五感を働かせて書く楽しさを体験することで、日記・作文は五感を働かせて書くと、自分の思いを豊かに表現できることに気づくとともに、書きたいな!という意欲を高める。
本時の展開
時間 5分
学習の流れ
◎導入を聞く。
教師の支援
・作業の前に、補足にある×と○のちがいを板書して説明する(大きな紙に書いたものを貼ってもよい)。
補足
×したこと(手足)○見たこと(目)○聞いたこと(耳) ○さわった感じ(肌) ○におい(鼻)○味(舌)
○話したこと(口)○思ったこと(心)○考えたこと(頭)を板書
時間 10分
学習の流れ
◎2つの日記の中のⅠ文1文を「したこと」と「五感を働かせたこと」に分ける(個人で)。
したことには×、五感を働かせたことには○をつける。
教師の支援
・ワークシートを配る。
・作業は、1行ずつ、みんなで確認しながら、一緒にしていく。
補足
・板書の○×を確認しながら、全員がまちがわないように気をつける(テストじゃない)。
・特に五感については、子どもが理解できるように、具体的で簡潔な説明をする。
時間 15分
学習の流れ
◎五感を働かせることを意識して、短い作文を書く。
題材「箱の中身」
教師の支援
・担任が箱を開けながら、児童が集中できるようにパフォーマンスをしつつ、担任の1動作ずつ(1文ずつ)書かせていく。
補足
・板書の○の文を示しながら、五感を働かせて書いてみることを促す。
・箱を開ける作業を1コマずつ児童に手伝ってもらってもよい(交代で)。
段ボール箱の中にちょっと小さい箱を入れ、その中に、さらに小さい箱を入れ、それをくり返して、最後の一番小さな箱に下のイラストを人数分、入れておく。
時間 10分
学習の流れ
◎書いた作文を、できる範囲で交流する。
教師の支援
・発表したくなるように、うながすが、あんまり無理はしない。
(挙手した子だけでよい)
補足
・発表する児童の1文1文を板書の○×と、照らし合わせる。
・きっと○の文が多くなるはずである。
・全部○より×も少しあるほうが味のある文になる。
(×だけじゃなく○もある文が豊かな文になることに気づかせたい)
時間 5分
学習の流れ
◎箱の中のイラストを日記帳に貼る。
教師の支援
・イラストを配り、日記帳の表紙の裏にのりで貼らせる。
補足
・次回から、日記を書く時は、このイラストをヒントにしようと話す。
【日記の中の「いいヤツと、わるいヤツ」ワークシート】
×したこと(手足)
○見たこと(目)・・・・五感
○聞いたこと(耳) ・・・五感
○さわった感じ(肌)・・五感
○におい(鼻)・・・・・五感
○味(舌)・・・・・・・五感
○話したこと(口)
○思ったこと(心)
○考えたこと(頭)
◎いっしょに下校したA君とB君の日記を比べよう。
一行ずつ、( )の中に、○と×をつけてみよう。
「今日」 A男
( )今日、B君と帰った。
( )そして、家でおやつを食べた。
( )そして、3DSでゲームをした。
( )そして、B君に電話をした。
( )そして、B君と遊んだ。
「クレーン車」 B男
( )「何の音やろ」とA君が言った。
( )「ウィーン」という音がしていた。
( )クレーン車が、鉄を持ち上げていた。
( )ぼくは、すごい力やなと思った。
( )A君と2人で、クレーン車の話をしながら帰った。
※まだ習っていない漢字は平仮名で書くか、ふりがなをつける。
※今回の2人の日記は、A君が書いた1行目を、B君が「 」で始まる文で、くわしく書いたという設定にしました。
※機会があれば、しかし、だから、などの接続詞を入れた例文を使ってもいいかなと思います。例えば、
「遊び」 B男
( )「帰ったら、ゲームで遊ぼう」とA君が言った。
( )でも、C君が「サッカーをしよう」と言った。
( )だから、3人でサッカーをした。
( )そしたら、D君も来て4人で遊んだので、おなかがへった。
( )ぼくは、ばんごはんをいっぱい食べようと思った。
【授業記録を見たい時は】
実際にされた授業記録を読みたい場合、
児童文学「兎の眼(うさぎのめ)」灰谷健次郎・作(理論社)の、
8章「わるいやつ」で足立先生のクラスが、この指導案の前半部分の授業をしている場面があります。
21章「ぼくは心がずんとした」で小谷先生のクラスが、この指導案の後半部分の授業をしている場面があります。
オススメの本です。
図書館にあるはずです。
つまり、この指導案は、この本に出てくる2クラスの授業を1つに合体させた、というのが、まあ、タネ明かし、ということです。
【この授業の翌日に配った学級通信】
◎日記・作文のたね
日記というのは、なにか特別な、かわったことや、めずらしいことを書くのではありません。
旅行に行ったことは思い出として心の中にしまっておきましょう。
旅行など特別な出来事ではなくて、毎日のくらしの中に、自分ががんばったことなど、書くことがたくさんあります。
目や耳や心をはたらかせれば、いっぱい見つかります。
そういうできごとを日記・作文に書いて、先生に教えてください。
先生は、あなたたち1人ひとりがうれしい時には、いっしょによろこびたいし、
いやなことがあって、こわかった時や困った時には、いっしょに考えてあげたいと思っています。
だから、どんなことでも、どしどし書いてください。先生もいっしょうけんめい返事を書きます。
◎日記・作文の書き方
きょう(きのう)1日のことを、目をつぶって思い出しましょう。
イラストのように、心が動いたことはありませんか。きっと何かあると思いますよ。
イラスト以外でも、じゅぎょうのことや、読んだ本のことでもいいでしょう。
さあ、日記・作文のたねが見つかったら、そのうちの1つに決めて、すぐえんぴつを持って、ノート(国語のノートや日記帳)に向かいましょう。
まず、◎月◎日を書きましょう。
できれば、「題」も書いておくといいですね。
そして、書き始めます。
書こうとする出来事を、順に思い出して書いていきましょう。
ここは、くわしく書きたいと思ったら、そうしてください。
知っている漢字も使いましょう。
でも、一番大切なのは、あなたの心(気持ち)も日記・作文に書くことです。
あなたの日記・作文…待ってますよ。
【日記に貼るイラスト】

以上、「日記のたね」と「日記の書き方」は、私が若い頃、三重県の先生からいただいた学級文集(年度初めのページ)に載っていた、先生の文章を真似させてもらって書いたものです。
イラストも同様に、アレンジして使わせていただいたものです。
日記・作文は、イヤイヤ書いても、よい文は書けません。
日記・作文を書かせるタイミングは、こちらが返事を書く時間を確保できるかどうかで判断し、無理をせず、余裕がなければ、それなりに・・・でいいと思います。
返事は短くてもいいので、その子が読んでうれしいと思ってくれるような返事を心がけましょう。
今、思い返すと、口下手な私は、日記・作文を読むことで、クラスの子1人ひとりに向き合って対話し、どの子も嫌いになりたくないから、毎年、なんとか続けられたのかもしれません。
関連ページ
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