2013年 03月 03日
子どもと向き合う3月の教室(前日準備は5年生を育てる日)
卒業式前日準備は、5年生を全校の先生方で育てる日
組織的な学校は、このチャンスを逃しません。小学校なら5年生が、体育館から玄関・廊下・教室、校舎外まで分担して準備します。全校の先生方が分担して、5年生と共に前日準備をします。最初、5年生を全員集めた時に先生が何を語るか、分担場所で各先生が何を語るか、そして終わった時に分担場所の各先生がどのような言葉で5年生のがんばりをねぎらうのか、最後に5年生を集めて先生が全体評価として、どのようにねぎらうのかを大事にします。5年生が「準備をがんばってよかったな!」明日から最高学年として「よーし、やるぞ」という気持ちになれるようなことを、どのように語るかで、明日からの5年生1人ひとりの動き(気持ち)が断然ちがってくるからです。
とりわけ、最後に評価をする先生を1人ではなく、多くの先生が評価の言葉を言う習慣になっている学校ほど、全員の先生で5年生を育てる大事な日という位置づけがなされています。たくさんの先生からほめられた子どもたちのモチベーションは当然アップします。中学校も同様です。「はい、終わった。ご苦労さん」だけでは、もったいないと思いませんか?せっかく準備・後始末をやってくれたら、ねぎらいの言葉をかけるのが全教師の役割です。
校長先生のとっさの動きに感動させてもらいました
数年前、養護学校の卒業式、卒業証書授与が始まりました。小学部・中学部合同の卒業証書授与式。卒業生の入場も車椅子の子どもたちの歩む速さに合わせ、ゆったりと始まりました。この温かい雰囲気は何だろう、なるほどと思いました。対面式の卒業式なのです。
車椅子の子どもたちはステージに上がるのに苦労するからでもあり、卒業生と在校生が向き合って座っていることで、在校生の子どもたちの集中力も高まっているのが伝わってきます。体育館に空間的余裕さえあれば、小学校でもやってみる値打ちがあると、感じさせられました。
校歌斉唱も済み、いよいよ卒業証書授与。小6も中3も練習してきていますが、来賓や保護者(自分の家の人も)が、ずらりと座っている雰囲気が練習とは違います。どの子も、いつもと違う体育館の空気に、緊張気味に見えます。呼名された子から演壇の前へ進み、校長先生から卒業証書を受け取る瞬間、来賓席からも、保護者席からも、在校生や教職員からも、卒業生の顔が
ステージ
卒業生
↓
←来賓
教職員→ 演壇
←保護者
↑
在校生
はっきりと見えることで、会場にいる全員が、その子の顔に「おめでとう」って語りかけているような、優しさに包まれながら、一人ひとりが卒業証書を受け取っていきました。一人の子が演壇に向かって歩き始めました。その子は歩きながら、保護者席の方をじっと見ていました。演壇の前に来ても保護者席に目を(体も)向けています。おうちの方を見ていたのでしょう。その瞬間、校長先生がスッと、その子の前まで歩み寄り、その子と保護者席の間に立って、卒業証書を読んで、その子に渡しました。なんの違和感もなく、自然体で、なんとも微笑ましい光景でした。その後、校長先生は車椅子の子には、演壇の前へ自ら歩み、中腰になって(車椅子の子と同じ目線になって)卒業証書を渡されました。それを見ているうちに、じわ~っと心の中に感動が広がっていく自分に気がつきました。感動の余韻が残る、ステキでぬくもりのある卒業式でした。
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