2012年 11月 24日
子どもと向き合う12月の教室(給食「好きな者同士」に違和感を感じませんか?)
ズバリ、担任の指導が入りにくくなってくると、子どもたちは「好きな者同士」で机を寄せ合う形の食べ方を要求してきます。そして、一部の子どもたちの声に押しきられて、月に1回だったのが週に1回と増やすことを担任がしぶしぶOKしてしまったら、必ずと言ってよいほど、教室の空気は好ましくない雰囲気が助長されていきます。上学年になるほど、起こりやすい現象とも言えます。もし、隣のクラスが週1回をやっていたら、担任はOKせざるを得なくなります。
こうなってからでは、管理職や教務が学年主任に指示を出すのも、時すでに遅し、という状況です。そうなる前に、学校に1クラスでも指導が入りにくいクラスがあるなら、少なくても学年部単位以上で、できれば職員会議で、給食の「好きな者同士」という形をとらない方向の論議が必要だと思います。自分のクラスさえよかったらよいという発想は、大人の教師なら捨てましょう。逆に言えば、大人になりきれていない教師は、その安易な発想を捨てられないでしょう。ですから、「好きな者同士」をしてもよいのは、一人ぼっちになる子が本校には1人もいないと確信できる時だけだということを、抵抗する先生には問いかけてみてはどうですか。
指導が入りにくくなればなるほど、きっと担任の先生は「好きな者同士」という形を、月1回であったとしても、とりたくないはずです。それを1人で悩んでおられるかも知れないと思ってあげてください。クラスが安定しないと、この形は、ポツンと1人になる子が必ず出ます。給食の時間に、かなしい子をつくってしまいます。それを防ぐのは、担任1人の指導では無理です。「全クラス、好きな者同士はしないんだよ」という教師集団の結束が、困っている担任の先生を応援することになると、私は思います。
給食を毎日しあわせな気分で食べる権利は、一部の子だけではなく、クラス全員の子に保障するのが大原則です。「どの先生も同じ思いで、同じことを言わはる」と言うことができるか、できないかなんて、たかが給食でそんなおおげさな、と軽く見ないほうがいいでしょう。給食は生活班が机を寄せ合って、そこに担任の先生もローテーションで一緒に食べるという形をくずさないことが、すごく大切なクラスもあるからです。現実に、そういうクラスが多いはずです。
実際、子どもが「好きな者同士」を要求し始めたら、不満の初期かなと受けとめて、係活動の発想を「すっごく楽しい係活動」に切り替えた取り組みをしたと、複数の小学校の先生からも聞きました。こういうのを柔軟な学級づくりと言うのでしょう。
よけいな差し出口ですが、すごく困っているクラスには、給食(準備も含めて)を食べる教師を複数体制にしておられる小学校がほとんどだと聞きましたけど、先生方の小学校ではどうなさっていますか。
最近は中学校も給食の所が増えてきましたが、中学校なら、なおさら「たかが給食」「好きな者同士」では、すまされないと思います。中1は小6の時の経験を継続したいと思うでしょうから、中学校から校区の小学校へ、給食の実情を聞かれてはどうでしょう。そして、「好きな者同士」をしないように中学校が小学校に要望することも、大事な小中連携だと言えます。