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子どもと向き合う10月の教室【保護者対応:初期対応でミスしない「始めの4歩」】

初期対応のミスが「モンスターペアレント?」を生みます
 
「モンスターペアレント?」と言われる保護者は、どんな方なのでしょう。

地域で孤立しておられる人(ご近所とトラブっている最中)かも知れません。

ひょっとすると、ご自身が子育ての悩みをグチる人がいない場合もあり得ます。

そうして、抱えるストレスが満杯になると、瞬間湯沸かし器のようにカーッとしてしまわれるのでしょうか。

あることないこと文句を言って、からんでくるクレーマーとは全然違います。

「自己中心的な保護者」という先入観を持ってしまうのは、早計です。

そんなレッテルをはってしまうと、肝心の子どもの見方も見誤ってしまいます。


実は、わが子の子育てで困っているけど、本心を打ち明ける相談相手がいなくて、孤独感の中で、苦しんでおられる人が、その大半なのです。

それなのに「モンスター」とは、ちょっと失礼かも・・。

地域で孤立していたり、ご近所で浮いていたり、近所づきあいが全くなかったりしている保護者さんの、人と関わる時の気持ちは、

「敵か味方か」「○か×か」「白か黒か」

という感覚に近い状態で、ガードを固めて接してこられるものです。

ですから、学校からの電話にはとても過敏ですよ。

わが子のよくない話の電話の連続では、

「またか」「どうせ」

と瞬時に拒否反応してしまうのは、むしろ当たり前の反応です。

「足を運べば誠意が伝わる。電話で済ませば誤解が伝わる」

という原則について、忙しさを理由にショート・カットすると、その後の負荷は2倍以上になるでしょう。

誤解が伝われば、当然、強い反撃に出てこられます。

こうして、初期対応のまずさが不信感を招き「モンスターペアレント?」を生んでしまいます。

そうなると、新しい担任に対しても、第一印象で、「この保育士・教師は敵か味方か」を判断されるでしょう。

だからと言って、こわがることはありません。

わが子の味方、私の味方と直感で感じてもらえたら、とても担任を頼りにしてくださるケースが多いですね。

グチも軽く受け流さず、うなずきうなずき親身に聞いてあげましょう。

ただし、あいづちを打つ言葉はひとつだけです(事実確認してないから)。

「そうですか。困りましたねえ」(あえて主語をあいまいにしておく)
いきなりグチや苦情が出るのは、味方が少なく、わが子の悩みを一緒に共有してくれる人が、周囲に一人もいないからなのです。


最初の出会いの言葉(お子さんについてのひと言)は、うんと大事にしたいですね。

保護者さんの目をしっかり見て、
「△△君、やんちゃやけど、大好きですねん」
「△△さん、こんなええとこ、あるんですよ」
「△△君、こんなこと、言うてくれたんですよ。うれしかったですわぁ」
と本音で言えるような、子どもとの関係づくりがスタートです。

そんなスモールステップの積み重ねが、少しずつでいいから出来ていけば、その子は家で担任の悪口は言いません。
「ぼく(わたし)の気持ち、わかってくれはる先生や」と、きっと言うでしょう。

それを聞いたら、学校・園不信だった保護者さんも、感謝の気持ちを持たれるはずです。

四面楚歌の中で暮らしてきて、やっと信用できる担任に出会えたと思ってくださるでしょう。


現実はこんな簡単にはいきませんが、保育士・教師の基本的な姿勢は、こうありたいものです。

ただ、先生方の間で「モンスター・ペアレント?」という言葉だけが1人歩きしやすいのも現実でしょう。

初期対応のミスかどうかは、たいてい担任の話し方で、すぐわかりますけど。


とにかく、学校・園の先生方は、安易に「モンスター・ペアレント?」という呼び方を使わないようにする方がよいのではないでしょうか。

これは、先入観言葉と言うか、親と担任の溝を深めるだけの差別的な言葉だと、私は思います。


保護者対応の「始めの4歩」


保護者は、抗議という形で、怒りの感情を出しながら、同時に、
自分の育児(現在進行形)の苦労をわかってほしい!
自分の育児が基本的にどうなのかを(全否定せず)認めてほしい!
という、裏側にあるヘルプも出しておられるのではないか、ということです。

言いかえれば、私の育児の苦労(いっぱいいっぱいの気持ち)に共感してほしい!                               
という願いが込められていることに、私もやっと気がつきました。


ということは、保育園・幼稚園・小中学校で、保護者から相談を受けた時の「最初のひと言」も、

即返答しては絶対ダメ!だということですね。(即答できることでも)
まず、
保護者が来られたことにお礼を述べ、(信頼度ゼロなら来ない)                                    
保護者のご苦労をねぎらい、(ウンと心をこめて)
保護者の子育てのよい点を具体的にほめて、(お世辞ではダメ)
保護者の気持ちに共感しながら、(言葉と表情とまなざしで)

思いを受けとめてあげて、相談に応じていくのが、保護者が心を開いてくださる「手と手を結び合える子育て相談」になるのではないでしょうか。

私はそのことを、「教育相談:始めの4歩」と自分に言い聞かせながら、今も相談を受けるように、心がけています。

関連ページ

教育相談「始めの4歩」で決まります

http://sg2takaboo.exblog.jp/24898108/



by takaboo-54p125 | 2012-09-30 05:02 | 保育・教育