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2学期最初の日、担任は教室で、「夏休み」について、どっちを聞くのかな?(学級づくりの大きな分岐点)

 夏休み明け、2学期スタートの日、幼稚園でも、小学校でも、子どもたちに問いかける「ひと言」が、担任の先生によって、大きく2つに分かれます。
これは、子ども1人ひとりにとっても、クラスづくりにとっても、先生自身にとっても、長い2学期の大きな分かれ道になる「ひと言」だと言えます。


 まず、何も考えなしというか、自分の言葉が子どもの心を傷つけても気づかない鈍感な先生、子ども1人ひとりの気持ちに、心を全く留めない無神経な先生は、
夏休みの楽しかった思い出を発表してもらいましょう
と、お気楽なことを言います。


 夏休みにおうちの人にどこかへ連れて行ってもらった子は大きな声で発表できます。
でも、クラス全員がそうであるとは限らないことを、この先生は、何も考えていません。
どこにも連れて行ってもらうことのなかった子にとって、この時間は苦痛であり、発表したくない時間であり、早く終わってほしい時間になります。
そんな問いかけをするなら、何も聞かない方がまし、ということです。


 いろんな家庭の事情があります。
おうちの人が忙しかったり、病気だったり、不景気の影響だったり、様々な理由で、どこにも連れて行ってもらえなかった子だって、いるかも知れないと、予測して問いかける言葉を決められるかどうかで、担任の器(度量)が決まります。
例えば、赤ちゃん(弟か妹)が生まれた子は、どこにも連れて行ってもらえない場合の方が多いかな、お手伝いをがんばったんやろな、と予測できるかどうか、ということです。


 実際に、地蔵盆の準備の時、小学生のお父さん・お母さんたちが、
「せめて1回はどこかへ連れて行かな・・、海の安い民宿へ行ったで」
「うちは割引付きのプールのある温泉に行ったわ」
と言ってはりました。
これらは、連れて行けたから言える親の言葉でもあるのです。
うちは日帰り(しかも半日)のびわ湖でしたから、黙っていました。
「うちの子も泊まりがけで行きたかったかなあ?」と思いつつ・・。


クラスの子ども全員がよい夏休みを過ごせたかなと、本気で心を寄せる先生は、
夏休みに、すごくがんばったことを、言ってほしいな
夏休みに、いっしょうけんめいやったことを、聞かせてほしいな
などと、問いかけます。


 どの子も、自分なりにがんばれたことは何かなぁと思い出しながら、友だちの発表を聞きながら、考えることができます。
それは、つらいことではありません。
苦痛な時間でもありません。
みんなから拍手をもらえる時間、2学期もがんばるぞ、という動機づけの時間になります。
同時に、このクラスの一員でよかったなということを、どの子も再確認できる時間にもなります。
つまり、2学期の学級づくりのスタートを、この時点で、もうすでに始めていることになるわけです。


 さあ、担任の先生方、かなしい子をつくらないために、前者には絶対ならないでください。
楽しい思い出は、自分の心の中にしまっておけばいいのです。
このことに気づいた先生が学校・園に1人でもおられたら、全担任にこの話をしてあげてほしいと思います。
結果として、夏休み:自慢大会にしてはいけません
もし、夏休みのことを聞くのなら、ぜひとも、後者の問いかけをクラスの子どもたちにしてあげてください、と。1人ひとりの瞳が輝く2学期にするには、スタートが肝心だと心得ましょう。
それは、1人ひとりの子どもを、具体的に大事にできて、イジメが起こりにくい雰囲気の「クラスづくり」「学校・園づくり」のためでもあるのです。

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by takaboo-54p125 | 2012-08-18 05:12 | 保育・教育