協同的な学び:中学校の授業「基礎の課題」「ジャンプの課題」指導案より(国語・英語・家庭・保体・社会・理科・自立・数学・美術・技術)

「基礎の課題」「ジャンプの課題」のある授業デザイン


2012年冬、大津市立粟津中学校は取り組んで7年目と伺いました。粟津中学校の研究テーマは「『学び合い』から理解を深める教室づくり」です。本時の展開の指導案の冊子をいただきました。授業をイメージするために、たいへん貴重な資料です。本時の展開における課題1は「基礎の課題」、課題2は「ジャンプの課題」と、どの指導案にも書いてありました。導入、まとめ、「学び合い」をどこでどう生かしたか等は省略して、前半の「基礎の課題」と後半の「ジャンプの課題」を紹介させてください。


2校時【1年国語】「慣用句」
「基礎の課題」
△体の部分を使った慣用表現について考える(プリント)いくつかの慣用句については、意味を想像させる。班で意見を交流させる。国語辞典で意味を確かめる。                                                                                                   
「ジャンプの課題」
◎動物(生物)を使った慣用表現やその他のよく使う表現についても考える。


3校時【1年英語】「現在進行形 疑問文とその答え方」
「基礎の課題」
△現在進行形の疑問文とその答え方の確認
「ジャンプの課題」
◎現在進行形を使った文の間違い探しをグループで取り組む。                                               


3校時【2年家庭】「中学生のお弁当を発表しよう」
「基礎の課題」
△各グループの考えたお弁当について発表する。
「ジャンプの課題」
◎8つのお弁当の中から、これがいい!と思うお弁当を2つ選ぶ。上位に選ばれなかったお弁当を上位に上げるために出来る工夫をそれぞれのグループで考える。


4校時【1年保体】「柔道 前回り受け身を習得しよう」
「基礎の課題」
△前回り受け身をグループで練習する。
「ジャンプの課題」
◎跳び込み前回り受け身にチャレンジ。


4校時【1年保体】「ダンス」
「基礎の課題」
△課題ダンスをグループで選んだ曲に合わせて踊る。
「ジャンプの課題」
◎課題ダンスを曲のどの位置にいれるのかグループで話し合う。曲に合わせて創作ダンスをする。


4校時【1年社会】「縄文文化と弥生文化」
  ~縄文人と弥生人の顔の特徴の違いから日本人のルーツをさぐる~                                                                                                                                         
「基礎の課題」
△次の顔の特徴は、縄文人・弥生人のどちらなのか2種類に分ける。                                                                                                                                        
 顔、まゆ、目、鼻、くちびる、ひげ
△縄文人と弥生人の特徴から絵にしてみる。
「ジャンプの課題」
◎同じ日本人の祖先なのに、「縄文人と弥生人の顔の特徴は違うのか」を考えてみる。出た結論の交流。


4校時【1年理科】「物質のすがたと状態変化」
「基礎の課題」
△氷・水・水蒸気の他に状態が変化するものを、身近な生活から見つけてみよう。                                                                
△気体は温度が高い、固体は温度が低いというのは正しいのだろうか。                                                               
△液体の食塩、液体の窒素、液体の鉄、それぞれ何度くらいだろう。                                                                                                           
「ジャンプの課題」
◎氷が水に浮くのはなぜだろう。
◎50gの氷が溶けると何gの水になるだろう。
◎エタノールの沸騰実験から、何がわかるだろう。


4校時【1年自立】「探そう・動こう」
「基礎の課題」
△日めくりカレンダーの置く位置をかえる。
・1メートルくらい離れたところに置く。
探してみよう。
まわりを見て探す。探し出したら、めくって破る。
・2メートルくらい離れたところに置く。
探して、見つかったら車いすで移動して、手に取る。
「ジャンプの課題」
◎視線から離れたところに置く。
辺りを見回して見つけ出す努力をする。
日めくりカレンダーの他にカラーボール、パソコン、カバンなど身近な物を探し出す。


5校時【1年数学】「平面の図形:作図」は研究授業(指定授業)でしたので、省略なしで本時の展開を紹介します。
導入
 基本的な作図の復習
(1)角を二等分しよう。                 (個人)
課題1「基礎の課題
(2)∠AOB=90°となる線分OBを作図しよう。 (グループ)
 →作図の確認
課題2「ジャンプの課題
(3)大阪環状線と琵琶湖線の線路を作図しよう。(グループ)
まとめ
(4)(3)の作図について意見交流をしよう。    (全体)
(5)各自で今日の復習をしよう            (個人)
☆「学び合い」をどこでどう生かしていくか
グループ内での学び合いを通して、1人では分からない問題に取り組むことができ、また、理解につながる。
◎「基礎の課題」90°の作図(垂線の作図)は、180°の二等分線を書けばよいことに気づく。
◎「ジャンプの課題」の作図は、既知の作図を組み合わせることでできることに気づく。


以上ですが、「ヒット授業開発!学び合いを生かす授業案を検討しよう」というページが各教科ごとに載っていました。その中から2教科(抜粋)を紹介します。


美術】のヒット授業案「ボックス・アート~想いを詰めた小宇宙~」全8時間                                                                    
1,課題の把握と発想・構想(3時間)
2,製作(4,5時間)
3,鑑賞(0,5時間)
この授業の見どころ(学び合いをどう生かすかなど)
 製作過程において、互いの作品を鑑賞する中で、自分にはない楽しい発想や優れた工夫を発見し感じることができる。また、そのような発想や工夫を自分なりに消化し作品に生かすことができる。


技術】のヒット授業案「エネルギー変換 電気スタンドの製作」(本時の展開)                          
・前時の確認 基板に正しく抵抗器が取り付けられているかを確認する。                                                        
・はんだ付けの仕方を知る。
・はんだ付けをする。
・次の部品を取り付ける。
・後片付けをする。
この授業の見どころ(学び合いをどう生かすかなど)
 各班ごとに座って作業をする中で、道具の共有を含めて、正しい使い方、正しい部品の取り付け方を生徒間で確認、指摘し、全体として精度が上げられることを期待する。


以上です。粟津中学校の先生方は授業の入り方を大事にしておられると感じました。これは授業参観した者でないとわかりません。生徒たちに本時の教材とどう出会わすのかに、心を配っておられたと言いかえてもいいでしょう。それをうまく伝えられないので、せめて、このページを読んでくださっている先生方の授業づくりにおける、前半の「基礎の課題」と後半の「ジャンプの課題」をイメージする参考になるのでは、と思って紹介しました。


関連ページ
「協同的な学び合い(聴き合う学び)」⑥【授業づくりのキーワード】【基礎&ジャンプの課題】【信頼関係を生み出す授業】【指導案】
http://sg2takaboo.exblog.jp/24898328/


by takaboo-54p125 | 2012-08-12 05:59 | 保育・教育