卒業式・卒園式の鉄則「ハプニングはあっても、してはならないミス」(入学式・入園式も)

今、卒園・卒業シーズンです。今年は、わが子と、甥っ子たちとで、総勢4人が卒園・卒業します。


そんな卒園式・卒業式に、ハプニングはつきものです。私の勤務した3校や、わが子たちの卒園・卒業した7校園の計10校園でも、他校園(保幼小中高養)の聞いた話でも、いろいろなハプニングがありました。結論から言えば、日頃の教職員のチームワークが問われます。


△ワイヤレス・マイクが本番途中でダメになりました。単純に電池切れです。予備のマイクで対応しましたが、前日に電池交換しておくべきでしょう。


△雪と低温のため、体育館入り口付近のコンクリート(床面)が凍っていました。角スコップで削れるだけ削って、子どもたち・保護者・来賓が滑って転ばないように、「みざら」を運んで置きました。いつもより早く出勤して点検するしかないでしょう。凍結していたら、塩化カルシウム(公立なら市町村役場でもらえるはず)を使う方法(素手で触らない)もあります(大学入試センター試験会場でも使われます)が、管理職と要相談でしょう。


△前日のリハーサルではあった、卒業生のイスが1つ足りませんでした。すぐにイスを持って走りました。前日の夕方、壁面の飾りの修正のため、そのイスを使った教職員が、元どおりにしておかなかったからです。当日の朝、数を最終点検するか、最初から、予備として1脚増やして並べておけばいいでしょう。


△計算どおりに並べたはずの保護者のイスが大量に足りない事態が起こったこともありました。あわてて、予備のイスを運びました。理由は、1人の卒業生に保護者が2人来られたからでした。体育館のスペースと、イスの数に応じた対策が必要でしょう。


△大規模校での卒業証書授与、最初の1人目の時、来賓が拍手したのにつられて、保護者や在校生まで拍手してしまいました。呼名をしていた担任がアドリブで、
「心のこもった拍手をありがとうございます。これから次々と卒業生の名前を呼びます。卒業生の返事『はい』が拍手で聞こえなくなりますので、心の中で拍手してください。そして、最後の卒業生の時に、175名への大きな拍手をお願いします。呼名を続けます」
と、御礼とお願いを述べて、厳粛な卒業証書授与を続けることができました。呼名をしている教職員の、とっさの落ち着いた対応が大事です。


△担任が呼名する時や、校長・園長が手渡す時に、名前を読み間違えることも、たまにあります。担任の場合は、思いに浸ってしまうからで、校長の場合は、その子の名前を覚えていないからでしょう。担任は、思いに浸らず呼名だけに徹し、校長は、読み仮名の短冊をはさんでおくのがいいでしょう。式の後、卒業生と保護者に心からお詫びするのも当然でしょう。担任の呼名は、姓と名の間を一瞬あけて読むのが、それを聴く卒業生が「はい」と返事しやすいし、保護者にも印象深い呼名となるでしょう


△卒業証書を2枚重ねて渡してしまい、次の卒業生の呼名と、卒業証書の名前が合わず、あわててしまうこともあります。予備の卒業証書を用意しておき、「おめでとう」と言って手渡す時に、「さっきの子に2枚渡してしまった。ごめんな」と小声で言うしかないでしょう。会場のみんなには、励ましの声をかけているように見えるでしょう。


△かんじんの卒業証書を校長室に置き忘れたことに誰も気づかず、式が始まってしまうことも、ないとは限りません。その場合は、マイクを握っている人の「とっさの気転」による場つなぎ(卒業証書が届くまでの間)のアドリブが、会場をざわつかせるかどうかの鍵を握ると言えるでしょう。


△卒業生が貧血で倒れたり、呼びかけのセリフを緊張で言えなくなってしまうこともありましたが、周囲の卒業生が、とっさに支えてくれました。これには、ちょっと感動です。


もちろん、卒園式・卒業式で、絶対にミスってはいけない鉄則もあります。それは、卒園生・卒業生・保護者・在校生・来賓に不愉快な思いをさせてはならない、ということです。


●保護者受付で渡す紙(式次第・卒業生名・校歌・式歌)の卒業生の氏名、絶対に誤字があってはなりません。誤字の上にシールを貼って、一文字訂正するなんて、論外です。そんなことをする時間があるなら、印刷し直したら済むことです。卒業生氏名に誤字があるということは、担当者任せにして、複数の者がチェックしていない証拠です。名前の誤字チェックを、担当・担任・学年主任・教務主任・管理職が回覧している学校・園は、日常的に組織的な動きができていると言えるでしょう。                                                                  


●学校・園を普段から支えてくださっているのが、来賓のみなさんです。学校・園が招待しておいて、来賓受付での名簿もれは、絶対にあってはならない失礼極まりないことです。担当者1人のミスが、学校・園全体に対する地域の信頼を失ってしまうことになりますから、最低でも3人が目を通すチェック体制が必要不可欠でしょう。


●学校長・園長式辞ですが、これは校長・園長自らが、教頭などに、一度目を通してくれないか、と声をかけるべきです。校長たる者、代読という万一のことまで考えておく立場だと自覚してほしいし、内容に偏りがないか、教頭・教務に読ませる度量がほしいものです。卒業式の式辞とは、あくまでも卒業生全員に等しく、心から祝福と励ましを述べるものです。個人の活躍を讃えるのなら、始業式・終業式などで紹介し、全校みんなで拍手してあげたらいいでしょう。


●卒業文集には、卒業生1人ひとりのページがあります。ですから、その子が書きたいことを書けばいいのですが、卒業文集とは、全卒業生はもちろん、保護者も読みます。そして、気になる内容が書いてあれば、親同士・近所同士のうわさ話のネタになってしまいます。そんなことにならぬよう、担任にも大事な役割があります。それは、文集に書いたことで


「△△君は、こんなことを書いてやる」と、大人たちが広めるうわさ話の主人公に、卒業生全員がならないよう、守ってあげることです。具体的には、各自の書いた文章に目を通し、誤字脱字を直してあげること、読んだ大人の誤解を招いて本人の評判が落ちる内容があれば、そのことを本人に教えてやり、気づかせ、本人が納得して書き直すようにさせてあげること、この2つです。担任は、これを放棄してはなりません。卒業生自身の名誉が傷つく文章を、見過ごして印刷してはなりません。卒業生1人ひとりのページに真正面から向き合うか、背を向けて逃げるか、そこで教師としての資格が問われていると言ってもいいでしょう。(普段からの姿勢で決まるでしょうけど)


●他府県の高校の卒業式で、式歌を歌う時に管理職がしていた「せこい」ことについて、作家の赤川次郎さんが新聞に投書されていたので驚きました。


「教師の口元チェックをしながら、姿勢正しく心をこめて、歌えたはずがない・・生徒のためでのものであるはずの卒業式で、管理職が教師の口元を監視する。何と醜悪な光景だろう・・」と、一石を投じておられました。この赤川次郎さんの投書を読んで、卒業生のために模範となる姿勢で朗々と歌うお手本を、堂々たる態度で示すのが、本来、管理職のあるべき姿ではないかと、私も改めて思いました。


これらの過去の教訓は、入学式・入園式でも同様です。


入学生・入園生一覧を大きな模造紙に書いて、受付に貼り出すなら、名前の誤字は御法度です。残念ながら、私がかつて勤務した学校で1回だけありました。保護者は当然抗議されました。管理職・教務・学年主任・担任、総出で平謝りです。私たち職員全員が申し訳ない気持ちでいっぱいになった苦い教訓です。みなさん、どうか同じ轍を踏まないようにお願いします。(必ず複数の目でチェックを)

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by takaboo-54p125 | 2012-03-17 10:00 | 保育・教育