2012年 03月 15日
子どもと向き合う4月の教室「先生はぼく(わたし)に声をかけてくれるかな」
「おはよう」を子どもたちの心に届けよう
ガラガラッと教室のドアを開けて、クラス担任が元気いっぱい「おはよう」と言う時は、教室中に新鮮な風が吹き抜ける瞬間です。
すぐに「おはよう」と返す子、つぶやくようにモゴモゴって言う子、黙っている子、反応はさまざまです。
しかし、全員の心に届かせようと担任が意識した「おはよう」は、きっとどの子の心にも響いているはずです。
毎日、ステキな朝の出会いを意識しましょう。
そして、教壇の前に立って、朝のあいさつをする時は、まず一番後ろの両隅の子どもたちを見てから、一番前の両隅の子どもたちまで見ます。
つまり、教室の子どもたち全員をサッと見渡してから、あいさつしましょう。
お話をする時も同様に、教室という空間にいる全員の子どもを見渡してから、しゃべることで、教師の声の届き具合(どの子にもという意味)が違ってきます。
子どもたちから視線をはずさないというか、常に子どもたちの顔を視野に入れながら語ります。
そして、大事なところでは、一瞬の間(ま)を入れます。
もちろん笑顔がいいですね。
間延びしては逆効果ですが、一瞬の間は、子どもたちの聴く集中力を高めます。
先生はぼく(わたし)に声をかけてくれるかな
子どもたちのクラス担任への共通の願いは、担任の先生はぼく(わたし)の気持ちを受けとめてくれるかな、受けとめてほしいな、ということではないでしょうか。
わたし(ぼく)に、いつ声をかけてくれはるかな、と待っている子も多いと思います。
一日中、一度も声をかけてもらえない子がいたとしたら、どんなにさびしいことでしょう。
と言うのは簡単ですが、クラス担任の仕事は山ほどあります。
それでも、一日も早く子ども一人ひとりとの信頼関係を築きたかったら、朝の会から帰りの会までの間のどこかで、学級の子ども全員に声かけをするぞ、という心意気で臨みたいものです。
朝の健康観察で子どもの心の様子を見抜こう
朝の健康観察でクラス担任が一番大切にしなければならないことは、子ども一人ひとりと目と目を合わせて「○○さん」と呼びかけることです。
子どものまなざし、表情、仕草、返事、声の状態を、毎朝どの子にも目と目を合わせて健康観察するのを続けていると、
その子が心から元気に出席しているのか、
その子がイライラした心で出席しているのか、
その子が沈んだ心で仕方なく出席しているのか、
今日の気になる状況の子はこの子とあの子というふうに、一瞬で感じるようになります。
そうなれば、その日、声かけを意識的にしてやらなあかん子がカウントできます。
気になる子には、そっと声をかけます。
それで、家で何かあったことを背負ったまま登校してきたことがわかれば、保護者への対応が必要か職員間で相談できます。
朝の登校中や朝自習の時などにあった子ども同士のトラブルを引きずっていれば、話を聞いてあげて、対処することもできます。
保育士・教師は忙しい仕事ですから、後手に回るより、先手必勝です。
つまり、朝の健康観察こそ、積極的な生徒指導のシンプルな実践なのです。
大事にしたいのは、担任の声の柔らかさ・温かさ・しなやかさです。
1人ひとりの子どもの名前を呼ぶ時、わが子をいつくしむように優しくよびかけることです。
必ず目を見てあげ呼名をしましょう。
そんな担任と目を合わせられない子がいても、しからないであげてください。
心が落ち着かない状態で登校してきた子だという印です。
反応を見ながら、再度呼びかけて目を合わせてくれたら、「うれしいな」と言ってあげてもいいのです。
それでも、目が合わせられない子もいます。
そばに歩み寄って、その子と同じ視線の高さで(低学年ならひざをついて)名前を呼ぶと、案外、ちらっと目を一瞬合わせてくれるものです。
ここまでしてやっているのに、なんて思ってはいけません。
1人ひとりの心の状態を確かめているのですから、笑顔を忘れないようにしましょう。
子どもが目を合わさないことには、必ず理由があるからです。
長い目で見てあげましょう。
成果が、5年、10年後に出ることだってあるのです。(実際に見たことあります)
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