小学生の集団登校:登校班長さんをもっとほめてあげてください

ふとしたきっかけで、住んでいる地域の小学生の集団登校に、学校まで付き添っています。長年、ひと班だったのですが、人数が増えて2班体制になったからです。たまたま4月が、中学生の登校を交差点で見守る当番が当たっていたということもあります。うちの村は地蔵盆も含めて、小中PTA合同で一緒に子ども会として活動していて、登下校を見守ろうということになっているのも、ひとつの理由です。頼まれたわけでもなく、委嘱されたわけでもなく、時間もあるし勝手にやっているだけです。そんなこんなで4月から付き添いを始めて、もうすぐ3ヶ月になります。学校まで約1,5kmほどあり、片道20分そこそこで着きます。自転車を引いているので、8時頃には帰宅して、用事(仕事など)にもなんとか間に合います。


4月の初めに比べると、登校班にもまとまりができてきました。それでも、歩道脇の側溝に片足をふみはずして、こけて泣く子もいます。途中で雨が降ってきて、ランリュックに雨よけカバーをつけるのが一苦労の子もいます。つまずいて、田んぼに落ちそうになる子もいます。その度に、上級生が下級生に声をかけて面倒を見ながら、みんなで学校をめざします。頼もしい登校班長さんの6年生です。4月によく言い合いをしていた子も、6月には仲よく楽しそうにしゃべっています。保護者同士のつき合いがあまりない子同士も、ごく自然に会話が成立しています。女の子と男の子の会話が、はずむこともあります。1年生同士が手をつないでスキップすることもあります。こういうところが、子どもたちのええところです。大人には、なかなか真似できませんねぇ。時々、付き添いのオッちゃん(私)も会話の仲間入りをさせてくれます。ごくたまに間違えて「なあ、先生」と言われることもあります。言った子は、照れくさそうに笑います。


私が声をかけるのは、1年生が、歩道と田んぼの間の土の所にフラフラッと行った時です(歩道の幅がせまいから)。他の子が、それに気づかずにぶつかってしまったら、はずみで1m下の田んぼに落ちてしまう危険性があるからです。わが子が小1の時も、それで、泥まみれになって帰って来たことが何度もありました。低学年は、歩道をまっすぐ歩くことが、まだまだ上手とは言えないということでしょう。運動会の50m走で、自分のコースをまっすぐ走れない子が少なくないのも1年生です。そんな1年生に登校班長さんが気を配ってくれています。横断歩道も同様に、クルマを見張ってくれます。登校班長さん、本当によくやってくれていると思います。ですから、登校班の後ろのほうの子らが、ちゃんと着いて来てるかまで、確認する余裕はないと思ってあげてください。ですから、一番後ろの5年生(副班長と呼ぶ学校も多いです)が、登校の列がばらけそうになると、「前につめて」と下級生たちに指示を出します。先頭の6年生と、最後尾の5年生、さすがは高学年です。両者の役割分担によって、班がひとかたまりで登校できるのです。


村から学校までの間に、大きな道路の横断歩道を渡る所が3か所あります。そのうち信号があるのは、学校前だけです。残念ながら、走っているクルマのマナーは、決してよいとは言えません。信号が黄色になっても、そのまま通過するクルマもあります(ヒヤッとします)。どう見ても、時速80kmという猛スピードのクルマもあります(飛ばしすぎです)。飛ばしているクルマは、若い男性だけとは限りません。年配の飛ばし屋の軽トラもあれば、若い女の子や、おばちゃんの飛ばし屋もいます。携帯電話でしゃべりながら乗っている人もいます(中にはメールも!ありえへん)。携帯やタバコの「ながら運転」をしている男女の比率は五分五分といったところでしょうか(クルマの運転でも、授業参観でも、女性のマナー低下が著しく、今や男性並みになりました)。子どもたちと一緒に歩いてみて、やっぱりこわいと感じるのは、クルマでした。横断歩道は、最も気をつかう場所です。


うれしいことも、たくさんありました。村の小学生のPTAの役員さんは初めの1週間、毎日出てくださいました(お迎えも)。その後は、他の保護者のみなさんが、集合場所に見送りに来てくださることも多いです。車で仕事へ行く途中に、わざわざ通学路を通って、手を振って行く保護者も増えました。ほとんどの保護者が会釈をしてくださるか、声をかけてくださいます。自転車を押して、通学の付き添いを一緒にしてくださる親も、1人や2人ではありません。何度もありました。私の都合がつかない日に、私の代わりに付き添うのを申し出てくださる保護者もおられます。地区担任の先生が自転車で来てくださることもあります。


台風の暴風警報が解除されて、強風注意報になった日の朝は、予想以上に大変でした。集合場所へ、大きいクルマで来て、「子どもらを全員乗せて行きましょうか」と親切に申し出てくださる保護者もおられました。お気持ち(ご厚意)だけ、ありがたく頂戴しました。しかし、こういう天候の登校も大事な体験や!という私の見通しは、甘かったのでした。出発してすぐ田んぼ道に出ると、すさまじい強風と横なぐりの雨でした。その猛烈な風に一度でもあおられたら、子どもの傘はおシャカになりました。今の傘の骨は「きゃしゃ」ですから、2人の子の傘を応急修理しました。そんな所に、クルマで見に来てくださった保護者がおられました。「この班の子どもら、学校まで乗せて行きましょうか」「この班は2人、傘をやられているので、お願いします」助かりました。私は、1人も傘をやられていない、もう1つの班に付き添って、無事に学校へ着きました。他の村の登校班も、傘がこわれている子が少なくありませんでした。


こうして、子どもらの登下校を見守ろうという保護者のみなさんの意識が高まってきました。そんな前向きな親たちの姿を見て、子どもたちの安心感もアップした気がします。私自身はありがたいことに、運動不足解消になっています。


昭和の時代と比べて、登校班長さんの指示を聞けない低学年が全国的に増えてきました。異年令集団で群れて遊ぶことを、上級生から下級生に教える体験が、消えたからです。以前より登校班長さんの負担が大きくなっていることを、親も知ってほしいと思います。おそらく負担感は、昔の2倍以上あるでしょう。


3学期の終わり頃、5年生が同じ登校班の新1年生の子の家へ行く学校もあります。「集団登校のおさそいの手紙」(集合場所・集合時間、登校班長名など)を渡します。それは地域の親同士のつながりが希薄になってきたからです。そこまでしてもらったら、新1年生の親は、わが子を連れて、登校班長さんの家へ、「4月から集団登校、よろしくお願いします」 と顔合わせに行くのが礼儀(顔つなぎ)だと思います。それなのに、中には、当然の権利だと受けとめる困った親もいます。そういう親に限って、文句だけは一人前以上です。見守ることに一度も協力しないのに、登校班長に苦情だけ言う困った親も少々いると聞きます。


本来、毎朝「登校班長さんの言うことをちゃんと聞くんだよ」と、わが子を送り出すのが親の最低限の責任だと思うのですがねぇ。親も先生も、「6年生だから当然」だと思わず、登校班長さんの「苦労をねぎらってあげることが大事な時代になっていること」を自覚してほしいものです。学校に集団登校の苦情が来るのはいいのです。登校班長に直接クレームを言う親が、万が一いたら、すぐ学校に報告しましょう。そして、登校班長さんを守ってあげてほしいと思います。今は、昔と違って、バックアップの必要な時代なのです。以上、子どもたちの集団登校に毎日付き添って気づいたうれしいことに、プラス以前に勤務した学校で実際にあったトラブルを思い出したので、つけ加えてみました。それから、もう1つ、登校中に、子どもから教えてもらいました。カリブ海にアンティガ・バーブーダという国があることを・・知りませんでした。

関連ページ
子どもと向き合う学級づくり⑪【2月の教室】+【集団登校班長さんをほめる】【子どもが待っている先生の「ひと言」】
http://sg2takaboo.exblog.jp/24898150/


by takaboo-54p125 | 2011-06-30 05:02 | 保育・教育