赤ちゃんを観る小児科スーパードクターの眼力「5ヶ月から6ヶ月まで」その1

「5ヶ月から6ヶ月まで」その1
「育児の百科」松田道雄・著(岩波書店)より抜粋


『前月にくらべると赤ちゃんは、からだの各部分を動かすことがさらに上手になる。 力も強くなる。 自分の周囲に対する関心も積極的になる。 したがって、「何でもみてやろう、何でもさわってやろう」ということになる。


どちらかの耳の後ろで本人に見せないようにガラガラをならすと、その側に顔を向ける(聞こえるからだ)。


抱っこをしてやれば、鼻をつかみにくる。オモチャを目の前に持っていくと、手を伸ばしてくる。  手でつかんだものは、ふり動かすか、口に持っていくかする。


足のふんばりも強くなる。 かけてあるふとんをけとばすことが多くなる。 足を自由にしてやると、バタンバタンと上下させ、ふとんをたたくようにする。  ひざの上に抱きあげると、少しの間つっぱって立てる。 ピョンピョンと跳ぶようにもする。  気に入らないことがあると、そっくり返って泣く子もある。


早い子だと、夏の軽装期では、ねがえりができる。


だが、どの赤ちゃんも5ヶ月になったら、この程度のことができるというのではない。 おっとりした赤ちゃんだと、まだ、4ヶ月から5ヶ月のところに書いた状態である。  ひざの上に抱きあげた時、足をピョンピョンしない赤ちゃんは、案外いるものだ。 たいていの赤ちゃんは、支えてやれば、おすわりができる。 10分か15分は、支えないでもすわれる赤ちゃんもいる。   すわっていて、背中をえびのように丸くして、足の指を吸う子も出てくる。


周囲を認識する能力も、いちだんと進む。  母親の顔がわかる。 母親の顔を見れば笑うが、よその男の人の顔をを見ると泣き出すというようなこともおこってくる。 今までそばにいた母親がいなくなると、泣き出す赤ちゃんもある。 「イナイイナイバー」をすると、うれしそうにする。  ベッドからオモチャが下に落ちると、それを目でさがす。


だが、どの子も外界を同じように感じるのではない。 予防接種をするとよくわかることだが、注射してもちっとも泣かない赤ちゃん、注射してしばらくは泣かない赤ちゃん、注射の針がささった瞬間に泣き出す赤ちゃん、などいろいろである。それは、持って生まれた性分で、しつけによるものではない。


活動的である赤ちゃんは、睡眠の時間が短いし、おっとりした赤ちゃんは、昼間もよく眠るし、夜も早く寝る。 だが、赤ちゃんが外の世界に対して積極的にはたらきかけようとすることがさかんになるにしたがって、前月にくらべて昼間の睡眠の時間は減ってくる。  午前に1~2時間、午後に2~3時間眠るという型が多い。  昼間に運動がさかんになるので、つかれて夜の眠りも深くなる。 深夜に目のさめることも2度だった子は1度になり、1度だった子は、さめずに朝まで寝る。


もっとも、昼間にいろいろなものを見て、おどろいたり、こわがったりすることもふえるので、夜にそういうものの夢を見るのだろう、突然に大きい声をあげて、おびえたようにして泣き出すことがある。 今まで一度も痛い目にあったことのない赤ちゃんが、予防接種をしてひどく泣いて以来、夜に急に泣き出すことがあるので、そういう想像をするわけだ。


夜に急におびえて泣き出した赤ちゃんが、いつまでも泣きやまずに、親たちをなやませる「夜泣き」(203番の夜泣き275ページ参照)は、5ヶ月に始まることが、一番多い。 人間の認識では、よろこびと、おそれが、貨幣の両面のように背中合わせになっていることは、その最初からの宿命というべきなのだろう。


排泄も、大便は、1日1~2回という赤ちゃんが多い。 だが、母乳栄養だと4~5回は必ずある赤ちゃんもめずらしくない。  逆に、2日ごとに浣腸しないとどうしても出ない便秘型の赤ちゃんも少なくない。  便秘型の赤ちゃんが離乳食を食べ始めてから、毎日便が出るようになることは、むしろ少ない。  まだ、繊維の多い野菜とか肉とかいうものを与えられないことにもよる。  だが、果実やヨーグルトをたくさん食べさせると、楽に出るようになる例はある。


この時期によくある大便の異変は、前月あたりから離乳食を与えて、かなり進んだ赤ちゃんに起こる下痢である。 今まで、かなり濃いおもゆを食べていた赤ちゃん、かゆを食べられるようになっていた赤ちゃんで、何かの原因(たとえば、食べ過ぎ、かぜ)で大便がやわらかくなった時、おどろいて一切の離乳食を中止して、母乳だけか、またはミルクだけに逆もどりさせると、どうしても便がかたまらなくなってしまう。 赤ちゃんの栄養に明るくない内科医のよくやることだが、最初下痢便があったと聞くと、とにかく母乳かミルクだけにすれば安全だろうと思って、離乳食は一切いけないと命令する。  そうなると、便は4日たっても5日たってもかたまらない。


赤ちゃんはミルクだけでは足りないので、空腹を訴えて泣き、母親が食事をしていると、ほしそうに手をのばす。  こういう離乳がある程度すすんだ子をミルクや母乳に逆もどりさせたためにおこる下痢は、また元の離乳食にもどらないと、とまらない。
(201番の消化不良272ページ参照)


おしっこの回数がわりに少なく、出る時刻が決まっていて、性格もすなおな赤ちゃんだと、暖かい季節には、抱きかかえて便器にかけると、うまくおしっこをしてくれることが多くなる。   だが、それはオムツを節約できるというだけのことで、しつけの上での意味はない。 寒い季節におしっこの回数の多い赤ちゃんに、そんなことをしても、早くおしっこをしてくれるようにはならない。 夜間のオムツをとりかえるかどうかは、前月のところを読んでもらいたい。』


以上です。


さて、松田ドクターが書いておられないことを少々・・。


赤ちゃんがお母さんと全く目と目を合わせてくれない時、目を合わせても、ぜんぜんニコッとしない、笑顔がまったくない時、おなかもへってないのに、オムツもかえてあげたのに、全く泣きやまない時、抱っこしてあげてるのに、よけいはげしく泣く時、お母さんは、心配ですよね。そういう場合、次のHPを紹介したいです。


『子ども発達支援ホームいわしろ』

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静岡県磐田市の「子ども発達支援ホームいわしろ」が、わかりやすい育児のポイントを公開しておられます。

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by takaboo-54p125 | 2011-05-22 05:15 | 育児・子育て