子どもは素話・読み聞かせが大好き「三びきのやぎのガラガラドン」「あめだま」「白い足あと」…「食べられたヤマンバ(三まいのおふだ)」など民話・童話・物語

子どもは読み聞かせが大好き!素話(語り聞かせ)はもっと大好き!


子どもは読み聞かせが好きです。素話はもっと好きです。素話というのは、大人が覚えているお話を子どもにしてあげることです。本は手元にありません。子どもが寝る前にしてあげた方もおられるのではないでしょうか。みなさんも、「ももたろう」「花さかじいさん」「おむすびころりん」「さるかに合戦」「大きなかぶ」「三匹の子ブタ」「ブレーメンの音楽隊」などのお話なら、どれかを思い出しながら、お子さんにしてあげたことが、あるのではないですか。これらは、どのお話も2回、3回と同じパターンのくり返しがあるのが、お話の共通点です。幼児が親の素話を好むのは、このくり返しこそ、次が予想できておもしろいからなのです。ぜひ、どんな話でもいいので、寝る前、布団に並んでねころがって、素話をしてあげてほしいと思います。先生方、自分が覚えられない話は、読み聞かせでもいいと思いますよ。


次の話は、大坂の先生が素話として滋賀の子どもたちにしてくださったお話です。セリフが多いお話です。


【三びきのやぎのガラガラドン】 ノルウェーの民話


 むかしむかし、あるところに、三匹のヤギがいました。 
一番小さいヤギは、ガラガラドンという名前でした。
中くらいのヤギは、ガラガラドンという名前でした。
とっても大きいヤギは、ガラガラドンという名前でした。
三匹とも、ガラガラドンという名前だったのです。

 さてある日の事、三匹のガラガラドンは、山の向こうへ草を食べに行くことにしました。
山の向こうの草はやわらかくておいしくて、食ベたらきっと元気で丈夫(じょうぶ)になれるでしょう。
三匹のガラガラドンが歩いていくと、途中に深い谷があって橋がかかっていました。
「小さい橋だなあ。三匹いっしょには渡れないや」
そこで最初に小さいヤギのガラガラドンが、コトコト、コトコト、橋を渡りました。
橋のまん中まで来ると、深い谷底から、
「こらー! わしの橋をだまって通るのは、誰だー!」
と、いう声がして、恐ろしい怪物が出てきました。
「ぼくです。小さいヤギの、ガラガラドンです。山の向こうへ、草を食べにいくんです」
「小さいヤギの、ガラガラドンだと? だまってわしの橋を通ったからには、草なんか食ベに行かれないぞ。おれさまがお前を、食べるんだからな!」
「まっ、待ってください。ぼくはこんなに、小さいんです。後ろから、もっと大きいヤギが来ます。どうせ食べるんなら、大きいヤギの方がおいしいですよ」
小さいヤギのガラガラドンは、小さい声で言いました。
「そうか、じゃあ、次に来るやつを待つとしよう。さっさと行っちまえ」

 やがて中くらいのヤギのガラガラドンが、ゴトゴト、ゴトゴト、橋を渡って来ます。
橋のまん中まで来ると、
「こらー! だまってわしの橋を通るやつは、誰だー!」
と、怪物が出てきました。
「ぼくです。中くらいのヤギの、ガラガラドンです。山の向こうへ草を食べに行くんです」
「ざんねんだな、中くらいのヤギのガラガラドン。お前が草を食べる前に、わしがお前を食べるんだ」
怪物は、大きな口をパクッと開けました。
「待ってください。ぼくのあとから、もっと大きいヤギがきます。どうせ食ベるんなら、大きい方がおいしいですよ」
中くらいのヤギのガラガラドンが、中くらいの声で言いました。
「そうか、じゃあ、待ってるとしよう。さっさと、行っちまえ」

 やがて大きいヤギのガラガラドンが、ドシドシ、ドシドシ、橋を渡って来ました。
「こらー! だまってわしの橋を通るのは、誰だー!」
怪物が、出てきました。
「ぼくだ。大きいヤギの、ガラガラドンだ」
「ようし、食ベてやるから覚悟しろ」
怪物は大きな口を、パクッと開けました。
「ふん、食べられるもんか! ぼくは大きいヤギのガラガラドンで、立派なツノもはえてるし、強いツメも持ってるぞ。さあ来い!」
大きいヤギのガラガラドンは、怪物に向かって突き進みました。
ドシーン!
キラキラ光る二本のツノが、怪物の目をさしました。
「ウギャーーーー!」
どんなに強い怪物でも、目をつぶされてはかないません。
大きいヤギのガラガラドンは、ゆうゆうと橋を渡りました。
こうして山の向こうの草原に着いた三匹のガラガラドンは、おいしい草をたくさん食べる事が出来ました。
はい、これで山へ行って太ってきたやぎさんのお話は、おしまいです。


次のお話は、小学校の1~3年生が好む、ほのぼのとしたええお話です。


【あめだま      にいみなんきち】


はるの あたたかい ひのこと、わたしぶねに

ふたりの ちいさな こどもを つれた

おんなの たびびとが のりました。


 ふねが でようと すると、

「おうい、ちょっと まってくれ」

と、どての むこうから てを ふりながら

さむらいが ひとり はしってきて、

ふねに とびこみました。

ふねは でました。

さむらいは ふねの まんなかに、

どっかと すわっていました。

ぽかぽか あたたかいので、

そのうちにいねむりを はじめました。


 くろい ひげを はやして、

つよそうな さむらいが、

こっくりこっくり するので

こどもたちは、おかしくて 

ふふふと わらいました。

おかあさんは、くちに ゆびを あてて、

「だまっておいで。」

と いいました。

さむらいが おこっては たいへん だからです。

こどもたちは だまりました。


 しばらく すると、ひとりの こどもが、

「かあちゃん、あめだま ちょうだい。」

と、てを さしだしました。


 すると、もう ひとりの こどもも、

「かあちゃん、あたしにも。」

と いいました。


 おかあさんは、ふところから

かみの ふくろをとりだしました。

ところが、あめだまは もう ひとつしか

ありませんでした。

「あたしに ちょうだい。」

「あたしに ちょうだい。」


 ふたりの こどもは、

りょうほうから せがみました。

あめだまは ひとつしかないので、

おかあさんはこまって しまいました。

「いいこ だから まって おいで。

むこうへ ついたら かって あげるからね。」  

といってきかせても、

こどもたちは

「ちょうだいよう」

と だだを こねました。

いねむりを していたはずの さむらいは、

ぱっちり めを あけて、

こどもたちが せがむのを みていました。

おかあさんは おどろきました。

いねむりの じゃまを されたので、

この さむらいは おこって いるのに

ちがいないと おもいました。

「おとなしく しておいで」と

おかあさんは こどもたちを なだめました。

けれど、こどもたちは ききませんでした。

すると、さむらいが、

すらりと かたなを ぬいて、

おかあさんと こどもたちの まえに

やって きました。

おかあさんは まっさおに なって、

こどもたちを かばいました。

いねむりの じゃまを した こどもたちを、

さむらいが きりころすと おもったのです。

「あめだまを だせ。」

と、さむらいは いいました。

おかあさんは、おそるおそる

あめだまを さしだしました。


 さむらいは、それを ふねの へりに のせ、

かたなでぽちんと ふたつに わりました。


 そして、

「そうれ。」

と、ふたりの こどもにわけて やりました。

それから、また もとのところに かえって、

こっくりこっくり ねむりはじめました。



次のお話は、子どもたちが最初から最後まで、お医者さんと出会わぬまま、夕べ歩いたであろうその足跡を見ながら雪道を歩いていくお話で、ご高齢のお医者さんを思う2人の優しさに、なんとも心温まる物語です。


【白い足あと    神戸淳吉(こうべじゅんきち)】


ゆうべ、また雪がふりました。畑も道も雪でうずもれてしまいました。
「道だか、あざだか、わかんないや。気をつけないと、ころぶぞ。」


 年夫は、まだ、だれも通った人のない雪の道を、一歩一歩ふみこみながら、

うしろの正吉に言いました。

弟の正吉は、こんな深い雪の中を歩くのがうれしいのでしょう。

わざとまっ白になって、雪をけちらしています。


 二人はこれから、雪の積もったゆうべのままの道を、学校へ行くところでした。

「あれっ、この足あと、二郎ちゃんだな。もう学校へ行ったんか。早いなあ。」

お地蔵さまのある曲がり角まできた時、正吉は白い足あとを見つけて言いました。

わらぐつで歩いたらしい白い足あとが、二郎の家の方からついていたからです。

「こんな二郎ちゃんがあるかい。二郎ちゃんのおじさんだろ、きっと。」


 年夫はそう言いながら、足あとを見て行くうちに、急に笑い出しました。

その足あとの人が、雪に足をとられたらしく、ころんだあとがあるからです。

けれど、ころんでからも、なかなか起き上がれないらしく、

雪の上に手のあとや、おしりのあとが、いくつも 残っていました。


 正吉もそれを見て、年夫といっしょになって、笑い出しました。


 ちょうどそこへ、二郎が急いで追いかけて来ました。

そして、二人の顔を見るなり、すぐにこう言いました。

「ゆうべ、おらんちのとなりの、山田のおばあさんが、肺炎になりかかったんだ。

 そいで、おらんちのお父さんが、急いで先生を呼びに行ったりして、

 夜通し大さわぎだったんだぞ。」

「へええ・・・肺炎って、死ぬのか。あのおばあさん死んだのか。」


 年夫は、目をまるくして、聞きました。

「もう少しで死ぬ所だって。

 でも、雪の中を、先生が来てくれて助かったんだ。

 何本も注射したぞ。おら、見てた。」

二郎は、じまんそうに話しました。

「ふうん、・・・そうか・・・それでわかった。


 さっき、お地蔵さまの所でころんだ人、先生だよ。

 正吉、先生がころんだんだ。」


 年夫はふと、なぞがとけたように笑いながら言いました。

「ああ、あのしりもちは、先生んだね。」

 正吉も、そう言いながら、うなずきました。

「うん、お地蔵さまんとこの、あれだろう。先生のだよ。

 雪がやんでから、一人で帰って行ったから、とちゅうでころんだんだよ。」

 二郎も、いかにも初めから見ていたように言いました。


 その先生は、年夫たちの村の、たった一人のお医者さんでした。

戦争中、東京から、この山の中の村へうつ移り住んで

もう十七、八年、今では七十近くなっていました。


 それでも先生は、どんなにおそくても、必ず病人をみてくれました。

いつもむっつりとして、おせじを言わない先生でしたが、

この村の大人も子どもも、みんな、

先生のお世話にならない者は、いませんでした。


 年夫たちは、先生の、おこったような顔を思いうかべ、

また雪の中を歩いて行きました。

しばらく行くと、二郎がひぇーっと、すっとんきょうな声をあげました。

雪のふきだまりに、また大きく人のころんだあとがあったからです。

「先生、よくころぶなあ。」

「ころんでばかりいるな。」

二郎も年夫も正吉も、先生のころんだあとを見て、涙が出るほど笑いました。

けれど笑っているうちに、だんだん先生がかわいそうになってきました。


 深い雪の夜道を、何度もころびながら、

あのおじいさんの先生は、ちゃんと家へ帰れたでしょうか。


 年夫たちは、急にだまりこくってしまいました。

そして、先生の残していった白い足あとを、たどりたどり、

学校の方へ歩いて行きました。


私が尊敬する園長先生から紹介してもらった講師をお招きして、素話を子どもたちにしていただきました。その時の、子どもたちの輝く表情に驚かされ、その後、見よう見まねでしてみましたが、とうてい、講師の先生のレベルまでは到達できていません。それでも、私が素話をする時に、最も気に入っている(子どもたちの反応が楽しいから)昔話を紹介させてください。

【食べられたヤマンバ   松谷みよ子・作】青森県の民話「三枚のおふだ」


次は短い民話です。小学校高学年の授業にも使える、心にじんわりとしみ込むお話です。


【あとかくしの雪       木下順二・作】新潟県の民話

次は、手紙形式の物語文です。6年生の三学期に読み聞かせたいお話でしょうか。


【定ちゃんの手紙       千葉省三・作】「千葉省三童話全集」(岩崎書店)より


次は、小学3年生国語教科書(光村図書)下巻にのっていたお話です。


【三年とうげ         リ・クムオギ(李綿玉)作 韓国の民話


光村図書:小学3年国語教科書:下巻には、パク・ミニ(朴民宜)さんの、ほのぼのとした挿絵がありました。文章もリズミカルで、いい感じです。ただ、「三年とうげ」の学習が終わってから…という配慮は必要です。

次は、ドイツのグリム童話の1つで、4つのくり返しが魅力的です。

【ブレーメンの音楽隊】                ドイツのグリム童話

次は、ロシア民話の1つです。私が低学年の担任をしていた時の教科書にも載っていました。

【おおきなかぶ                   ロシア民話

以上、いつまでも語り聞かせ・読み聞かせのお話として時代を超えて残ってほしいし、子どもたちのためにも決して埋もれさせてはならないと思う、9つのステキなお話(民話・童話・児童文学)の紹介でした。もちろん、他にも「かさこじぞう」「たぬきの糸車」「スーホの白い馬」など、いいなと思うお話はたくさんありますよ。

関連ページ
「語り聞かせ(ストーリーテリング)」と「読み聞かせ」の違い(年令別:お話の紹介:27話)
https://sg2takaboo.exblog.jp/24898473/


寿限無(じゅげむ)のお話:夢中になるのは小2~小3でしょうか
http://sg2takaboo.exblog.jp/24898474/

子どもが夢中になれる【リズム遊び(11種類)】【絵書き歌ブッターマン】【文字書き歌(5種類)】【室内ゲーム(3種類)】子どもは【かけ声チクサクコール】が大好き

http://sg2takaboo.exblog.jp/24898097/



by takaboo-54p125 | 2010-08-04 23:08 | お話・リズム遊び・室内ゲーム