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「パパママ育児④」Q&A:すねたり泣いたり怒ったり(感情を爆発)する子に【共感カメラ目線】で相手をするコツ

ある幼稚園の「おたより」の【子育てQ&A】です。
【すぐスネ夫くん】
Q:自分の思い通りにならないと、すぐすねたり、八つ当たりをすることがあり、あげくの果ては、
「バカ」「マヌケ」
などと言って困らせています。
こんな時どうしたらいいでしょう。
(年少・男児の母より)


A:3才から4才にかけて多少の個人差はあっても、どの子にもある傾向です。
この頃は、自立心や意志・意欲の心が育っていく時期です。
自分の思い通りにならない時は、その相手がおもちゃであれば、おもちゃに怒ったり、自分の欲求がかなえられないと、すねたり、反発したり、へんなところに八つ当たりをしたりするわけです。
そうすることで、幼児は、心のバランスをはかっているのです。
ですから、言うだけ言わせ、発散させ、心が落ち着いたところで、
「よしよし、お母さんのところにおいで」
と言って、ひざに抱きます。
そして、例えば、明日もらえるお菓子が今日もらえるとかんちがいして、すねてしまったら、
「お母さんが、さっき言ったように、ガマンしてくれたから、えらかったね。明日になったら買ってあげるから、明日までガマンしようね」
と、やさしく、言ってあげます。
また、反発するのが2日続いた場合、
「きのうは、バカバカ・・・・って、6回も言ったのに、今日は3回しか言わなかった。えらかったね。」
と、ほめてあげます。
その後、どうして思い通りにならなかったのかを、言いさとしてあげます。
子どもの売り言葉に、お母さんの買い言葉は、絶対禁物です。
エネルギーを充分発散させた後、ふれあい、なぐさめ、心にひびくように、やさしく言いさとしてあげること、
その積み重ね(くり返しくり返し)の中でこそ、健全な(すこやかな)情緒(心の安定感)が育っていきます。


【あの子、だいっきらい】
Q:「わたし、○○ちゃんキライ。だってイジワルするもん」
とお友だちのことを、誰がスキ、誰がキライ、とハッキリ言います。
そして、キライの理由は、たいてい「イジワルする」です。
(子どもの言うことだから、本当のイジワルかどうかわかりません。
ケンカして負けた=イジワルということもあると思いますが)
親としては、誰とでも仲よくできて、たくさんお友だちをつくってほしいと思うし、あんまりハッキリ名前を出してキライと言われるとドキッとして、
「そんなこと言っちゃだめよ」
ぐらいしか返答できないのですが・・。
(年少・女児の母より)


A:入園してしばらくの間は、集団の中にいても並行遊び(周りに友だちがいても、人間関係を持たないで、1人遊びをしている状況)が中心です。
でも、集団になれてくると、だんだん友だちを意識し始めます。
その意識の仕方は、自分にとって好きな相手なのか、キライな相手なのか、というレベルで認識しています。
それが、この子は、はっきりしています。
はっきりしているから、お母さんは、ドキッとなさったのでしょう。
しかし、「はっきりしている」ということは、わるいことではありません。
はっきり友だちを受けとめているということで、よいことだと思います。
「みんな仲よし、みんな友だち」
という親の言葉は大人の言葉、3才の子どもには、よく理解できません。
「ふーん、どうしてイジワルするのかな?そうだ、きっといっしょに遊びたくて、それで、イジワルみたいにしてるのかも知れないね」
「ふーん、キライなの。キライになるのって、いやだよね。今日はキライだったけど、明日はきっと、ちょっとだけキライじゃなくなるかも知れないね」
などと言ってあげます。
親がそういう返し方をしていると、そのうち、
「あの子はイジワルするけど、こうしてあげたら、やさしくなるよ」
「あの子がイジワルするのは、こういうわけだからだよ」
と、きちんと友だちをとらえていく子に、そして、その子なりに、よりよい人間関係のあり方を、身につける子になっていくことでしょう。


【やいっ、ぶっコロシテやる】
Q:言葉がきたなくて。
「やいっ、ぶっコロシテやる」
と、その意味もわからず言っているのはわかりますが、(中略)くり返します。
どうしたらよいでしょうか。(年長・女児の母より)

A:『ユーモアが育つチャンス』
4~5才、きたない言葉を使いたがる時期があります。
その多くは一過性のもので、しばらくすると忘れたようにおさまっていきます。
この時期、威勢のよい言葉を使うのは、
「情緒の健全な発達のあらわれ」
というぐらいに受けとめてもいいと思います。
どの子も、個人差はあっても、そういう時期を経て成長していくからです。
お母さんの言われるように、子どもは意味もわからず、ただその言葉の威勢のよさおもしろさを感じ、それを表現することで、自己の存在感を感じているのでしょう。
ですから、きたない言葉を使ったからと言って、やたら深刻に受けとめ、
「そんなきたない言葉を使ってはいけません」
と,高圧的に押さえ込んだりする必要はありません。
そういう言葉づかいをしたら、
「自分の妹によくも『ヤイッ、バカッ』って言ったな。よーし、それならお母さんも言ってやるぞ。
『ヤイッ、○子、バカッ』」
お母さんも調子を合わせて、じょうだんっぽく、ユーモアをまじえて、そのきたない言葉で言い返してあげるぐらいのこともあっていいと思います。
すると今度は子どももお母さんの調子に合わせて、
「○子のことをバカッて言ったね。お母さんの大バカッ」
子どもなりのユーモアをふくんだ感じで返ってくるようになれば楽しいです。
これは、言葉を通して「じゃれあう遊び」です。
人間、時にはわざとこんな遊びをすることも大切です。
そういうきたない言葉、語勢の強い言葉遊びを通して、幼児の情緒、感情のエネルギーが発散し、心が安定していきます。
また、そのやりとりの中に流れるユーモアの心も育っていきます。
そんな遊びの後で、再びお母さんが、われにもどって、
「さあ、もうきたない言葉遊び、おしまいにしようね。優しい言葉にしようね」
と言うと、満足した子どもは、意外と素直に、
「うん」
と答え、妹に対してのきたない言葉づかいも、だんだんおさまっていくことでしょう。


【ケンカに勝って帰れば、何と言う?】
Q:小さい時から、
「ケンカして負けるな」
と言ってきました。
そのせいで、ケンカで泣かされても
「勝ってきた」
と、ウソをつくようになり反省しています。
ケンカで負けた、と素直に言えるには?
(年長・男児の母より)


A:「わが子の姿を見て、親としてどうあるべきか」
を考えるのは、子育てで大切なことです。
わが子の今の姿を見て、「反省しています」と感じているお母さんは、よい子育ての姿勢を持っておられます。
さて、問題はどこにあるのでしょう。(中略)
いったい何をどう反省したのか、そこに、この問題を解くカギがあります。
『勝って帰れば、何と言う?』
けんかは、いやで落ち着かない悲しくつらい気持ちになります。
子どもの足は、一番落ち着くお母さんの所をめざすのです。
そんなお母さんにしか言えないこと、お母さんにしかぶつけられない気持ちをかかえて、最初のうちは素直に
「負けた」
と言ったはずです。
その時、お母さんの返事は、残念ながら、
「けんかするなら、負けるんじゃないの!」
わが子のせつない胸の内を聞いてあげようとしていれば、けんかして負けても、お母さんに
「勝った」
とウソをつかなくてすむのです。しかし、
「勝った」
と言わないと、しかられるのです。ですから、
「勝った」
と言うのです。
そう言わざるをえない子どもの気持ちを、考えたことがあったでしょうか?(中略)
「けんかして勝て」
と言うことで、結果として、お母さんが自分で、子どもの気持ちをくみとるパイプをふさいでしまったことに、気づいたのです。
だから、勝った負けたをわが子が素直に言うことより、自分自身が考えなければいけないことがあります。
親として、けんかから何を子どもに学んでほしいのか、本当に子どもの気持ちを大切にするため、親の態度をどう改めるべきか、について考えなければなりません。
けんかに負けて帰って来たわが子に、
「やられたら、やり返して、勝ってこい」
となじるのなら、勝って帰って来たわが子には、
「よし、強かった。勝って、えらいぞ」
と、ほめることになります。
そうして育つ子の将来がどうなるのか、心配です。
けんかは、負けるが勝ち、勝つ子より、負けた子の方が、ずっと自制心が育ちます。
そして、人の痛みを知ることを学んでいきます。
けんかして、負けて、しょんぼりしていたら、なじったりしないで、なぐさめてあげ、気持ちが落ち着いたら、そのいきさつを聞いてあげるのです。
そして、子ども自身が、自分の意志や欲求を主張することを認めながらも、譲歩する(ゆずる)ことの大切さも
感じさせてあげていってほしいと思います。


【ウワーンできひん!】
Q:Aさん(3才児)のお母さんから
こんな話をうかがいました。
最近Aさんは数字に興味を持ち始めました。
車に乗って走っている時に目に入る数字を見ては、わからない数字であれば聞いたりして、
「あれは3,あれは5・・」
と自然に1から10までの数字を読めるようになりました。
いったん覚えると、今度は書いてみたくなったのでしょう。
「数字を書きたいから、鉛筆と紙がほしい」
と言ってきました。(中略)
Aさんは数字の本とにらめっこし、ブツブツひとりごとを言い、本の中の「2」を見ながら書こうとするのですが、どうもうまく書けません。
自分の字と、本の字を見比べながら、
「こうじゃない、ちょっとヘン・・」
そうつぶやきながら何度も書き直していました。
焦りがだんだん伴って、重ねるほどに、ヘンな「2」になっていきます。
Aさんのいらだちが伝わってきたお母さんは、つい見ていられなくなって、
「お母さんが教えてあげる」
と言うと、見本を書こうとしました。
すると、Aさんは、
「いいっ、Aが書く」
と、鉛筆をふんだくりましたが、やっぱりヘンな「2」でした。
Aさんは半分泣き顔です。
大泣きされたら大変、今のうちに手助けをと、焦ったお母さん、
「ここの所を、こう書けば・・」
とAさんの手をとって、いっしょに書こうとしました。
「いやっ、Aが書く」
Aさんは、その手をふりはらって、もう意地になっていました。
でも、「2」が横向けになったり、鏡文字になったりしていました。
お母さんは、そんなAさんの悪戦苦闘を見ながら、書こうとする意欲があっても、「2」という字を書くことは、
3才児には無理なことだなと思いました。
お母さんは、高ぶるAさんのいらだちをおさめてあげようとしました。
「すみれさんになったら先生が教えてくれるから、れんげさんは書けなくてもいいんだよ」
「お母さんが言うもんで、書けれんじゃん」
Aさんは逆に怒った声で、お母さんに、そのイライラをぶつけてくるのでした。
お母さんの言うことを素直に聞いてくれたら、それだけスムーズに書けるようになると思うのに、意地をはって拒否するAさん、これから先、ひらがなを覚えていく時も、こんな調子でくり返されるのか、・・そう思うと、お母さんは先が思いやられるとのことでした。


感情の爆発の裏側には


幼児は課題に興味を持つと、それをやりとげようと試行錯誤をくり返します。
でも、なかなか思うようにはいきません。
その難しさがかえって魅力となって努力を重ねます。
Aさんは、たまたま数字に興味を持ち、自分で書いてみたいという意欲がわき、挑戦したのだと思います。
そんなAさんの心の背景には、なんでも知りたい、できるようになりたい、という探求心や成長意欲が支えになっていたことでしょう。
自分の意志で、自分の意欲で課題にひたすら挑戦をくり返している時、その様子を見ているお母さんの多くは、
ハラハラ、ドキドキ、ことの成り行きが気になって、言わなくてもよい「ひと言」を言うことがよくあります。
「ほら、そんなふうにするからできないのよ。
ここをこうすれば・・」
などと、ついつい「転ばぬ先のつえ」のアドバイスをします。
子どもは本来強い自立心を持っています。
自分の力でやりとげたいという願望を持っています。
ですから、全神経で課題に向け、集中力の限界ぎりぎりまで挑んでいるのです。
でも、お母さんのその「ひと言」が引き金となって、
「ウワーン、できひん!」
と大爆発を引き起こすことがよくあります。
子どもが熱中して取り組んでいる時、思うようにいかず焦りが見えても、見て見ぬふりをすることです。
やがて限界まで来ると爆発し、怒ったり泣いたり、投げつけたりします。
破壊行動が強ければ強いほど、課題への思い入れが強かったということです。
ですから、
(なんとまあ、ヒステリックで、かんの強い子だろう)
と思ってはいけません。
(こんなに爆発しなければならないほどに、課題に本気で熱中していたんだな)
と、その執着心を受けとめてあげるべきです。
時間の経過と共に、子どもの感情も収まってくるでしょう。
おさまれば冷静になります。
「2という字を書こうと一所懸命やったんやけど、うまく書けなくて怒ったんやね。怒るの無理ないよね。2という字はお母さんだって上手に書けないくらい難しいのよ。でも、Aちゃん、ここの曲がる所はすごく上手、それにこうして横にすると、かっこいい2の字になるやん。もうひと息よ。今度はもう少し上手に書けるはずよ。やってごらん」
というように、○冷静になるまで、ヘタな口出しはしないで、待ってあげること。
○その子の怒りの気持ちに、共感するメッセージを伝えてあげること。
○まちがいの字をよく見ると、その子のがんばった所が目につくはず。
わるい所を教えるのではなく、よい所を教えて、具体的にウンとほめてあげること。
そんな配慮をしてあげることで、子どもは気を取り直し、再び挑戦していくことでしょう。
幼児期、感情の爆発をおそれ、「転ばぬ先のつえ」とばかりに、事前にそれを避けさせようとする気配りは必要ありません。
興味→探究→集中→失敗→爆発をたくさん経験していくことで、自制心が養われていくからです。
そうして育った子は、不安定になりやすい中学高校時代、荒れたりすることは決してないでしょう。


以上、ある園長先生が、ずいぶん以前に保護者向けに発行された「おたより」の一部です。
なるほどと、考えさせられました。
みなさんも参考になさってください。
園長先生、ありがとうございました。


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by takaboo-54p125 | 2010-08-06 21:45 | 育児・子育て