人気ブログランキング | 話題のタグを見る

「パパママ育児⑦」乳児にスマホをさわらせるのは○か×か△か→スマホから子どもを守ろう→【やり抜く力と自制心を育てるポイント】

スマホを乳幼児にさわらせるのは○か×か△か


歯医者さんの待合室で何気なく雑誌を読むと、とても気になる記事がありました。

それは、小児科や精神科のドクターたちが「近頃の赤ちゃんの泣き方がおかしい」と感じていることから、ジャーナリストの方が警鐘を鳴らす記事でした。

その後、図書館で再度、同記事を読み返しました。

一読されるのをオススメしたい内容でした。


記事の概要を紹介させてください。

書き出し(太字)は

『最近、尋常ではない泣き方をする赤ちゃんを、電車の中などで見たことがある人もいるのではないか。

小児科医に聞くと、"金属音"のような泣き声を出す乳幼児が増え、それは親のスマホの使い方と関連性が高いという。・・』

でした。

記事に登場するドクターは全員実名ですが、ここでは伏せておきます。


長野県の小児科医の、乳幼児を心配する声が載っていました。

「金属的な叫び声のような泣き方をする子、泣き始めるとパニックになっておさまらない子が、数十人に一人の割合でいます。・・

(中略)・・女の子の方が多いのですが、男の子もいます」

「待合室でスマートフォンを使うお母さん、お父さんが増えました。

お母さんが赤ちゃんを抱っこバンドで前抱っこしている時、赤ちゃんは一心にお母さんの顔を見つめているのに、お母さんは顔をそむけたまま無表情でスマホを・・(後略)」


東京都の小児科医の、乳幼児を心配する声も載っていました。

「最近、パニックを起こして自己抑制できない子どもたちが多いですね。

特に予防接種では過剰に反応し、泣きわめく、騒ぐ、蹴る。・・(後略)」

「(前略)・・子どもたちは親とアイコンタクトを通して信頼関係を築いて育つのに・・

(中略)・・スマホを使っている親は、子どもと向き合わずに簡単にスマホを子どもに渡しているのです」


日本小児科医会常任理事(医師)の、育児や発達に関する見解が載っていました。

「(前略)・・赤ちゃんは、生後36カ月(3才)頃までに急速に脳の言語中枢や自己抑制の中枢が発達します。

その期間に、泣いて欲求を訴えたり、親や保育者と言葉のキャッチボールをしながら言葉を覚え、自己抑制も覚えていきます。

ところが、スマホが親子の間に入り込むと、言語や自己抑制の発達に、悪影響が及ぶと考えられます・・(後略)」


静岡県の小児科医の、育児や発達に関する見解も載っていました。

「(前略)・・眼窩前頭皮質(がんかぜんとうひしつ)は、出生の少し前から発達し始めて、生後3年足らずで発達を期待できなくなります。

その間、眼窩前頭皮質は親や保育者からの愛着と信頼、そして、教えられた我慢で育ちます。ところが・・(後略)」


大阪府の精神科医の、乳幼児を心配する声も載っていました。

「(前略)・・赤ちゃんには、笑ったら笑い返す、泣いたら『どうしたの?』と抱っこして反応することが基本なのです。

それが今では、抱っこをしながらでも、赤ちゃんの顔よりも、スマホの画面をつい見てしまいます」


ネット依存治療部門がある、神奈川県の国立病院機構・久里浜医療センター長(精神科医)が、「依存症の低年齢化」を指摘されている声も載っていました。

「(前略)ITメディアの依存症・・(中略)・・特にスマホは、ゲームや動画、インターネット、SNSなど依存しやすいアプリがたくさんインストールできるので、治療が本当に困難です」


日本小児科医会の、キャンペーン「スマホに子守りをさせないで」も紹介されていたので、日本小児科医会のHPを閲覧すると、以下の提言○×が書いてありました。

 赤ちゃんと目と目を合わせ、語りかけることで赤ちゃんの安心感と親子の愛着が育まれます」(どうせ赤ちゃんにはわからない!と決めつけないほうがよい)

× ムズがる赤ちゃんに、子育てアプリの画面で応えることは、赤ちゃんの育ちをゆがめる可能性があります」(親を求める赤ちゃんを、アプリでごまかさないほうがよい)


あちこちの小児科医や精神科医(臨床経験の豊富な専門医)の、今の乳幼児を心配する声を聞いて、育児・子育てに警鐘を鳴らす説得力のある記事でした。

1990年前後に小児科医が「サイレント・ベビー」と呼び始めてから四半世紀以上が経ち、その子たちがちょうど親世代(=スマホ世代)になる時期と重なる昨今・・なるほど、私も同感です。

閲覧者のみなさま、親世代への「あったかい啓発」

家庭で、わが子が泣いた時や親の顔を見ている時は、スマホをちょこっと中断し、わが子の目を見ながら受け答えしてあげてほしいと思うのですが、いかがでしょうか?。

わが子に「パパ・ママは、ボク・ワタシよりスマホに夢中なの?」と思わせる親には、出来ればならないでほしいと思うのですが、いかがでしょうか?。

わが子が親よりスマホを大事にする子に育ってしまわないよう、スマホにさわらせるのは、こういう時だけにしようと決めておくといいと思うのですが、いかがでしょうか?

など、保護者を責めずに伝えてあげてください。

「三つ子の魂、百まで」なのですから。

ただ、公共交通機関を利用している時に、わが子が泣いてしまった場合の「お守り」代わりがスマホであることも現実でしょう。

大切なのは、困ったらスマホに頼る時があってもいいけど、頼りっぱなしにならないようにすることでしょうか。


ところで、2016年1月22~23日に、ニュースや新聞で報道されているのが、「子どもの近視」についてです。

文部科学省が発表したH26年度のデータでは、小学生の10人に3人、幼稚園児の4人に1人が視力1,0未満でした(H20年以降の7年間続いています)。

さらに、小学生の場合は5人に1人が視力0,7未満です。

その原因として、保護者のスマホを幼児期から長時間さわらせたり、3DSなどのゲーム機やパソコンの長時間使用が考えられると、眼科医も指摘しています。

乳児・幼児にもスマホをさわらせている保護者のみなさんは、幼いお子さんの視力低下に影響を与えていることに気づいておられるのでしょうか。

さて、電車に乗ると、ずっとスマホとにらめっこしている人の多いことには、毎回びっくりします。

無料オンラインゲーム会社の売り上げが月100億円を超えたりする理由を垣間見た気がします。

たまに、読書している人を見かけるとホッとします。

私がもし、東京・山手線や大阪・環状線に乗っていたら、いざという時(地震など)の対策として、外の景色(特に目印となる建物など)をよく見ておいて、どの駅からでも徒歩で帰宅したり勤務先へ向かえる、おおよその経路をイメージしておきたいです(地下鉄ではさらに、もうひと工夫いるでしょうが)。


身近な人に聞けば済む内容でも、即スマホで検索する人が少なくありません。

先日1月7日(木)の朝日新聞2面には、「正規サイト見ただけで感染 ウイルス入り広告が誘導」という記事が載っていました。

トレンドマイクロ社が推奨する対策で私にも出来ることは、Windowsもウイルスバスターも、常に最新の状態にバージョンアップすることぐらいです。

とりあえずデスクトップ上に、広告のないGoogleのショートカットを出してみましたが…。


2016年1月6日(水)の朝日新聞2面、「ネットの呪縛 恋愛は面倒」という記事では、

『(前略)・・かつて恋愛は2人だけで世界が完結する楽しいものだったのに、今は数多くの人同士がSNSでつながって衆人環視下に置かれ、面倒なもの・・(後略)』と、親子の「恋人はいらない 親ラブ族」化現象を憂慮する有識者(「おひとりさま」「草食系男子」などの新語を世に出した方)の声が載っていました。

何でもかんでもSNSの時代です。

せめて恋愛とSNSだけは切り離さなくっちゃ

恋愛とSNSを連動させるのは、お互いに精神的負荷がかかりすぎてNG(危険)だと思いませんか。

たしかに年頃の娘さんと親(知人)が2人仲よくお出かけする「親ラブ族」化の姿を、私も見かけました(挨拶はしたけど、20代のお子さん・・大丈夫でしょうか?)。


どうか皆さん、スマホも上手に活用しながらスマホ依存にならないで!(SNS依存になると、脳の思考も○か×かというパターンになり、人づきあいもシャットダウン・リセットという感覚になっちゃうから)と願いつつ、何かと、格言「過ぎたるは、なお及ばざるがごとし」の意味を、かみしめたい時代になってきていると、つくづく思います。

そんな時には、ザ・ブルーハーツの名曲「情熱のバラ」で歌われている歌詞「なるべく小さな幸せと、なるべく小さな不幸せ、なるべくいっぱい集めよう」を口ずさむようにしています(便利さに安住しそうになる自らを戒める言葉として)。だらだら書きましたが、結論は、あくまでもスマホは人が上手に活用するツールであって、人がスマホに支配されちゃいけないのではないかという意味で、今のところ△かなぁと思います。

【追加】スマホから子どもを守りましょう

2019年6月、新聞に「日本小児眼科学会が、子どもがスマホの長時間使用で、急性内斜視になる危険が高まることを指摘した」と書いていました。

厚生労働省の発表でも、ネット依存症の危険がはっきりと言われてます。

スマホを使う場合、使用時間を決めるとか、休憩時間を入れるなどの、親子の約束を実行しましょう。

じゃないと、スマホのやりすぎで子どもの心身はボロボロになるのでは…。

常にイヤホンで大音量の音楽を聞く習慣の人が難聴になりやすいことも合わせて、何事もやりすぎると、「百害あって一利なし」ということなのでしょうね。

無料(でも課金したくなる)オンラインゲームの流行もどんどん変わっています。

以前は「パズドラ」「モンスト」が大人気だと思っていましたが、今は「荒野行動」「フォートナイト」等で子ども同士のトラブルが少なくないと聞きます。

YouTubeやLINEなどのSNSに、はまっている子の低年齢化も「大丈夫かな」とすごく気になります。


意欲(やり抜く力)と自制心を育てることの意味


2015年秋、久しぶりに出会った学生時代の友人(逸材)から薦められていた本を、この冬に、ようやく読むことができました。

教育経済学者の中室牧子・慶應義塾大学総合政策学部准教授の著書『「学力」の経済学』です。

就学前保育教育や学校教育に携わる方は、自らの視野を広げるという観点からも、直接読まれることをぜひオススメします。

なんせ、初版2015年6月18日から5ヶ月未満に第12刷発行(増刷)という、傑出した教育経済学書(アメリカにおける科学的な検証により、教育にいつ投資すべきかを明らかにした内容をまとめた経済書=すぐれた教育実践家個人の経験や勘ではなく、科学的な実験~追跡調査に基づいた教育書)なのです。

とっくに、文部科学省もベネッセ教育総合研究所も注目している・・とも聞きました(ベネッセの発信にも期待)。


さて、肝心の本書『「学力」の経済学』(中室牧子・著)の目次を見ますと、

第1章 他人の“成功体験”はわが子にも活かせるのか?

第2章 子どもを“ご褒美”で釣ってはいけないのか?

第3章 “勉強”はそんなに大切なのか?

第4章 “少人数学級”には効果があるのか?

第5章 “いい先生”とはどんな先生なのか?

本書における「科学的根拠に基づいた」事実のまとめも、この本を紹介してくれた友人の言葉を借りてみましょう。

彼の言葉は、全部で◎6つあります。

子どもが幼稚園で質の高い教育を受けるかどうかは、将来、社会的に成功するかどうかを左右する。

質の高い教育とは、子どものIQなどの認知能力ではなく、子どもの非認知能力が育っていく教育プログラムのこと。

非認知能力とは、社会性、忍耐力、自制心、意欲、創造性などがあるが、その中でも「意欲(やり抜く力)」と「自制心」が大切。

◎意欲は、ほめ方によって育ち「その子の能力」をほめる(「頭がいいね」等)と意欲が下がり、「苦労したこと、がんばった姿」をほめると意欲が育つ。

◎自制心は1才~3才までに親から共感的な眼差し(自発性を大切にした対応)でみてもらったり対応してもらうことで育つ。

学校の成績や社会的な成功を左右するのは、IQ(認知力)よりも「やり抜く力」「自制心」(非認知能力)の影響の方が、大きい。

このように、大人になって以降の人生の歩み方まで、3才までの育児・子育てが左右することが、アメリカでは経済学者や心理学者の研究グループの、長期にわたる検証によって明らかにされていました。

研究グループだからこそ成し遂げられた成果です。

それでは最後に、中室先生が著書の58・60ページに、ズバリ書いておられるひと言2つで、締めくくりたいと思います。

『「勉強しなさい」はエネルギーの無駄遣い』

『お手軽なものに効果はない』


関連ページ(記事)
学校・園で「自分を出したがる子&自分を出せない子」の共通点→たった一つの約束「大丈夫?」自己決定を促す「どうしたい?」+困った子は困っている子
https://sg2takaboo.exblog.jp/24898462/


「パパママ育児①」今すぐ始められる【子育てのポイント1~10】『心育て・親育ち』のミニプチ・ステップ

http://sg2takaboo.exblog.jp/24898092/



by takaboo-54p125 | 2017-05-14 05:17 | 育児・子育て